日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
1982 巻, 4 号
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  • 上平 恒, 木田 惇
    1982 年1982 巻4 号 p. 539-542
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    25℃と32℃におけるプPピオン酸一水および彦一ブチルアルコール-水系(32℃ のみ)の各成分の自己拡散係数を,全濃度範囲でパルス磁場勾配法で測定した。また25℃におけるD2O中のCH3CD2COODの自己拡散係数を定常磁場勾配法で測定した。水の粘度補正(ηD2oH2o=1.23)を行なうと,H2OおよびD2O中のプロピオン酸の自己拡散係数はよく一致する。二つの系における水と溶質の自己拡散係数は全濃度範囲で異なる値を示すので,各成分は独立に運動すると考えることができる。二つの溶質の自己拡散係数の濃度依存性のみが,それぞれの溶液の粘度の濃度依存性とよい相関関係にある。水の自己拡散係数はプロピオン酸系ではxs=0.6で極小を示し,t-ブチルアルコール系ではxs=0.5以上でほぼ一定である。希薄部分では水の構造化が起こるが,濃厚部分では水の構造は破壊されて,水分子は普通の極性分子と同様の挙動を示す。
  • 今野 紀二郎, 登坂 正樹, 更谷 泰英, 北原 文雄
    1982 年1982 巻4 号 p. 543-548
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    本研究は,非水界面活性剤溶液で形成する逆ミセルの内部が構造的に固定されていることから,この内部でエナンチオ区別反応を行なった場合,大きなエナンチオ選択性が期待できるのではないかと考え,キラルおよびアキラルな機能性活性剤を合成し,その非水溶液におけるマンデル酸,アミノ酸および酢酸のかニトロフェニル=エステルのアミノリシスのエナンチオ選択性を調ぺた。
    アミノリシスの擬一次速度定数(kobs)の活性剤濃度依存性を測定し,得られたkobsプロフィルを蒸気圧降下法で求めたCMC,ミセルの会合数を用いて解析し,活性剤モノマーおよび会合体による速度定数およびエナンチナ選択性の尺度であるエナンチオマーの速度比(L/D)を求めた。その結果,速度定数およびL/D値は,活性剤が会合体を形成することによって増大した。とくに会合体によるL/Dは,会合体とエナンチオマー間の錯体形成の結合定数が大きいほど大きい値を示すことから,会合体によるエナンチオ選択性はその錯体形成の自由エネルギーの差によって生じることを明らかにした。このことは,アキラルな活性剤会合体とエナンチオマー間の結合定数およびL/Dがエナンチナオー間で同値であることから例証できた。また活性剤分子中の不斉炭素が,活性剤の触媒官能基のアニオン部よりカチオン部の近くにある活性剤ほどエナンチオ選択性が大きいこともわかった。
  • 盛岡 良雄, 小林 純一
    1982 年1982 巻4 号 p. 549-555
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    網目状の細孔組織からbottle-neck機構にしたがい脱着が起きるとき,気液界面の到達できない細孔が生じる。これを細孔閉塞と称し,等温線のヒステリシス現象の原因となる。その定量はいわゆるpercolation問題を解くことにより可能である。
    多孔体の通路状細孔(channe1)の形態を普逓的に近似していると考えられる結合数3の格子を選び,さらにchannelの発達度の違いにも対応できるよう同問題を拡張した上で,電算機によるシミュレーションで新たに解いた。解はスプライン関数により平滑化し,今後は補間計算のみで利用できるようにした。
    実験的概念である細孔径分布,比圧,吸着量などの諸量を,妥当なモデルおよび近似により規格化することができたので,実在多孔体における閉塞効果,すなわちヒステリシス現象を簡単な数値計算のみで評緬できるようになった。これは多孔体の網灘細孔構造の実用解析への道を開いたものである。
  • 江頭 誠, 中島 真砂代, 川角 正八
    1982 年1982 巻4 号 p. 556-561
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    酸化スズ(IV)上の水分子の吸着状態におよぼすNa+とMg2+ の添加効果を昇温脱離法で調べた。純SnO2 上の表面ヒドuキシル基は435,490および620℃に明確な脱離ピークを与えたが,Na+ を添加すると単一ピークになった。そのピーク温度はNa+量の増加とともに低温側にシフトし,かつ大きさも減少し,ついには消失した。代わりに面酸素上の水素結合吸着水による脱離ピークが200℃ 前後に大きく現れた。Mg2+同様の効果を示したが,表面ヒドロキシル基の灘醸の低下は,Na+のときほど顕著ではなかった。これはNa+とMg2+の電気陰性度の相違によるものと考えた。
