日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
1972 巻, 12 号
選択された号の論文の54件中1~50を表示しています
  • 吉野 純子, 星 敏彦, 正本 雅, 井上 広保, 太田 和男
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2227-2230
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アクリジニウムイオンおよび9-アミノアクリジニウムイオンについて,46kK以下で延伸PVA`膜中における偏光吸収スペクトルを測定した。その結果を用いて,これらの化合物の吸収スペクトルを,分子の長軸(x)のおよび短軸(y)に分極した成分に分割し,各吸収帯の分極方向を実験的に求めたpこれをvar坤1eβ法を含む半経験的ASMO-SCF-CI法による計算結果と比較した。アクリジニウムイオンの場合には,23,28,0,29,4,38,5,38,7,43および46kKに7つの吸収帯があり,これらの分極方向は,それぞれ,y-,x-,x-,x-,y-,xおよびy-軸に沿っている。9-アミノアクリジニウムイオンの各吸収帯は分極方向も含めてアクリジニウムイオンの吸収帯とよく対応している。
  • 山村 博
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2231-2236
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    真空焼成によりLa固溶量で酸素欠陥量を制御したペロブスカイト型フェライト固溶系Sr1-¢La¢FeOの磁気的性質について研究した。0.0<x<0.30の組成範囲の試料は反強磁性体であり,N6e1温度は450~460℃で組成による-定の変化は認められず,La固溶量の増加にともない磁化率(Zg<)は小さくなる一方,N6el温度での磁気異常はいちじるしくなる傾向が認められた。0.40<¢<0.80の組成範囲では反強磁性にともない,寄生強磁性の派生がみられ,その飽和磁化(σo)はα8~2.8c.9.s.emuの範囲で得られ,露の増加とともに大きくなる。空気中焼成して得たLaFeO8に関しては,1100℃焼成試料は反強磁性体であるが,1300℃焼成試料では寄生強磁性(砺=0.55c.9。s.emu)をともなうことが判明した。寄生強磁性をともなう組成範囲α40<x<1.0において,σoとπ9の間には直線関係が成立すること,またLaFeO3の赤外吸収スペクトルの解析から寄生強磁性の発生にはある程度の酸素欠陥量の存在が有効であると結論づけられる。
  • 宇津木 弘
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2237-2244
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    直鎖と分枝飽和アルコール(メタノール,エタノール,n-,sec-,tert-ブタノール,ペンタノール,ヘキサノール)で処理したシリカゲルと直鎖飽和アルコールのヘキサン溶液(オクタノール,デヵノール,ドデカノー,ル,テトラデカノ7ル)で処理したシリカゲルと芳香族アル誕-ルのヘキサン溶液(ベンジルァル灘-ル,1-または2-フェネチルアルコール,3-ブェニルプロパノール)で処理したシリカゲルと不飽和アルコールのヘキサン溶液(アリルアルコール)で処理したシリカゲルおよび2価アルコール(1,2-プロパンジオー-ル,1,4-,1,3-および2,3-ブタンジオール)をヘキサン雰囲気中で処理したシリカゲルの赤外吸収スベクトルが測定された。未処理シリカゲルの950cm鷺1の吸収は>Si-OHの変角振動に帰属される。これをヘキサンで処理したものは他の吸収とともに950cm繍1の吸収も変化しないが,表面処理シリカゲルではこの吸収は消失または強度が減少する。こ,れから付着基は単なる吸着アルコールとは異なり反応により付着していると認められる。表面処理試料の赤外吸収スペクトルはそれぞれのアルコールのアルキル基に特有なC-H伸縮変角振動による吸収を与える。とくに芳香族アルコールのヘキサン溶液で処理したものでは環炭素間骨格振動による吸収およびCH面外振動による吸収を示す。これから付着基は処理に使用したアルコールのアルキル基を含むと認められた。
  • 宇津木 弘, 堀越 英生
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2244-2255
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    未処理シリカゲル,22種類のアルコール(直鎖,分枝飽和アル箕-ル,2価アルコール,芳香族アル認-ル,不飽和アルコール)で処理したシリカゲルの付着基を,空気中20~800℃間の示差熱,熱重量分析で検討した結果,っぎの事柄が認められた。(1)示差熱分析は使用したアルコールの種類により特徴のある形を示す。(2)200℃以下の温度領域に水あるいは未反応アルコールの脱離による吸熱部分,これ以上の温度領域に付着基の熱分解酸化による第1発熱部分と析出炭素の燃焼が支配的となる第2発熱部分とが認められる。(3)未処理シリカゲルは200℃以下での吸熱部分と200℃以上でのシラノールの脱離と認められる高温での脱水部分が認められる。(4)付着基の分解酸化はメタノール処理のものでは250℃,それ以外の直鎖,分枝飽和アルコール処理のものでは200~220℃,2価アルコール処理のものでは270~305℃,不飽和アルコール処理のものでは265~285℃,芳香族アルコール処理のものでは220℃で始まる。この発熱部分では付着基の熱分解酸化と不完全燃焼による炭素析出が起こる。(5)400~600℃での発熱部分は析出炭素の燃焼が支配的であり芳香族アルコール処理試料でいちじるしい。(6)350,445,550℃まで加熱し急冷した2価アルコール処理した試料の赤外吸収スペクトルの検討から試料管の各部位でその組成が異なり,均-に反応していないこと,および分解が進行するとシラノールが回復する。800℃加熱のものでは再水和の傾向なし。(7)彦67かアル讐-ル処理のシリカゲルは未処理シリカゲルと同じ示差熱,熱重量分析曲線を与える。またヘキサンで処理したシリカゲルも未処理のものと同じ示差熱,熱重量分析曲線を与える。(8)付着基の分解が沸点よりも高い温度で発熱反応として認められることから,付着基は吸着アルコールではなく,反応により化学結合していると認められる。
  • 中垣 正幸, 舟崎 紀昭
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2255-2259
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    グリセリドとコレステロールエステルの種々の組み合わせの混合単分子膜について,表面圧-平均面積曲線および水に対する蒸発比抵抗-表面圧曲線を求めた。
    コレステロールアセテートの蒸発比抵抗はコレステロールのそれよりかなり高かったが,一方,コレステロールアセテート1分子あたりの占有面積は雛レステ質-ルのそれにほぼ等しかった。α-モノステアリンとコレステロールアセテートの混合単分子膜の比抵抗は,この混合単分子膜の平均面積が平均面積の加成則からの計算値より小さかったにもかかわらず,理論値より小さかった。トリステアリンとコレステロールの混合単分子膜の比抵抗は理論値からいくぶんずれ,またこの混合単分子膜の平均面積は平均面積の加成則からの計算値にほぼ等しかった。比抵抗に関するこれらの結果は,これらの物質の親水基に水和した水の構造に基づいて説明した。すなわちアセテート基は疎水性の水和をし,グリセロールエステル基は親水性の水和をする。
    α-モノステアリンとコレステロールの混合単分,子膜の比抵抗はα-モノステアリン1molとゴレステロ-ル3molのモル比において極大であった。
  • 坂井 徹, 大井 信一
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2259-2265
