強塩基性陰イオン交換樹脂(Amberlite IRA-401B)ならびに弱塩基性陰イオン交換樹脂(Duolite A-7)による7種類のアミノ酸の吸着平衡に関する研究を行った.
Cl型の陰イオン交換樹脂によるアミノ酸(A
−)および水酸化物イオンの吸着平衡は,
&nikkashi_2001_691; (A
− + RCl
→← RA + Cl
−,OH
− + RCl
→← ROH + Cl
−) で表される.Amberlite IRA-401B樹脂によるアミノ酸の吸着平衡定数
KAの値として,Trp : 14.3, Phe : 4.76, Leu : 1.52, Ala : 0.909, Gly : 0.833, Glu : 1.00, Asp : 0.909が,Duolite A-7樹脂によるアミノ酸の吸着平衡定数
KAの値として,Trp : 3.57, Phe : 2.00, Leu : 0.714, Ala : 2.50, Gly : 0.714, Glu : 0.357, Asp : 0.333が得られた.また,水酸化物イオンの吸着平衡定数
KOHの値として,Amberlite IRA-401B樹脂を用いた場合には4.00が,Duolite A-7樹脂を用いた場合には1.10が得られた.最も大きいTrpの
KAの値は,最も小さいAspの値よりもAmberlite IRA-401Bを用いた場合で約16倍,Duolite A-7を用いた場合で約11倍大きく,これらの吸着平衡定数はDuolite A-7樹脂によるAlaとGlyの場合を除いて,アミノ酸の疎水性の値が大きくなるとともに増大した.
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