    また表面ヒドロキシル基の脱離スペクトルは,いずれの添加試料の場合も,800℃での前処理雰囲気に依存し,ヘリウム中や真空中での前処理は,ピーク面積の減少,ピーク温度の低下,あるいは小さな低温ピークの出現をもたらした。一方,試料の表面積もヘリウム処理や真空処理によって減少したので,このような脱離スペクトルの変化は,SnO2粒子の焼結過程にともなう表面構造の再配列に起因するものと推察した。
  • 伊藤 紀子, 笹本 忠, 佐多 敏之
    1982 年1982 巻4 号 p. 562-568
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    臭素ランプの高能率化,長寿命化などの性能向上を目指す技術開発の一環として,フィラメント材料であるドープタングステン線に存在する微量不純物元素の高温蒸発と,これら不純物がハロゲンサイクルにおよぼす影響について検討した。スパークイオン源質量分析法により,タングステン線素材,成形したフィラメントコイル,3分間点燈(フィラメント温度2750℃)後のフィラメントコイル,25時間点燈後のフィラメントコイ川および気相成分の凝縮体を分析試料として,不純物元素含有率の変化を測定した。25時間点燈後の不純物元素蒸発量はFe(32.3mol・PPm/W),Al(24.5),Ba(14.5),Ca(13.3),Na(8.8),Sr(5.7)であった。この中でBa,Ca,Srは自由蒸発機構をとると推察された。実験値に基づいて,W,Fe,Al,Kの臭化物,酸化物および臭化酸化物を成分とする気相緯成を800K(管球壁)から3000K(フィラメント)までの温度範囲で計算した。数十mol・ppm/wの不純物の存在はW-Br-O化学サイクルを移行させるほどめ影響は与えなかったが,FeBr2とKBrは管球内に均一に存在し,AlはAlBr3(2200K以下)⇔AlBr(2200K以上)の化学平衡にしたがって変化している結果が得られた。
  • 新山 浩雄, 斉藤 吉則, 吉田 静夫, 越後谷 悦郎
    1982 年1982 巻4 号 p. 569-573
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々の12-モリブドリン酸盧の物性とその酸触媒作用について検討した。IPAの脱水活性は対陽イオンの電気陰性度により整理でき,陽イオンが酸性の根源であることが示された。これらの塩の触媒としての挙動は,その塩が水溶性か否かという規準でグループわけすることができる。両者は比表面積の大きさ,DTA-TG曲線の形状,酸触媒反応に対する水の効果など種々の面で対照的なふるまいをする。
  • 郭 稚弧, 増田 卓雄, 佐々木 和夫
    1982 年1982 巻4 号 p. 574-578
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    金や白金を1N硫酸中で陽分極して生成する表面酸化物は開回路にして放置すると次第に還元され消失する。還元反応は溶液申の微量不純物に起因するが,酸化物との直接反応であるか,局部電池機作による電気化学反応かは明らかでない。この問題を検討の結果,両金属ともに少なくとも一部には局部電池機作による反応をうけること,反応はアノード支配であること,裸の地金表面上でアノード酸化される物質のみが酸化物の局部電輝元におけるアノード活腫たり得ることを確認した。この理由でフェノールは金酸化物を有効に“自発”還元させるが,白金酸化物には不活性であり,逆にホルムアルデヒドは白金に有効で,金には無効である。
  • 新井 五郎
    1982 年1982 巻4 号 p. 579-582
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    p-ベンゾキノンとチオ硫酸ナトリウムの付加反応生成物であるチオ硫酸S-(2,5-ジヒドロキシフェニル)ナトリウム塩(H2QT)について,その電解還元機構を検討した。その結果,H2QTは側鎖のチオスルファト基が還元されて,メルカプトヒドロキノンを生じることが明らかになった。さらに,置換基のついた数種のH2QT類について,チオスルファト基の還元電位におよぼす置換基効果を検討した結果,電子放出牲塞であるメチル基,診一ブチル基が存在すると,側鎖の還元電位はより貴へ移行し,電子求引性塞であるスルポ基が存在するとより卑へ移行することが誌められた。この効果は,キノン環の還元電位におよぼす置換基効果とは逆で,興味ある知見が得られた。
  • 佐藤 太一, 渡辺 泰
    1982 年1982 巻4 号 p. 583-589