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    市販のパラジウムー活性炭触媒をエタノール中に懸濁したガス吹き込みかきまぜ槽を用いて,シソナムアルデヒドの液相水素化反応の速度論的研究を行なった。
    反応はシソナムアルデヒドがフェニルプロピオソアルデヒドとシソナミルアル認一ルへと併発的に水素化され,さらにシソナミルアルコールがフェニルプ質パノールへと逐次的に水素化される複合反応であるが,各反応径路をそれぞれ単一反応として解析した。
    反応物質濃度の初期速度におよぼす影響を考慮し,非線型最小二乗法を適用して各反応径路の初期速度式を求め,これらにおよぼす各生成物質の影響を考慮し経時変化に対応する最適速度式を決定し,速度式中の各定数を算出し,あわせて反応機構を推定した。
    なお,反応物質のシソナムアルデヒドと水素の導入順序により選択性にかなりの影響を与えることを見いだした。さらに,中間体シンナミルアルコールの速度論的挙動から,シンナミルアルコール単独の水素化反応もあわせて検討し,両者の相違を考察した。
  • 功刀 泰碩, 河野 哲夫, 吉野 浩樹
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2265-2270
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    金属パラジウム触媒を用いてメタノールと酸素から濠相において選択的にギ酸メチルが生成することを前に報告した。気相反応と違って液相反応では顕著な触媒の活性低下が認められた。活性の低下した触媒は空気処理によってのみ再生され,水素や窒素のようなガスでは再生できない。
    これらの結果から触媒活性の低下のモデルを提案した。このモデルは反応生成物の脱着でできた空の活性点が酸素により再付活されること,およびその-部が不活性化することからなる。このモデルを速度論的に検討したところ反応温度30~60℃,酸素分圧0.1~0.7atmの範囲内で実験結果とよく一致した。ギ酸メチル生成および活性点の不活性化の速度式はつぎのようになった。
  • 功刀 泰碩, 河野 哲夫, 柳沢 賦, 荒井 弘通
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2271-2275
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    メタノール,エタノール,循プロパノール,インプロパノール,かブタノール,S66-ブタノールおよびインブタノールの7種の飽和アルコールの酸化的エステル化反応を金属パラジウムー活性炭触媒を用いて検討した。対応するエステル,アルデヒドまたはケトンが得られた。
    温度および反応時間の影響について検討した。第-級アル灘-ルの中ではメタノールがもっとも反応性が高かった。インプロパノールは第-級アルコールよりも反応性が高く,99%以上の選択率でアセトンに酸化される。
    アルコールよりアルデヒドの生成の活性化エネルギーはメタノールおよびインブタノールでは約13;6kcal/m。1であり,他のアルコールでは7.6~7.8kcal/molであった。酸化的脱カルボニル化反応と酸化的エステル化反応の活性化エネルギーの差は7.8~8kcal/mqlであった。これらの結果はこれらの反応が以前報告したアセトアルデヒドとインプ律パノールの反応と同じ径路を通って反応していることを示している。
  • 中村 隆一, 越後谷 悦郎
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2276-2281
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    MoO3-γ-A12O2-およびCoO-MoO3-γ-AlaO3触媒上でプロピレンの不均化反応を行ない,活性点に関する知見を得る目的で触媒の前処理温度および原子比M。1A1の活性におよぼす効果を調べた。触媒の前処理温度が250~300cc以下では活生はほとんどなかったが,それ以上では処理温度とともに急激に増加した。そのさい触媒中のMo5+のESRの相対強度と活性と9間によい相関性が得られた。また担体のアルミナの酸性度は処理温度が高いほど大きく,Maciverらが行なったアルミナ上での1-ペンテンの異性化能と本研究で行なった不均化活性との間にもよい相関性があることがわかった。-方,副生するインブテンの収率は処理温度とともに急激に低下し,このことは触媒表面から処理により水が脱離することと密接な関係があるものと推察された。種々の原子比(M。/A1)のMoo3-γ-A12O2-触媒上での不均化活性は窒素処理の場合5atom%で顕著な極大値を示し10atom%Moでは活性を示さなかった。この現象は触媒上の格子欠陥と密接な関係があるも6と推察された。水素処理の場合には-般に活性が増加し,とくに10atom%Moの活性は5ato典%よりも高い値を示した。以上の事実からアルミナ上の酸および新たに生成した格子欠陥上に吸着したオレフィンが反応のごく初期にMoO3を還元することによって活性点が生成するという機構が考えられた。
  • 村木 秀昭, 小林 純一, 樋口 泉
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2282-2287
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    5種類A~Eの既製活性炭ならびに二酸化炭素により粒状粗炭を種々の程度に賦活燃焼させてつくったF系列の活性炭を担体として,それぞれ酢酸亜鉛触媒の担持量メ(9/9-C)の異なる触媒体をつくり,アセチレンと酢酸とから酢酸ビニルを合成する接触反応速度を測定した。一方,これらの活性炭担体および多くの触媒体の細孔分布嫡水銀圧入法と0℃,ベンゼンの収着等温線とによって測定した。それぞれの担体はたがいにかなり異なる細孔構造をもっているにもかかわらず,酢酸亜鉛担持にともなう細孔分布の変化を検討して,担持した酢酸亜鉛の大部分がミクロ孔だけに沈積していることを明らかにした。いずれの担体の場合でも,担体19あたりに換算した触媒活性ゐoはノ値とともに直線的に増加し,ある限界担持量f1以上では一定の活性ゐ¢oとなることが再確認された。低賦活度のF担体は例外として,すべての担体に関してfiとki0とは10%程度の誤差内で直線関係にあることが明らかとなった。したがって触媒活性は担体のミク鐸孔に沈積した酢酸亜鉛に起因するものであり,反応速度には拡散の影響はみられないことを述べ,既報における粒状活性炭のマクロ-ミクコ孔モデルが有用であることを明らかにした。
  • 藤野 清治, 小林 純一, 樋口 泉
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2287-2292
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    グルコースやキシロースのような糖の水溶液におけるCaOの異常に高い溶解性はCa(OH)2の可溶性錯体の形成に基づくことを,つぎのような実験によって明らかにした。グルコース水溶液におけるCaOの溶解度はグルコース濃度に比例して増加する。それらの溶存モル比は1:1である。このモル比は,Ca(OH)2を飽和したグルコース溶液にエタノールを加えて析出させた固体試料についての化学分析の結果からも確認された。
    Ca(OD)2を含む重水の溶液内におけるグルコースやキシロースのC-1,C-2の骨格CHに関する重水素交換速度らはNaODを含む溶液内のそれと比較してかなり速いことが,それぞれのNMRスペクトルの経時変化から明らかとなった。またD-グルコースやD-フルクトース水溶液の旋光性は少量ずっのCaOの溶解にともない直線的に減少する。これらの実験結果から,アルカリ溶液内において錯体はエンジオール型の炭水化物が配位した水酸化カルシウムからなっていることを示した。このような錯体構造は,上に述べた固体の錯体についてのIRスペクトルがこの構造に適った特性吸収を示す事実からも支持することができた。
