SO
2の土壌への影響は, SO
2と土壌およびSO
2と土壌水の挙動に反映されることから, 系内における相対湿度に対する除去率の変化について検討した. 土壌は代表的な関東ローム, 火山灰系土壌, 多オリン系土壌, モンモリロン石系土壌, 標準砂 (山口県豊浦標準砂) の5種類を用いた. これらの土壌が50-270メッシュの広い範囲の粒度分布を示す場合, SO
2の除去率は標準砂を除き相対湿度50%で極大値を示し, 土壌中の保水すなわち土壌表面における水分子の構造と密接に関係していることがわかった.
5種類の土壌のうち, 関東ローム土壌は粒径50-100, 150-170, 250-270メッシュの3種類に分類し, 相対湿度を変えてSO
2の除去率を測定した. 分別した土壌は分別しない土壌に比べて, 相対湿度50%を除きSO
2の除去率が相対的に高くSO
2の除去率が下に凸型を示した. これらの5種類の土壌におけるSO
2の除去率は, 相対湿度50%のとき, 比表面積が増大するとSO
2の除去率が増す傾向にあった.
土壌中に含まれる粘土鉱物のベントナイト, Na型モンモリロン石, カオリンのSO
2除去率は相対湿度95%では60%以上の除去率を示し, 土壌中に含まれる粘土鉱物が除去率に対して大きく寄与していることがわかった.
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