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    有機溶媒で希釈したトリオクチルメチルアンモニウム=クロリド(Aliquat-336,R3R'NCl)により,硫酸溶液からの硫酸ジルコニウムの抽出を種々の条件で行なった。さらに硫酸および硫酸ジルコニウムを抽出した有機相の赤外吸収スペクトルおよび高分解能核磁気共鳴スペクトルを測定した。その結果,Aliquat-336はつぎのようなイオン交換反応によりジルコニウム(IV)を抽出することがわかった。
    i)まず初めに硫酸の抽出がSO42-(aq) + 2 R3R'NCl(org)⇔(R3R'N)2SO4(org) + 2Cl-(aq) (R3R'N)2SO4(org) + H+(aq) + HSO4-(aq)⇔2R3R'NHSO4(org)の平衡にしたがって行なわれる。
    ii)ジルコニウムの抽出はZr(SO4)32-(aq) + 2xR3R'NHSO4(org) + (1-x) (R3R'N)2SO4(org) ⇔ (R4R'N)2[Zr(SO4)3](org) + xH2SO4(aq ) + SO42-(aq) x=[R2R'NHSO4]/{2[(R3R'N)2SO4] + [R4R'NHSO4]}の平衡式により表わされ,そのうえ有機相へのジルコニウムの抽出がさらに増加すると加水分解化学種(R3R'N) [ZrO (OH) (SO4)]が形成される。
  • 津波古 充朝, 成相 裕之, 本岡 達, 小林 正光
    1982 年1982 巻4 号 p. 590-594
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    三リン酸アルミニウムAlH2P3O102O(i)およびAlH2P3O10のII型(II)について,基本的物性である溶解度,密度,表面積,メタリン酸アルミニウムAl(PO3)3への熱変化のさいの反応熱(dH)およびそのときの活性化エネルギー(E)を測定した。さらに三リン酸アルミニウムのアンモニアガスおよびアミン類の吸着さらに陽イオン交換したAlH2P3O10・H2O(M=Na,K,NH4)の構造についても検討した。
    1)室温でのIおよびIIの水に対する溶解度は0.01および0.059/100cm3 H2Oであった。またそれらの溶解度はH2O<HCl<NaOH<KOH<NH3水溶液の順に大きくなった。2)IおよびIIの密度は2.31および2.60g/cm3,表面積は5.2および<1m2/gであった。3)IおよびIIのAl(PO3)3への熱変化のさいの反応熱はともに11.4kcal/mol,またそのときの活性エネルギーEはそれぞれ25.3および61.9kcal/molであった。4)1のAl(PO3)3への熱変化の温度は,1に付着した遊離のリン酸量と密接な相関関係があった。5)1および1[はアンモニアガスおよびアミン類のような塩基性物質をきわめてよく吸着する。6)層状携造をした1は1価金属イオンにより容易にイオン交換されAlH2P3O10・nH2O(ナトリウム塩ではn=2,カリウム塩では2~1,アンモニウム塩では1)となるが,π の減少につれてもとの結晶構造は崩れていく。
  • 谷原 紘一
    1982 年1982 巻4 号 p. 595-599
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    尿素とニトリドトリス(硫酸)三アンモニウム(TNS)との常圧下での溶融反応によるグアニジニウムイオンの生成におよぼすアンモニアの影響について検討した。尿素とTNSとを反応モル比1:2/3で両化合物の溶融液中にアンモニアを吹き込みながら反応させることにより,グアニジン収率の増大と副反癒の抑制,溶融液の流動性の顕著な向上が認められた。これらの結果は,反応混合物の赤外吸収スペクトル,グアニジンおよび副生物の収率と温度との関係などの結果とともにアンモニア吹き込み下で尿素とイミドビス(硫酸)ニアンモニウム(DIS)とを反応モル比1:1で反応させたときのそれと類似していた。さらに,TNSは尿素存在下では160℃でも容易にアンモノリシスされてDISとアミド硫酸アンモニウム(AAS)に変わることがわかった。これらの結果から,アンモニア吹き込み下での尿素とTNSとの反応においてグアニジニウムイオン生成にいたる反応径路は,アンモニア吹き込み下での尿素とDISまたは尿素とAASとの反応の場合と実質的に同一であると考えられた。また,このような反応のもとでは,TNS,DISおよびAASが2:3:6のモル比で等価であると見なすことができる。
  • 大塚 和正
    1982 年1982 巻4 号 p. 600-607