  • 藤野 清治, 小林 純一, 樋口 泉
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2292-2297
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    既報で述べたように,Ca(OH)は糖(炭水化物)との可溶性錯体[1]ならびにHCHOとの可溶性錯体[2]をっくる。そあ錯体を含む均-アルカリ性のHCHO溶液において,ホルモース生成反応と並発するCannizzaro反応の両者の速度を40~600Cの範囲で定量的に測定した。グルコースやキシロースなどの糖との錯体[1]を含む反応液の場合には,なんらの誘導期間もみられずに,ホルモース生成反応はただちに始まり,引きっづき増加していく。糖を含まない反応液の場合,すなわち錯体[2]の場合,一般にこの誘導期間は長時間にわたってあらわれ,そこではCan簸i銘ar。反応(後者)が前者に優先して起きる。逆に前者の進行と発展は後者をいちじるしく抑制する。両者の速度はHCHOの濃度に無関係であるが,それぞれの錯体,すなわち前者は[1],後者は[2]の濃度に比例する。
    これらの実験結果に基づき,反応機構を詳細に考察し,前者は錯体[1]を含む反応中間体を経て進行し,後者は錯体[2]を経て進行することを明らかにした。さらに,アルカリ土類金属の種類あるいは糖の種類の異なる錯体[1]による実験結果を比較検討して,それらの触媒活性は錯体形成能の序列と密接に関連するであろうことを示した。
  • 高島 洋明, 藤元 薫, 功刀 泰碩
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2297-2302
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    担持パラジウムその他の白金族金属触媒を用いてプロピレンのオキシ塩素化反応を行なった。各金属における活性の序列はRh>Pd>Pt>Ir>Ruの順であった。Fe,Co,Ni触媒はいちじるしく低活性であった。
    活性炭担持パラジウム触媒による各種反応条件の影響を検討した。生成物は塩化アリルが主であり,その他低温においては塩化インプロピル,高温においては二酸化炭素が主たる副生物であった。140~240℃の範囲において温度上昇とともに塩化アリルの生成量はほぼ直線的に増大したが,塩化インプロピルの生成量は逆に滅少した。またプロもピレン分圧および酸素分圧の増大とともに塩化アリルの生成量は直線的に増大したが,塩化水素分圧に関してはかなり低い領域においても飽和現象が認められ,触媒と塩素との結合が比較的強いことが示唆された。
    本反応はπ-アリル型に吸着したプロピレンと触媒に結合した塩素との反応を経由して進行するものと推定された。また二酸化炭素は大部分塩化アリルの逐次的酸化反応により生成すると考えられた。得られた実験結果を水蒸気存在下におけるプ鐸ピレンのアリル酸化反応のそれと比較検討した。
  • 内島 俊雄, 柿原 健一郎, 米田 幸夫
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2303-2308
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    酸化物触媒の不均-な性質を明らかにする目的で,焼成温度の異なる一連の酸化ニッケル触媒を用い,二酸化炭素,触媒系および二酸化炭素,酸素,触媒系の重酸素交換反応を行なった。
    二酸化炭素,触媒系の交換反応は速い初期段階と遅い後期段階とにわけられ,各段階の交換可能量は焼成温度の上昇につれ七表面積に比例して低下するが,一方,交換速度は焼成温度に対して極大および極小を有する特異的な曲線にしたがう。このことは,比較的高酸化領域における酸化力分布の焼成温度依存性が,類似の特異な挙動を示したことと対比して興味深い。
    二酸化炭素,酸素,触媒系の交換反応曲線は,二酸化炭素,触媒間でつねに交換平衡が成立しつつ,酸素,触媒間の遅い交換が進行するとして理解される。このときの交換可能量は表面-層分とよく一致している。これに対し,交換反応の速度は,焼成温度の上昇にっれて単調に低下するが,その程度は表面積の低下にくらべてはるかに急激である。
    これらの事実から,触媒表面の不均-性と交換反応の機構について議論した。
  • 後藤 忠俊, 白崎 高保
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2309-2313
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    加熱壁面上におけるアルカリスケール(炭酸カルシウム,水酸化マグネシウム)の析出機構について研究した。炭酸水素カルシウムの熱分解による炭酸カルシウムの析出について検討した結果,析出速度はCA2+濃度の-次,HCO3讐濃度の二次に比例すること,見かけの活性化エネルギーが25kcallmolであること,また溶存二酸化炭素は反応過程中ほぼ一定であることを明らかにした。これらの結果から炭酸カルシウムの析出反応では結晶析出過程が律速であると考察した。
    マグネシウム塩水溶液中での炭酸カルシウムの高温加水分解に基づく水酸化マグネシウムの析出にっいセ検討し,析出速度はMg2÷濃度に比例レCa2÷濃度に反比例すること,また溶存二酸化炭素が反応過程中ほぼ-定であることがわかった。これらの結果から水酸化マグネシウムの析出反応においても結晶析出過程が律速段階であろうと考察した。
    沸点付近での海水からのアルカリスケールの析出実験の結果,まず海水中の炭酸水素イオンが分解して炭酸カルシウムが析出し,ついで炭酸カルシウムの分解消失にともなって水酸化マグネシウムが逐次的に析出することを明らかにした。水酸化マグネシウムの析出に対してマグネシウム塩,カルシウム塩以外の海水溶存塩は直接的には影響をおよぼさないようである。
  • 渡辺 藤雄, 柳ケ瀬 繁, 杉山 幸男
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2313-2317
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    回分式流動賦活方式を用い,石炭を原料とする球形活性炭を製造した。試料には三池68炭を用い,粒子径を3mm土1mmに整え,炭化温度550℃,賦活温度850℃で行なった。水蒸気量は1.5kg-H30!hrで流動化のため窒素ガスを加え,流動部の流速を1。1m/secにした。得られた活性炭の吸着能の測定からベンゼン吸着においては実用上満足できる結果が得られたが,メチレンブルー,脱色力は従来のそれと比較して1!2~1/3程度であった。また.細孔分布の測定からは全表面積のmicro-poreの占る割合がいずれも90%以上に達していることがわかり,このことからメチレンブルー脱色力の劣化現象をも考察した。流動賦活の有用性を検討するため,流動化ガスを加えない固定床賦活による製造を試み,表面積,空隙率および反応時間の観点から考察し,その結果,流動方式が性i能あるいは物性において固定床方式よりすぐれていることがわかり,あわせて本実験に用いた流動賦活装置の最適製造条件について吟味した。
  • 諸戸 定正, 渡辺 昭
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2317-2322
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    リン鉱石の硝酸分解法においては過剰の硝酸とリン酸とを分離する必要がある。溶媒抽出法によって分離するさい,従来は試行錯誤法によって最適溶媒を選択していたが,溶媒の分配係数と誘電率および溶解度パラメーターとの間に関連性のあることを予備実験で見いだした。その結果,メチルインブチルケトンと酢酸ブチルがすぐれていることがわかった。既報でメチルインブチルケトンを含む系を検討したので,本報では酢酸ブチルについての基礎データを得るために,リン酸-硝酸-酢酸ブチルー水の系で液液抽出の研究を25℃で行なった。
