新興国における人口増大や経済発展,また世界的な情報通信社会,環境親和型経済を支える設備構築や革新技術の導入加速は様々な資源需要の増大を引き起こす。これらを支える資源供給の上流では鉱山開発に伴う土地改変,環境攪乱をはじめとした環境・社会への負の影響が懸念されている。本稿では,マテリアルフローの観点から我が国の資源需給について概観し,未利用資源の賦存量と,リサイクルについて解説を行い,最後にサプライチェーンを通じた資源調達にかかわる環境・社会的責任について触れる。
私たちの快適な日常生活を支えている地下エネルギー資源を見つけるためには,化学・物理学・生物学・地球科学などの自然科学と,物理探査工学・掘削工学などの工学に関する知識と技術が総動員される。実際に資源を見つけるために最も大切なことは,地下エネルギー資源がなぜ,どのように貯まるのか理解することである。
地球に生息する生物種はきわめて多様性に富み,それらが作り出すバイオ資源の有用性は,抗生物質や抗がん剤などの医薬,香粧品,食品,産業やわれわれの日常生活で用いられる酵素剤,環境浄化などの環境保全機能など多岐にわたる。生物種の多様性に応じてこれらのバイオ資源もそれぞれ多様でポテンシャルは高いが,その大部分は未開拓である。それらの探索研究のさらなる発展に向けて,課題も存在する。
「光と色」,光については高校でその性質を学習するが,色について体系立てた学習は大学においても一般的には行われていない。色は視覚にも関係する分野であり,光の本質は物理が,物体と光の関係に化学が関係し,その認識に生物が関わるという複合・境界領域にあたるともいえる。この稿では電磁波の特徴,光の吸収と放出,物体の色と色覚による色の認識について解説する。
光は均質な媒質中を進む限りは直進するが,反射,屈折,回折あるいは散乱などによりその進む向きを変える。また,複数の光が出会うと干渉によりその強度が変化する。これらの現象の多くは,光の波長の影響を受けるため,進む光が可視光線であれば色の発現に結びつく。本稿では,これら光の進み方に関する光の基本的性質と色の関わりについて見直したのち,我々が日常目にしている青空,白い雲,夕焼けあるいは虹といった,太陽光を源として空が見せる多彩な色についてその仕組みを解説する。
脳の働きは,多様な神経伝達物質によって担われており,精神・神経疾患は神経伝達の異常や,異常タンパクの脳への蓄積によって引き起こされる。分子イメージングは体の外からこれらの分子を可視化することで,認知症などの病気の早期診断やこころの働きをとらえることができる。