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    シュウ酸イオン,笛ヂレンジアミンおよびアンモニアを配位子とするクロム(III)錯体のアンモニア緩衝液中におけるH2O2による酸化反応を速度論的に扱った。H2O2の大過剰の存在下で酸化反応速度は,錯体濃度について擬1次速度式にしたがった。シュウ酸イオンを配位子とする錯体の酸化反応速度はクロム(III)およびH2O2のそれぞれの濃度について1次であった。吸光光度定量法で求めたクロム(III)錯体の消失速度とCrO42-の生成速度は化学量論的にかなりよく一致した。これらの事実に基づいてH2O2がクロム(III)に配位する過程が律速段階であると判断された。エチレンジアミンおよびアンモニアを配位子とする錯体の酸化反応速産はpH10以下におけるCr(en)33+の反応を除いてほとんどH2O2濃度に影響されなかった,エチレンジアミンを配位子とする錯体では,酸化反応速度と配位子が遊離する速度の一致から,その律速段階はクロム(III)錯体から配位子が遊離する過程であろうと推察された。クロム(III)の酸化をH2O2を用いて強アルカリ性水溶液中で行なったKnoblowitzらの報告とこれらの結果を比較して論じた。
  • 三義 英一, 岸本 渉, 柳沢 三郎, 白井 恒雄
    1982 年1982 巻4 号 p. 608-613
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    著者らは,さきに炭化糠一アンモニア依一硫化水素系の瀕254nmの紫外線照射について報告した。そして本実験では炭イビ水素としてメタン,エタン,エチレン,アセチレンを用い,炭化水素一アンモニア-水系の波長185nmの紫外線照射により生成されたアミノ酸に関する定性,定量分析を行なった。また,この系を詳しく解析するために炭化水素-水系,炭化水素-アンモニア系,アセトアルデヒド轍アンモニア-水系,エタノール-アンモニア-水系の紫外線照射も行なった。炭化水素一水系においては,多種類のアルコール類,アルデヒド類が生成された。とくにアセチレン系では,アミノ酸,糖などの前駆体となるアルデヒド類を他の系にくらべて,より多種類生成した。炭化水素-アンモニア系では,炭化水素を換えても生成されるニトリル類,アミン類にはほとんど変化がなかった。炭化水素-アンモニア-水系では,12種類のアミノ酸が生成され,その中にはヒドロキシル基をもつタンパク質アミノ酸であるセリン,,トレオニンが多量に含まれていた。さらに,C2炭化水素-アンモニア-水系で生成されたアミノ酸の全収量は,アセチレン>エチレン>エタンの順に多いことがわかった。また,アンモニア初濃度の増加に対するアミノ酸収量は,アンモニア濃度の増加にともなって増え,アセチレンとアンモニアが等濃度のときに最大となることがわかった。
  • 吉村 忠与志, 藤永 太一郎
    1982 年1982 巻4 号 p. 614-619
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    鉄族金属酸化物として酸化ニッケル電極について,アルカリ性溶液中での酸化挙動を検討した。ニッケル電極をアルカリ性溶液中に浸漬すると,電極上にNi(OH)2フィルムが生成,生長する。そのフィルムの生長速度に対して,ニッケル電極をアルカリ性溶液中で浸潰放置したとき立方則が,そして,同じ溶液中で連続電位走査したとき放物線則がそれぞれ成立した。Ni(OH)2フィルムを有するニッケル電極のピーク波高は電解液のpHに依存した。ピーク波高ip(μAmm-2)とpHとの間につぎのような実験式が得られた。ip= k(pH -10. 5) (pH> 11)この式の比例定数kは9.6であった。また,このNi(OH)2電極の自然電極電位は-0.196Vvs.SSEであった。Ni(OH)2電極上でのエタノールの電解酸化反応は+0.5Vvs.SSEから起こった。
  • 木藤 晃, 中根 正典, 三宅 義造
    1982 年1982 巻4 号 p. 620-626
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    β-ジケント型配位子(R1-CO-CH (R2) -CO-R3)のベリリウム(II),銅(II),アルミニウム(III),クロム(III)キレートのアピエゾンLカラムおよびシリコーン油F-50ヵラムにおける気一液クロマトグラフィーの保持挙動を検討した。それぞれの金属キレートの保持容量(VRo-VG)の対数と配位子の中央のアルキル基(R2)の炭素数または末端のアルキル基(R3)の炭素数との間に,通常の有機化合物の同族体に認められる直線関係がなり立つことが見いだされた。この直線の勾配は中心金属イオンの種類に影響されずに,それぞれのアルキル基の炭素数の増加にともなう自由エネルギーの増加の単純加成性で近似できる。また縦軸の切片は中心金属イオンの種類によって異なり,中心金属イオンの特性を表わすパラメーターと考えることができる。
  • 平島 克亨, 小寺 秀章, 塩川 二朗
    1982 年1982 巻4 号 p. 627