    試料原液に対しそれぞれ0,5,1,2,3の重量比で酢酸ブチルを加えた。溶媒比は大きいほどよいことがわかった。リン酸および硝酸の両酸の相互の混合割合よりは,原液中の両酸の重量パーセントの和である総酸量の方が抽出分離に関しては最適条件決定上の指標となりうることが認められた。総酸量が52程度まではメチルインブチルケトンの方がよいが,これを過ぎると酢酸ブチルの方が好結果を与えた。
  • 加藤 悦朗, 村瀬 嘉夫, 松本 秀夫
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2323-2329
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    高純度人造黒鉛の粉末電気揖抗が室温から60℃まで測定された。空気中加熱の場合の抵抗変化はつぎのような段階に区分される。i)200~300℃間では時間とともにわずかな滅少,ii)300~330℃での急激な-時的減少,iii)340~a60。Cでのわずかな増大,iv)400℃以上での急速な減少,およびv)約600℃での急速な増大。
    これらの抵抗変化をアルゴン中,真空中および再加熱における抵抗変化と,また同じ条件下での熱重量変化と比較考察して,各段階はそれぞれつぎのような表面状態の変化と関係づけることができた。i)不安定表面酸化物の形成(¢→C*(o)),ii)不安定表面酸化物の分解(C*(o)→Cf),iii)安定表面酸化物の形成(Cf→C(o)),iv)安定表面酸化物の分解(C(0)→Cf),およびv)活性表面サイトの再生(Cf→Cf*).また黒鉛粉末の電気抵抗に対する表面状態の寄与の程度はρcf*>ρc(0)>pCf,およびpc(0) pσfと表わすことができる。ここで,pφpc,(o)など妹表面がそれぞれ碍,C*(0)などの状態である場合の粉末状態の比抵抗である。
  • 村瀬 嘉夫, 加藤 悦朗, 松本 秀夫
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2329-2336
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ジルコニウムの水酸化物(NH),塩化物(Cl),硝酸塩(NO),シュウ酸塩(OX),酢酸塩(AC),キレート(MA)および水和ジルコニア(Bl)を400~700℃に加熱処理してジルコニアの結晶化,成長,熱力学的に安定な単斜型への転移を粉末法X線回折,電子顕微鏡観察により調べた。結晶化の初期において加熱処理された試料に存在する相は,(1)単斜型結晶のみ(B1),(2)単斜型結晶と正方型結晶(NO,OX),および,(3)正方型結晶と非晶質相(MA,AC,NH,Cl)であった。第1の場合には単斜型結晶がゆっくり成長し,その見かけの結晶子の大きさは700℃ウゴでおよそ200Aに達した。第2の場合には正方型結晶が徐々に単斜型結晶に転移し,その見かけの結晶子の大きさは700℃で300~400Aとなった。第3の場合には非晶質相の量が減少し,正方型結晶の量が増加し,その見かけの結晶子の大きさは500℃でおよそ400℃となるがそれ以上の温度では減少する。それとともに正方型結晶が単斜型に転移,成長し,単斜型結晶子の見かけの大きさは700℃で300~400Aとなった。しかしとくに母塩の不完全分解による炭素が介在する場合には結晶成長,転移が遅れ,また正方型結晶子の見かけの大きさが極大を示さない。これらの正方型結晶から単斜型結晶への転移の挙動は母塩の種類の相違により単斜型結晶核の生成に難易があるとして説明された。
  • 潮 真澄, 住吉 義博
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2336-2343
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Ca(OH)2あるいはCaCO3とSiO2の混合物を用い,テスト,チューブ型ボンベあるいはオートクレープによって,温度350~900℃,圧力10~1000atm,保持時間最高2週間の条件下でfoshagite繊維を水熱合成した。混合物は白金カプセルの中へ充テンした。合成試料はX線回折法,偏光顕微鏡,電子顕微鏡,屈折率測定などで調べた。Foshagite繊維の安定領域を調べた。この場合pHは大体6,8~72であった。foshagiteは1000atmで400~800℃で安定であった。同圧で大体850℃以上では,wollastoniteとrankiniteが得られた。大体350℃以下ではxonot1iteとhillebranditeが結晶相であった。foshagite繊維の長さは合成温度,圧力の上昇とともに増大する傾向が認められた。鉱化剤としてのアルカリ金属イオンはfoshagiteの長繊維化に影響をおよぼし,0.1molNaOHを用いた場合,最大670μぐらいの繊維が合成できた。foshagitcの長維繊化への鉱化剤の傾向はつぎのとおりであった。
    NaOH>KOH>LiOH
    X線回折および電子線回折結果から,foshagite繊維の結晶性はよかった。繊維の屈折率は大体1.599土0.003であった。
  • 加藤 昭夫, 友田 勝彦
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2344-2348
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    A1(g)+1/2N2(g)=AIN(c)の反応による窒化アルミニウムの結晶成長を1250~1590℃で行ない,成長条件が生成物の形態におよぼす影響を調べた。そして,つぎの結果を得た。
    (1)生成した窒化アルミニウム結晶の形状はwoo1状あるいは針状である。成長温度の上昇とともに直径が増大し,直径数μのwool状から数十μまでの針状に変わる。成長温度が1600℃付近のとき二次成長が認められた。(2)生成物の成長方向には,(a)c軸方向,(b)c軸と各種の角度で斜交するもの,および(c)ほぼc軸に垂直なもの,の3種が認められた。(a)は六角柱状あるいは円柱状の結晶で,それらの一部には成長途中から節のある結晶に成長したものがみられた。(b)のほとんどは角柱で,その側面にはc軸に平行な縞を有する。成長軸がc軸方向と考えられる直消光ウイスカーの割合は,成長温度の上昇あるいは窒素濃度の増加によって減少する傾向がある。
  • 伊藤 裕夫
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2349-2355
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    μ-シアたペンタシアノ鉄(III)ペンタシアノコバルト酸(III)イオンの光化学反応の研究を水溶液中で行なった。この錯イオンは中性溶液中で26。0×1O2-cm-1(ε=540),および31,0×1O2-cm-1(ε=830)に吸収極大をもつ。照射した光の波長は313,366,435nmの3種類である。光化学反応は酸性溶液中でのみ進行し,中性あるいはアルカリ性溶液中では庶とんど進行しなかった。光化学反応にともない,吸収スペクトルは25×1O2-cmヨ付近の吸収が増大し,30×1O2-cm畠三に等吸収点をもった。光照射により,溶液中にシアン化物イオンが生成し,それは照射時間に比例して増大した。これらのことから光化学反応の初期反応は,錯イオンからのシアン化物イオンの脱離であることがわかった。同位体15Nを含む配位子をもつ錯イオンを使うことによって生成したシアン化物イオンは鉄から脱離したことを確かめた。したがってこの反応はつぎの式で表わせた。
    [(CN)5Fe(CN)Co(CN)5]6-+H20→(CN)4(H20)Fe(CN)Co(CN)5P+CN
    初期反応の量子収量は照射波長に依存し(313nmで0,64,366nmでO2-0,435nmで0,20),かつ反応温度には依存しなかった。
