黒雲母花コウ岩地域をおもな集水域にし,人為的因子の影響の少ない住吉川について観測点を選定し,その定点における水質の経時変化を調査した。
夏期の濃度が冬期にくらべて高いのは,Mg,K,F,PO
4NO
2,Fe,Mn,Cu,Znであり,Ca,Na,HCO
3,Cl,SO
4,SiO
2はあまり変動がない。本流水質への降雨の影響については,Ca,Mg,Na,HCO
3,Cl,F濃度の変動は流水量とは逆相関を示すが,変動幅は比較的狭く,しかもたがいに類似している。K,SO
4,SiO
2の濃度の変動は複雑であり,他成分との相関性は見いだし難い。これらの成分は,約100mmの降雨ののちでも4日目頃には平常値にもどる。Fe,Mn,Cu,Zn,PO
4,NO
2の変動幅は比較的広く,他成分との相関も見いだし難い。上記のことは,集中的降雨時においても同様である。本流定点におけるCa,Mg,Na,HCO
3,Clの濃度比は常時比較的-定値を示し,各成分濃度はHCO
3値を用いて変動係数20%以下で推定できるが,K,PO
4,NO
2,Fe,Mn,Cu,Znは変動が大きく,推定できない。
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