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    リン酸水素ビス(2-エチルヘキシル)(D2EHPA,(C8H17O)2POOH)によるランタノイド(Ln)の抽出において,抽出量が大きくなると抽出種が多量化して有機相からゲル状物質として析出する。この多量体の組成はLnX3 (X: (C8H17O)2POO)で表わされる。ベンゼンが希釈剤の場合,有機相とゲル状物質の間には次式で表わされる多量体の溶解・析出の平衡が存在している。1/p (LnX3)p(g) + (HX)2(o) ⇔ LnXLnX3.2 HX(o) (P:多量体の重合度,(g):ゲル,(o):有機相)ゲル状物質が存在している状態での有機相と水相の間のランタノイドの分配に関する平衡は次式で表わされる。Ln (a)8++ 5/2 (HX)2(o) ⇔ LnX3.2 HX(o) + 3 H(a)+ ((a):水相)希釈剤がヘプタンの場合にもベンゼン系と類似の抽出挙動を示すが,各反応においてD2EHPA濃度依存性が,一般にベンゼン系の場合より低い値を示す。これはヘプタン中におけるD2EHPAの会合度が2より大きいことによって説明できる。
  • 御嗣 生発久, 谷田部 佳見, 長尾 幸徳, 阿部 芳首
    1982 年1982 巻4 号 p. 632-637
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    著者らは可視吸収スペクトルによる分散型アゾ染料とポリエステルモデルの相互作用ならびに分散型アゾ染料によるポリエステル繊維の染色結果から両者の相互作用の検討を行ない,者間に極性vandetWaals力の寄与があること,またヒドロキシル基を有する染料に水素結合の寄与があることを推定した。本報では,これらの寄与をさらに詳細に知る目的で,アゾ染料モデルとして6種類,ポリエステルモデルとして安息香酸メチルを選び,13C-および1H-NMRスペクトルにより染料一繊維間の相互作用を検討した。
    安息香酸メチルと染料モデルの系の13C-NMRスペクトルにおいて,安息香酸メチルのパラ位およびカルボニル炭素は,染料モデぞレとの相互作用によって低磁場シフトを示した。他方,アミノ基を有する染料モデルのパラ位炭素は高磁場シフトを示し,アミノ基をもたない染料モデルのパラ位炭素は低磁場シフトを示した。また,シアノエチル基を有する染料モデルのニトリル炭素は低磁場シフトを示した。さらに,ヒドロキシル基を有する染料モデルと安息香酸メチルとの系の1H-NMRスペクトルでは,ヒドロキシルプロトンの大きな温度効果が観測された。これらの結果から,前記した極性van der Waals力は双極子一双極子相互作用であり,ヒドロキシル基を有する染料には水素結合の存在が明らかとなった。また,シアノエチル基をもつ染料では,ニトリル基と繊維モデル間の双極子-双極子相互作用が推定された。
  • 碓井 正雄, 西脇 徹, 案田 欣二, 飛田 満彦
    1982 年1982 巻4 号 p. 638-643
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    3種のテトラクロロベンゼンの2一プロパノール申における光脱塩素反応を検討した。これらの反応はcis-1,3-ペンタジェン〔7〕や酸素〔9〕によって抑制され,アセトン〔8〕によって増感されたe生成物全体に関するStern-Volmerプロットが曲線となったことから,反応は一重項と三重項の両励起状態から起っていると考えられる。
    これらの反応性についてつぎの結果が得られた。(i)脱塩素反応はすべてのテトラクロロベンゼンにおいて,一重項状態経由よりもおもに三重項状態経由で生じた。(ii)脱塩素の位置選択性は一重項状態経由と三重項状態経由の反応との間でいちじるしく異なった。
  • 辰巳 敬, 吉田 肇, 奥田 修, 冨永 博夫, 鈴木 守夫, 加藤 順
    1982 年1982 巻4 号 p. 644-649
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    カフジ常圧i残油のアスファルテンおよびそれをNio-MoO3-Al2O3触媒を用いて水素化精製したときの生成油(脱窒率48%)のデスファルテンについて,窒素化合物のタイプ別分布を調べ,精製前後の変化および分子サイズと反応性との相関を調べた。アスファルテンのイオン交換クロマトグラフィーでは通常の溶媒で溶出しない成分が存在したが,これらはク猿戸ホルムで溶出させることができた。アスファルテンの場合は,会合のためイオン交換樹脂が官能基に対して有効に働かないこと,多官能性であること,溶媒のとり込みにより物質収支が低下することなどのため,フラクション別の窒素化合物タイプ分布が正確に求めにくく,また,ピリジン類の直接定量ができないなどの問題点があるが,窒素化合物のタイプにより反応性に大きな差がないことが示唆された。GPCを用いた分子サイズによる分画の実験から,低分子量のアスファルテンが選択曲に分解されていること,窒素分は低分子量アスファルテンにおいてのみ若干除去されていることが示された。このことから,脱窒素反応を主として支配するのは触媒細孔内へのアスファルテンの拡散過程であり,窒素化合物タイプにより除去率に大きな差が生じなかったと考えられた。