  • 丸田 俊久, 武内 次夫
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2355-2358
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    空気-アセチレンフレームを用いるクロムの原子吸光分析における鉄の干渉現象を検討し,干渉機構を考察するとともに干渉除去法について研究した。
    クロムに鉄(III)を共存させて噴霧すると,鉄(III)はクロム(III)の吸光に対しては抑制効果を示し,クロム(W)に対しては鉄の濃度が低いときは増感効果を示した。しかし,鉄の濃度が高いときは抑制効果を示した。鉄の干渉は,少燃料フレームより多燃料フレームにおいて顕著であった。ヒドロキシルアミンはクロムの吸光に対する鉄の干渉をいちじるしく抑える効果を示した。これは,ヒドロキシルアミンによって鉄(III)が還元されて鉄(III)に変化したことによるものと考えられる。試料溶液中の元素の酸化状態が干渉に重要な役割を演ずることを示すものである。ヒドロキシルアミンおよびo-フェナントロリンを添加することにより鉄の干渉を完全に除去することができた。有機配を位子がフレーム中において難輝発性の鉄とクロムとの混合酸化物の生成を妨げ,混合酸化物が生成する前にクロムが原子化するために干渉が現われないのであろう。
    ヒドロキシルアミンとひフヱナントロリンとを用いる干渉除去法を応用して原子吸光分析法による鋼中のクロムの定量を行ない,精度ならびに正確さの点で良好な結果を得た。
  • 脇 国男, 山下 忠孝
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2359-2364
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    対称性アゾ化合物の固相分解の一つとして研究を行なった。アゾジカルボンアミドはユニ業的に多く用いられている反面,分解生成物,分解機構はくわしく知られていない。固相分解は多くの障害をともなうものであるが,粒度を一定にして,定温で緩慢分解を行なわせることにより再現性のある結果を得た。DTA,TG法により熱特性を調べ,分解生成物は熱分解ガスク鐸マトグラフィー,赤外吸収スペクトル,質量スペクトル法により同定した。おもな生成物はN2,CO,ピウレア,インシアヌル酸であった。微量生成物としてインシアン酸,シアン酸,NH3,シァン酸アンモニウム,シアメリドを同定した。分解速度はガス発生法によって圧力増加を追跡した。速度式はProut-T。mpkins式を満足した。圧力増加曲線はS字状になった。速度定数を求めるとき,通常圧力曲線の偏曲点を境に二段になるに対し三段になった。第-段,第二段のArrheniusプロットは直線にのり,第-段からのE8は31.6kcal/mol,前指数項は1.0×1012を得た。分解生成物の経時変化を追跡したところ,ガス発生速度に二つの極大値のあることが判明した。初めの極大値はN2,COの最大発生速度に一致したQこれから分解機構を考察した。
  • 広瀬 昭夫, 石井 大道
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2364-2369
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    銅中の微量の金をイオン交換樹脂を用いて分離したのち,樹脂に捕捉したまま放射化および計数して,簡単に定量する方法について研究した。硝酸および塩酸で溶解した試料は塩酸濃嵐金属濃度を調節したのち,小型のCl型強塩基性陰イオン交換樹脂柱に通して金のみを吸着させて分離した。つぎに0,1Nチオシアン酸アンモニウム溶液で樹脂をCl型からSCN型に変換し,原子炉で中性子照射した。SCN型樹脂は,それ自身放射化されにくいこと,共存する塩素や臭素からの誘導放射能が低いためS/N比の良好な測定が可能なこと,照射直後の不必要な誘導放射能を下げうること,多量の塩素による中性子遮蔽の可能性を軽減し,いちどに多量の樹脂(多数試料)を照射しうること,などからCl型樹脂にくらべてすぐれている。この樹脂の利用により,銅から分離した金は照射後の化学処理をほどこすことなく,2~4日冷却ののち樹脂に捕捉したままGe(Li)またはNal(T1)検出器でγ線スペクトルを測定して定量することができた。
    なお本法において,イオン交換前分離過程における金の回収率は約97%,濃縮係数は1,9×105,99.99%銅中の金の定量結果は0.06~0,07PPm,またこの方法での金の空試験値はく0,001PPm,定量限界は0.0O2-PPm,検出限界は0.0006ppm,相対誤差は土10%以内であった。
  • 庄野 達哉, 三谷 道治
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2370-2373
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    活性二重結合化合物としてアクリル酸エチル,ハロゲン化アルキルとして臭化かブチルを用い,溶媒,濃度比を種々変えた電極還元において,アクリル酸エチル/臭化捨ブチルのモル比114.8,溶媒としてヘキサメチルポスホラストリアミド(HMPA)を用いたとき,カップリング生成物が最大収率で得られることが明らかになった。そこで,活性二重結合化合物と臭化アルキルの組み合わせを種々変えて電極還元反応を行ない,7~45%の収率でカヅプリング生成物を得た。
    このカップリング反応の機構は,半波還元電位の比較および定電位電解の結果などから,活性二重結合化合物還元種の臭化アルキルへの求核的置換反応を経由するものであると考えられる。
  • 竹内 隆男, 長 哲郎
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2374-2378
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ベンゼン溶媒中におけるベンズァルデヒドの無触媒熱酸化を行なった。均-液相反応における反応速度はベンゼン溶媒中に溶解した酸素濃度を連続的に測定することによって求められた。反応速度式(1)および(2)はアルデヒド濃度,酸素濃度の速度論領域の相違により得られ,広領域での両式を満足する一般式は(3)で示された。
    上記の速度式から常法によりこの反応機構が推定され,あわせて酸素濃度,ベンズァルデヒド濃度の変化に対応して反応速度が変化する領域がつぎのように定量的に定められた。RCHq/[O2-]=k/k'。
    これらの結果から従来報告されているベンズァルデヒドの液相酸素酸化速度式が研究者によって-致しなかった理由が明らかにされ,この反応の妥当な機構が提案された。
  • 神谷 佳男, 青山 敏和
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2379-2384
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    銅-ピリジン錯体触媒による2,6-キシレノールの酸化重合は水により複雑な影響をうける。水とピリジンのモル比が1:1のときに妨害効果がもっとも大きく,水をそれ以上増加するとモル比がほぼ10:1になるまでは酸化速度が増加しっづけ,極大値に達してから減少する。水-ピリジン溶媒中ではポリー2,6-ジメチルー1,4-フェニレンエーテルのほか少量の3,5,3',5'-ジメチルジフェノキノンを生成した。ペンゼン存在下ではポリエーテルのみが生成する。水またはアルコールの存在下で少量のアルカリを添加すると,銅(1)の酸化が強く抑制され,誘導期も増加するが,2,6ヰシレノールの酸化速度はほぼ-定であった。しかし,多量のアルカリは酸化を停止させる。π-パラフィシや四塩化炭素のような無極性溶媒およびニトロベンゼンのような強い極性溶媒はともに酸化を妨害した。おそらく,前者では銅(1)の酸化段階が,後者ではフェノールの酸化が妨害されるのであろう。銅錯体の配位子としてピリジン塩基の塩基性度および認-置換基は2,6-ジメチルフェノールの酸化にいちじるしい影響を与えることが認められた。2,6-キシレノールの酸化速度および塩化銅(1)の酸化速度は,ピリジン類およびキノリン類のpKHに対し,α-置換ピリジンを除いて,良好な直線関係を示した。キノリン類および2,6-ルチジンはポリエーテルよりもジフェノキノンの生成に効果がある。
