亜硝酸イソプロピルとその同位体種のマイクロ波スペクトルを8.5から32GHzの領域で帰属し,つぎの回転定数を得た。
(CH
3)
2CHONO (CH
3)
2CDONO (CH
3)
2CHO
15NO
A 7545.40±0.48MHz 7337.70±0.51MHz 7531.47±0.42MHz
B 2147.01±0.03 2125.72±0.03 2127.86±O.03
C 1796.26±0.02 1793.26±0.02 1783.84±O.02得られた回転定数に対して最小二乗法を適用し,分子の構造パラメーターとしてつぎの値を得た。
C-O=1.432±0.006Å, O-N=1.414±0.006Å, N=O=1.170±0.006Å,∧
CON=113.2±0.6°, ∧ONO=111.2±0.6%°, ∧CCC=115.2±1.0°,
∧HC-ON=30, 0°±2.0°
そのさい,C-H=1.09Å, C-C=1.524Å,∧HCC=109.5°,∧HCO=109.5°,および∧CCO=107.6°を仮定した。ここに帰属された回転異性体の構造は末端のN=O結合とC-O結合がたがいにトランス位,中央のO-N結合とH-C結合がたがいにゴーシュ位にあるものである。この構造をマイクロ波分光法によって決定された他のX-ONO分子と比較すると,結合角∠XONは下記に示す順に増加しておりONO基の末端窒素原子と結合基Xの間の立体効果の影響が顕著に示された。HONO < CH
3ONO < CH
3CH
2ONO < (CH
3)
2CHONO < (CH
3)
3CONO.
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