  • 中山 哲男, 中村 悦郎, 小口 勝也
    1982 年1982 巻4 号 p. 650-656
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    無水酢酸中におけるo-キシレンおよびo-トルィル酸の酸化反応においてコバルト(II)-セリウム(III)-臭化アンモニウム系触媒が高い活性をもつことを見いだした。この触媒系を用いてo-キシレンおよびo-トルイル酸の酸化反応を行ない,生成物組成におよぼす反応条件の影響を調べた。その結果,生成物組成は主として基質濃度によって影響され,基質濃度の小さいときに無水フタル酸,大きいときに--3-アセトキシフタリドの選択率が高くなることを明らかにした。また,酢酸-無水酢酸混合溶媒中におけるo-トルイル酸およびo-キシレンの酸化反応性を検討し,無水酢酸25vol%付近に酢酸単独溶媒と比較して酸化反応速度を増大させ,酸化の度合を促進させる無水酢酸の添加効果が見いだされた。反応中間体であるo-トルイル酸無水物,フタリドおよび3-アセトキシフタリドの酸化反応性を検討し,無水酢酸中におけるチトルィル酸の主たる酸化反応経路を明らかにした。
  • 村田 淳雄, 長 哲郎, 上野 昭彦, 安斉 順一
    1982 年1982 巻4 号 p. 657-661
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ネロール,ゲラニオール間の異性化をアセトフェノン誘導体,チォール,ハロゲン化合物蛮どの添加物存在下での光照射により行なった。かプロモアセトフェノンはパラ位非置換およびp-フルオロ-あるいはP-クロロアセトフェノンにくらぺて異性化能力が顕著であった。プロモトリクロロメタンや1-プロモナフタレンなども効果的に異性化を進行させ,C-Br結合の開裂によって生成する臭素原子が反応に関与していることが推測された。また,異性化はチオール存在下での光照射によっても進行する。この場合,ラジヵル発生剤が共存すると異性化が促進され,チイルラジカルにより進行する連鎖反応であることが示喚された。このチオールによるネロールの異性化法は選択率が高く,無溶媒でも進行し,かつ試薬も安緬であり,工業化に適している。
  • 滝本 道明, 舟川 隆義, 柴 隆一, 田島 守隆
    1982 年1982 巻4 号 p. 662-669
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    メラミン製造のさいの副生成物であるアンメリン,アンメリド,メラム,メレムのヒドロキシメチル化反応を,紫外吸収スペクトルの極大吸収波長がヒドロキシメチル基の導入数に対応して長波長側に移行する現象を利用,して追跡検討し,ついで各試料のホルムアルデヒドに対する反応性と塩基および酸解離定数の関連性について考察した。
    (ヒドロキシメチル)アンメリンの置換したヒドロキシメチル基の数は,反応溶液中では最高4,析出物では最高2を示し,(ヒドロキシメチル)アンメリドは反応溶液中では最高2,析出物では最高1を示した。メラムは反応溶液中,析出物いずれも存在するアミノ基の水素原子全部がホルムアルデヒドと結合し,八官能性を示した。メレムは反応溶液中ではホルムアルデヒドに対し六官能性を示すが,生成した(ヒド律キシメチル)メレムはヒドロキシメチル基の一部を解離して徐々に析出した。析出物の置換したヒドロキシメチル基の数は3に近い値を示した。すなわちアンメリン,アンメジド,メラム,メレムはいずれも存在するアミノ基の保有する水素原子の数まで,最大値としてホルムアルデヒドを付加するが,(ヒドロキシメチル)メラム以外の化合物の析出物状態で得られる試料における置換したヒドロキシメチル基の最高数は,すべてのアミノ基の水素原子数の半分あるいはそれに近い値に相当する結果を得た。
    アンメリン,アンメリド,メラム,メレムにメラミンを加え,これらの化合物をホルムアルデヒドに対する官能性から分類すると,固体状態で得られるヒドロキシメチル化物の置換したヒドロキシメチル基の最高数がアミノ基の水素原子総数と等しいグループと,その数値が1/2ないしはそれに近い値をとるグループとに二分できる。これらの結果を各化合物の酸解離定数pKa,塩基解離定数pKbと対比してみると,pKb値が大きくまたpKa値の観測される化合物は,そのヒドロキシメチル化物の置換したヒドロキシメチル基の最高数がアミノ基の水素原子総数の1/2の値をとることがわかった。
  • 倉持 智宏, 河村 一別, 杉田 敏紀, 伊保 内賢
    1982 年1982 巻4 号 p. 670-676