  • 米田 徳彦, 中 敦士, 大塚 博, 青村 和夫
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2385-2390
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    BF3を触媒とするインブチレンによるフェノールのアルキル化反応において,生成物の組成の経時変化を,反応温度10~75℃,触媒量4×10-3~2×10鱒2BF3/フェノールモル比で詳細に観察した結果,比較的隠和な反応条件下では反応初期にはフェノールの酸素アルキル化物がまず生成し,ついでオルトアルキル化物が生成してくること,フェノールの酸素ならびにオルト位にアルキル化されたかブチル基は容易に別のフェノールあるいはアルキルフェノールのオルト位あるいはパラ位に転位し,この転位は触媒量の増加,反応温度の上昇によって加速されること,パラ位にアルキル化したかブチル基の転位はほとんど起こらないこと,したがって,反応の経時とともにp+ブチルフェノールが次第に増加し,最終生成物となることなどを明らかにした。
  • 笠井 幸郎, 矢野 弥, 木村 和三郎
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2390-2393
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    リンタングステン酸を用いる両性界面活性剤の新分析法を創案した。すなわち両性界面活性剤は酸性下でリンタングステン酸と定量的に反応して錯塩沈殿を生成する。またべンゾプルプリン4Bは両性界面活性剤と結合して酸性溶液中においても酸性色を示さず,リンタングステン酸で滴定するさい終点において始めて酸性色を示す。本法ではこのような事実に基づき,検体両性界面活性剤酸性溶液101nZに,指示薬としてペンゾプルプリン4B水溶液1~2滴を加え,リンタングステン酸標準液でベンゾプルプリン4Bの酸性色を呈するところを終点として滴定し,この滴定値から有効成分量を求める。
  • 笠井 幸郎, 卯田 幸男, 矢野 弥, 木村 和三郎
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2394-2397
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    両性界面活性剤中のアニオン活性成分含量を定量する方法について検討した。すなわちアルカリ条件下での陰イオン界面活性剤分析法の適用性について調べ,メチレンブルーを指示薬とし,アルカリ下で分相滴定するTumey法の適用により良好な結果が得られることを認め,この方法の改良と半微量化を行ない,両性界面活性剤中のアニオン活性成分含量を簡便,迅速に定量する方法を確立した。
    本法は両性界面活性剤中のアニオン活性成分のみでなく陰イオン界面活性剤の有効成分含量の定量法としても,従来の酸性メチレンブルー分相滴定法にくらべ終点が明瞭で,空滴定の必要もなく,迅速,正確に定量できる。
    本法により各種両性界面活性剤および陰イオン界面活性剤中のアニオン活性成分含量を,濃度0.5mmolまで±1%の偏差で定量できる。しかしカルボキシル基を有する両性界面活性剤およびセッケンでは正確な分析値は得られない。
  • 平田 光男, 岩井 信次
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2397-2403
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    水に浸漬したときの3種の組成(エチル雛メタクリラ-ト(EMA)/ヒド貿キシエチル=メタクリラート(HEMA)=9/1,8/2,7/3モル比)の共重合体の収着過程をζ-電位の経時的減少過程から追究した。∂共重合体のガラス転移点Tgを含む温度範囲(室温から約70℃)で測定した。ζポテンシャル(流動電位法から求まる)から得られる速度定数Kを収着から直接得られる拡散定数Dと比較した。その結果1は以下のとおりである。
    (1)T>Tgの温度範囲におけるKは収着(水彩)過程の組成依存をもっとも明確に示した。すなわち,T>Tgにおける活性化エネルギー∠E(2)はHEMAの増加(OH基の表面密度の増加)とともに高くなったが,HEMAの導入量の増加による∠Eや∠E2z(T>Tg)の変化は見られなかった。(2)収着水の可塑化により共重合体のTg低下が観察された。(3)実験温度範囲で,1との値は(PEMA)>共重合体9/1>8/2>7/3の順であった。
  • 中垣 正幸, 嶋林 三郎
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2403-2408
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)水溶液に硫酸ナトリウム(Na2SO4)を添加すると脱水作用によって高分子の糸まりは収縮し,固有粘度[η]および濃厚溶液の粘度はいずれも低下し,非ニュートン粘性の度合も低下してユートン流動に近づく。
    一方,ポリ(ビニルアルコール)(PVA)の場合にはN盆2SO4による脱水作用によって1希薄な場合にはPVPの場合と同様に粘度は低下するが,濃厚な場合には脱水和された高分子間に会合が起こり,このためにPVPり場合とは逆に非ニュートン粘性がたかまる。Na2SO4をさらに加える払弾性のあるゲル状沈殿が生じる。
    これらの高分子水溶液の粘度の温度変化はAndradeの式によって表わされる。PVPの場合には,Na2Sqの脱水作用のために糸まりは収縮し,粘度の温度変化をあらわす係数εはNa2SO4濃度とともに増加する。しかし濃厚PVA水溶液の場合にはNa猛SO4による脱水作用はPVA分子間の会合により非ニュートン粘性をたかめるので,温度係数εはNa2SO4濃度とともに低下する。
    硫酸ドデシルナトリウム(SDS)を添加したときには,Na窯SO4の場合とは異なり,高分子に対するSDSの結合のために,高分子の低濃度においても高濃度においても粘度は増加した。
  • 岡本 和吉, 山本 忠弘
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2409-2412
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    コラーゲン繊維と水とによるメタクリル酸メチルの重合を,80,85および90℃で行なった。重合温度の上昇にしたがって誘導期間は短縮し,最終の全重合率およびグラフト重合率は増加した。しかし誘導期後の重合速度は,温度の上昇にっれて減少したQ重合系におけるコラーゲン繊維の挙動を知るために,いろいろな温度の熱水中で浸漬処理をしたコラーゲン繊維の内部構造変化を検討した。熱分析およびX線回折のデータは,80と90℃の熱水処理の諏ラーゲン繊維の内部構造に変化があることを示した。本重合は,コラーゲン繊維の内部構造と関係があるように思われる。
  • 有田 喜一, 白石 振作, 妹尾 学, 浅原 照三
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2412-2415
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    メタクリル酸メチルは,テトラプ冒ピレンベンゼンスルポン酸ナトリウムの存在下の水媒体不均一重合系において,通常のラジカル重合開始剤を用いることなく顕著に重合し,非常に高分子量のポリマーの安定なエマルションを生成する。この重合反応系における界面活性剤の作用を明らかにするために,種々のアルキル鎖長のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いて重合を行ない,アルキル鎖長の変化によるCMCの変化とメタクリル酸メチルの重合性との関係について検討を加えた。
    ミセル形成能のない低級のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムでは,重合はほとんど起こらず,CMCを有するアルキルベンゼンスルポン酸ナトリウムではアルキル鎖長の増加につれて重合速度は増加した。pHの重合速度への影響はほとんど認められず,有機溶媒と水との混合溶媒における重合は,有機溶媒の重量比25%以上において重合はほとんど起こらなくなることがわかった。また窒素気流下における本重合反応においては系中の微量の溶存酸素の影響はほとんどない。
  • 土田 英俊, 西出 宏之, 西川 洋
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2416-2420
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    部分四級化ポリ(ビニルピリジン)(QPVP)を水溶性の高分子配位子とする銅錯体を触媒として用い,2,6-キシレノール(XOH)の酸化重合を水,ベンゼン(Bz)混合溶媒中で行ない,QPVP配位子の効果を重合機構とあわせて考察した。Cu-QPVP錯体は水溶性であり,pH5以上ではQPVPがキレート配位した錯体を形成しているため銅-ピリジン(Py)低分子錯体にくらべ広いpH範囲(pH5~10)で安定である。反応生成物は水相のpHにより変化し,pH7以下ではピフェノキノン(BQ),pH7以上でポリフェニレンオキシド(PPO)が主生成物となり,PPO収率は錯体の安定度および単量体の酸化電位などが関与しpH9付近で最大となる。重合は水,あるいはB2単-相のみでは進行せず,各反応成分の溶解性などから反応が水-Bz界面付近で進行して炉ることが明らかになった。Cu-QPVP系はCu-Py系より重合速度が大きく,QPVP配位子が界面活性に作用していることなどが考えられる。
  • 土田 英俊, 鷹野 幸生, 高橋 浩, 栗村 芳実, 今井 貴代子
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2420-2427
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々の水溶性コパルト(III)-ポリ(4-ビニルピリジン)錯体を合成し,,希硫酸溶液中において鉄(II)による還元反応に対する速度定数および活性化因子を求めた。高分子錯体としてはcis-[Co(en)2PVPCl]Cl2, cis-[Co(en)2PV PBr]Br2, cis-[Co(en)2PVP N3]Cl2およびcis-[Co(trien)PVP Cl]Cl3 (PVP=ポリ(4-ビニルピリジン))を用いた。Co(III)-PVP錯体では対応するCo(III)-ピリジン錯体に比較して活性化エンタルピーの増大により反応性は低下するが,活性化エントロピーの値が大きいことが注目され,溶液中における配位高分子の特性が高分子錯体の活性化因子に大きな影響をおよぼしていることが示唆された。また,高分子灘バルト(III)錯体の還元反応における橋かけ配位子および非橋かけ配位子の効果を検討し,低分子コパルト(III)錯体で認められると同様の効果があることを見いだした。
  • 須沢 利郎, 高岡 正和
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2424-2427
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリアクリ繋ニトリル系繊維のカチオン染料による染着性,とくにその表面染着性を調べるために,メチレンブルー水溶液(pH10)中におけるカシミ鷲ンおよびボンネルP繊維のζポテンシャル,表面染着量および染着自由エネルギーを求めた。染料濃度の増加とともに,繊維のζポテンシャルはその符号を負より正に転じ,また表面染着量が増加したことから,これらの繊維-染料間の結合には主として静電結合炉関与することが示唆された。温度上昇によって表面染着量は減少した。またζ-10gCd(Cδ:染料濃度)曲線の勾配などから計算された染着自由エネルギー∠σは,温度の上昇によって減少した。カシミロン繊維の染色熱∠万および染色エントロピー4Sは,それぞれ-10.8kca1,mor1および-9。3ca1,m。1-1,deg4で,ボンネルP繊維のそれらの値は,それぞれ-11.Okca1,mol-1および-8,7ca1,mor1,deg欄1であった。最大染着時の吸着染料分子の繊維上の占有面積から,メチレンブルーは繊維上でかなり疎に吸着していることが示唆された。
  • 下飯坂 潤三, 臼井 進之助, 松岡 功, 佐々木 弘
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2428-2432
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    廃水中のFe(CN)63-およびFe(CN)64-イオンを陽イオン界面活性剤(セチルトリメチルアンモニウムプロミドCTMAB,およびドデシルベンジルトリメチルアンモユウムクロリドDBTMAC)を用いてイオン浮選による除去を試みた結果,初濃度5。3PPmのFe(CN)63-に対して1.0~1.5当量のCTMABを添加し,液中のpHが5~8の範囲ではカラム型分離機またはデンパー型浮選機によってスカムとして除去でき,残液濃度を0,5ppm以下にすることができる。デンバー型浮選機によると浮選時間が短縮できる。またSO~備イオンは1000ppm程度原液に共存しても,Fe(CN)63-の除去率はあまり低下しない。Fe(CN)63-とCTMABとでっくる沈殿の溶解度積は4,3×1r32であり,Fe(CN)63-とDBTMACとでつくる沈殿のそれは6,5×1r12となり,肇者が溶けやすい。したがって5,3PPm初濃度のFe(CN)63-をDBTMACにて除去する場合,スカムをっくらないためデンバー型浮選機では除去できない。このことからイオン浮選においては,スカムをっくる場合にはデンバー型浮選機による分離が,またスカムを形成しない場合にはカラム型分離機にょる分離が有効であると指摘することができる。
  • 黒岩 茂隆, 松田 英臣, 政田 勝利
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2433-2435
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Flow birefringence, 4n, of cyclohexane solutions (20 wt%) of polyoxyethylene nonylphenyl ether (average number of ethylene oxide unit was 8.5) was measured as a function of the amount of dissolved water at varying temperatures. The birefringence observed was negative in every run in the present work. As the amount of dissolved water ipereased, the absolute value of zin increased initially toward a maximum, and then decreased. These experimental results were discussed in terms of the variation in dissymmetry (non-sphericity) of the inverscd micelle.