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    1,2-ポリブタジエンおよび1,4-ポリブタジェンへのビニルモノマーのラジカルグラフト重合をα,α'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)開始剤を用いてベンギン中60℃で行なった。グラフト重合性(グラフ効率)は電子受容性モノマーが良好であり,アクリルアミド>メタクリル醜メチル(MMA)>酢酸ビニル>スチレンの順に低下した。1,2-ポリブタジェンへのスチレンのグラフト重合におけるLewis酸の添加は・グラフト効率を向上させ・その効果はヨウ化亜鉛く塩化アルミニウムく塩化亜鉛の順に大きいことが認められた。これに対して・MMAのグラフト重合においては,ごく少量の添加によって効果があがるが・それ以上の添加はグラフト効率をいちじるしく低下させた.これはスチレンの場合,スチレンとLewis酸との錯体により,ボリブタジェンへのスチレンの接近が容易になる九め,またMMAの場合,MMAとLewis酸との錯体形成により,MMAのホモポリマー生成が増大するためであると考えられる。1, 4-ポリブタジエンへのグラフト重合においては,Lewis酸,Lewis塩基はグラフト重合にほとんど効果が認められず,ヨウ化亜鉛はグラフト重合を抑制することが認められた。
  • 中川 良三, 立本 英機
    1982 年1982 巻4 号 p. 677-680
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    大気中の水銀の存在状態,発生源および機構を解明する目的で,千葉市における大気中の水銀含有量および浮遊粉じん中の水銀含有量を約2年間にわたって測定し,大気中の水銀の挙動について考察した。大気中の水銀含有量は,夏期に高く,冬期に低い傾向を示した。一方,浮遊粉じん中の水銀含有量は,夏期に低く,冬期に高い傾向を示した。すなわち,水銀は気温が上昇すると,土壌や大気中の浮遊粉じんから脱着して蒸気として大気中に揮散するが,気温が下降すると,浮遊粉じんに付着したり,露などとともに地表に降下するという挙動をとっていることが判明した。
  • 石野 二三枝, 青木 豊明, 宗森 信
    1982 年1982 巻4 号 p. 681-684
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Amino acids are adsorbed on a mixed hydroxide of iron (III) and copper (II) at about pH 9and desorbed at above pH 13. The adsorption-desorption process of amino acids was studied in detail using tyrosine as a sample and the 50-fold concentration of tyrosine was adsorbed from its solution as low as 2x 10-6 mol/l with the recovery of 96%. A suspension of the mixed hydroxide, which was prepared by mixing 10 ml of 1.0 mol/l iron (Jn) chloride and 10 ml of 1.0 mol/l copper (II) chloride, diluting the mixture to 100 ml with distilled water, and pre cipitating mixed hydroxide with sodium hydroxide, was added to 1 / of a sample solution containing 2 X10-6 - X 10-7 mol/l tyrosine. After adjusting the pH between 8.5 and 9.5, and the mixture was stirred for 40 min. The suspension was separated through filter paper (No.5C, φ 7 cm) under suction. The residue was dried at 100°C in an oven. Twenty milliliters of 0.5 N sodium hydroxide was added to the dried residue and stirred for 15 min. The recovery of tyrosine was determined spectrophotometrically with 1-nitroso-2-naphthol. The proposed method was applied to the concentration of other amino acids. The recoveries of amino acids were determined by the Ninhidrin method.