  • 細矢 忠資, 高谷 晴生, 米岡 幹男, 峰岸 俊郎, 藤堂 尚之
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2435-2437
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The isomerization of m-xylene was studied by the continuous flow method under pressure. The activation energies for the isomerization of m-xylene to p-xylene and o-xylene were 30.32 kcal/mol under the pressures of 300 kg/cm2, 2000 kg/cm2 and 4000 kg/cm2. When the reaction pressure increased from 300 kg/cm2 to 5000 kg/cm2, log km, i, and log knto increased by 1.3, as was shown in Fig.2. The activation volume, which may be considered to correspond to the dif- ference in molar volume of m-xylene between a chemisorbed state and an activated state, was obtained from Fig.2 and was shown in Fig.3. From these results the chemisorbed state and the activated state of m-xylene were discussed.
  • 戸出 孝, 宇都宮 泰造, 佐藤 正雄, 星野 芳夫, 畑野 東一, 秋本 靖匡
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2438-2440
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Some investigations were made on the preparation of lanthanum sulfides from lanthanum oxide using carbon disulfide as a sulfurizing agent. Three kinds of sulfides were obtained in a temperature range of 500-4400°C. The composition and structure of the reaction products were as follows: below 650°C, LaS2, cubic, a=8.19 A: 700-1300°C, A*-La2S8, structure unknown: above 1350°C, C-La2S3, cubic, a=8.72 A.
    In order to know the thermal stability of these sulfides the change of these sulfides on heating in air was also investigated by means of DTA, TGA and X-ray diffraction method. These sulfides were found to form La2O2- above 1300°C after the thermal decomposition of intermediate compounds such as La2O2-S2, La2O2-S and La2O2-SO4.
  • 安藤 淳平, 本郷 賢
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2441-2442
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The mixture of phosphate ore and carnallite KCIgCl2.6 H20, in which the mole ratio of Mg0/Ca0 was 1.15, was heated at various temperatures up to 580°C. The reaction products were tested semi-quantitatively by means of X-ray diffraction. The principal reactions are shown by the following equations:
    Ca5(PO4)2F +5 MgCl2 = Mg0O2-2+Mg2PO4F + 5 CaCl2 (1)
    2 Ca5(PO4)3F = MgCl2 =
    2 Ca5(PO4)3Cl-1- MgF2 (2)
    A portion of magnesium chloride decomposed on heating to MgO and HCl. Potassium chloride lepressed the decomposition and promoted the reaction (1). Without potassium chloride the iecomposition occurred remarkably and the reaction (2) proceeded markedly.
  • 田中 弘文, 村木 由雪, 秋元 秀敏
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2442-2444
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    A process for converting the leached residue into useful materials was investigated (Fig.1). When nitric acid was added in slightly less than stoichiometric amount required to combine with constituents except Fe2O2- in the residue, a good separation of Fe2O3 and SiO2- from other constituents was obtained (Table 2), and a gelatinous precipitate containing mainly MgO, Al2O2- and Cr2O2- was obtained by the reaction of the filtrate with slaked lime (Table 3). Zeolite (species P) was obtained from this gel by the addition of SiO2 and NaOH.
    Sulfuric acid was added to the remaining calcium nitrate solution to recover nitric acid, and crystal growth of calcium sulfate dihydrate in the nitric acid solution was also studied.
  • 伊永 隆史, 本水 昌二, 桐栄 恭二
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2445-2448
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Sixteen nitroso-compounds were synthesized by the nitrosation of the phenols and naphthols with the sodium nitrite. The reaction of some metal ions witn these nitroso-compounds and the detection limit of these metal ions were examined. Of these metal ions(Co2+, Cu2+, Ni2+, Fe2+, Fe"), cobalt and iron (II) show the very sensitive color change, and copper, nickel and iron (III) also behave sensitively. In these reagents, 2-nitroso-5-diethylaminophenol (nitroso-DEAP) is the most sen- sitive reagent for cobalt and iron (ff, ffi). By the use of this reagent, cobalt and iron ions of 0.06 pen/ can be detected. Generally, nitrosonaphthols are more sensitive than nitrosophenols. However, nitrosophenols which possess the strong electron donor groups at tbe p-position of the nitroso-group such as nitroso-DEAP are not inferior to nitrosonaphthols.
  • 細矢 忠資, 高谷 晴生, 大塩 秀樹, 峰岸 俊郎, 藤堂 尚之
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2448-2450
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The formations of the high boiling by-products in the isomerization and the disproportionation of m-xylene were studied over HY zeolite catalysts (HY-type 78% and NaY-type 22%) at 290°C under a pressure of 300 kg/cm2. The yield of the disproportionation product, toluene, was higher than those of other isomerization products, p-xylene and o-xylene, as shown in Fig.1. The ratio of the yield of high boiling by-product to that of toluene was about 1/2. On the addition of 0.2% of ethylchloride to the reactant, the ratio decreased to 1/3 (Fig.2). Consequently, both the yields of toluene and of the high boiling by-product were much higher over the HY zeolite than over silica-alumina catalysts. The mass spectra of the high boiling by-products (Fig.3) showed that polymethyldiphenylmethane was the main by-products with high boiling points, and that small amounts of polymethylnaphthalene and polymethylanthracene were formed.
  • 三崎 敏一, 大津 隆行
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2451-2452
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The polymerizations of some aldehyde monomers such as chloral, acetaldehyde and formaldehyde with copper chelates of methacrylacetone[(MAA)2Cu] and of isobutyrylacetone[(IBA)2Cu] have been investigated and compared them with the results obtained with copper acetylacetonate[(AA)2 Cu]. All these chelates were found to catalyze the polymerization of chloral, but do not induce that of acetaldehyde (Table 1). The catalytic activity for chloral was in the following order: (IBA), Cu>(AA), Cu>(MAA), Cu. These chelates were also found to be very effective as catalyst for the formaldehyde polymerization (Table 2). The resulting polymers consisted of a polyether chain structure.
  • 中埜 邦夫, 只埜 宏, 大島 正子
    1972 年 1972 巻 12 号 p. 2453-2456
    発行日: 1972/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    A simple two steps integrator was attempted for measuring spin number or concentration in electron spin resonance. The wave hieght of two steps integration curve is considered to be proportional to the spin number or spin concentration of a sample. Linearity between the wave heights and the sample amounts or sample concentrations was examined, and compared it with that abserved in the ordinary ESR signals about DPPH, CuSO, VOSO4, and so on. The former is more linear than the latter, and is considered to be useful for the determination of spin number or spin concentration.
  • 1972 年 1972 巻 12 号 p. 2456a
    発行日: 1972年
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 1972 年 1972 巻 12 号 p. 2456b
    発行日: 1972年
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
feedback
Top