  • 江川 博明, 黒田 俊夫, 白石 直典
    1982 年1982 巻4 号 p. 685-691
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    エピチオ基を有する,巨大網状構造のキレート樹脂(RGS)を利用して,海水中の極微量の“メチル水銀”を定量する方法を研究した。本研究の目的には,メタクリル酸グリシジル-エチレン=グリコール=ジメタクリラート系球状共重合体をチオシアン酸アンモニウムと反応させて得られたキレート樹脂が最適であった。海水中のメチル水銀は,カラムにつめたRGSに空間速度(SV)50h-1で通液するこどにより選択的に吸着され,吸着されたメチル水銀は,チオ硫酸ナトリウムをo.5mg/l含む4mol/l塩酸をSV 5h-1でRGSの10倍量通液することにより効果的に溶離されれ。この操作では無機水銀は1溶離しない。溶離液中のメチル水銀をベンゼンで抽出し,つぎにこれをグルタチオン溶液で逆抽出した。グルタチオン溶液中のメチル水銀をつぎの方法により分析した。グルタチオン溶液に硫酸,塩化ナトリウムおよび過マンガン酸カリウムを加え湯浴上で1時間加熱し,冷却後塩化スズ(II)を加え,還元気化した水銀を金アマルガム化一冷原子吸光光度法で定量した。海水にメチル水銀を加えて作成した検量線は0.05ng(asHg)/l~0.5ng(asHg)/lの間でよい直線性を示した。この方法を用いて水俣湾および周辺の海水中のメチル水銀を定量したb
  • 三浦 弘, 服部 武郎, 慶徳 和也, 杉山 和夫, 松田 常雄
    1982 年1982 巻4 号 p. 692-693
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The selective hydration of the C≡N bond of acrlylonitrile to form acrylamide was studied on various supported metal catalysts. Ethlyene cyanohydrin was also produced as a side product by the hydration of the C=C bond of acrylonitrile. The results of the reaction over supported Cu, Ni, Ag and Pd catalysts are shown in Table 1. Copper was found to be most effective for this reaction. Cu catalysts unsupported or supported on various oxides were tested (Table 2). The Cu catalysts supported on acidic materials (zeolite X, Y, SiO2, celite, TiO2)gave lower yield of acrylamide than the unsupported Cu catalyst, whereas those supported on basic materials (ZnO, MgO) showed higher activity. The highest yield of acrylamide was obtained by the Cu/MgO catalyst.
  • 真鍋 和夫, 小川 誠
    1982 年1982 巻4 号 p. 694-696
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The thermal decomposition of terbium (III) acetate tetrahydrate was studied by means of TG, DTA, X-ray diffraction, infrared spectroscopy, gas chromatography and chemical analysis. The dehydration begins at 60°C, and the course of dehydration completes at 180°C. One unknown lower hydrate is produced in the process of the dehydration. It is supposed that the unknown hydrate may be a O.5 hydrate. The anhydrous terbium (III) acetate demposes in the temperature range of 220-650°C to terbium (III) oxide, passing through two intermediate compounds. Presumably new intermediate compounds have compositions of TbOCH3COO and Tb2O2CO3, respectively.
  • 松田 恵三, 池谷 良行, 田村 右京, 香山 勲
    1982 年1982 巻4 号 p. 697-699
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The magnetite was synthesized from the mixed solution containing Fe2+, Fe3+ and urea at about 100°C for 5 and 15 h, in the magnetic field of 0 or 10000 G. The magnetite synthesized under conditions of the 5 h period of reaction and no magnetic field was cube-shaped polycrystalline particles, whose average particle size, lattice constant, specific gravity, water content and saturation magnetization were 0.12, um, 8.39Å, 4.69, 4.47wt% and 88.3 emu/g, respectively. On the other hand, the reaction for 5 h in the magnetic field of 10000 G gave magnetite with the lattice constant of 8.40Å, specific gravity of 4.47, water content of 6.15 wt% and saturation magnetization of 81.6emu/g. Although the crystal linity of the latter magnetite was inferior to that of the former one, the SEM observation revealed that the cube-shaped particles were linked together in rows.
  • 中村 恭子, 長谷川 囲彦
    1982 年1982 巻4 号 p. 700-702
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The rate of isotopic exchange between thallium (I) and thallium (III) ions has been studied for elucidating the specific effect of sulfuric acid in the reaction. Measurements were carried out in NaClO4-HClO4 solutions, at 50°C, containing various amount of sulfuric acid. The rate constant thus determined changed linearly with the square of sulfate ion concentration, indicating that the BrOnsted-Bjerrum equation is applicable. It was concluded that the species responsible for the observed rate should be TlSO4- and TlSO4+.
  • 宮腰 哲雄, 斎藤 鐘次郎
    1982 年1982 巻4 号 p. 703-705
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Dimerization of alkyl vinyl ketones [1] in the presence of triphenylphosphine as a catalyst was studied. In the reaction of 1-penten-3-one [1a], 4-methylene-3, 7-nonanedione [5 a] was obtained. The dimerization of [1 b-h] gave dimers, 2-methylene-1, 5-dione derivatives [5b-h], in 42-85% yields. The reactions were considered to proceed through phosphonium betaine intermediates which attack the j9-carbon of the alkyl vinyl ketones as in the Michael type addition.
  • 南谷 晴子, 遠山 英剤, 前川 悦朗
    1982 年1982 巻4 号 p. 706-708
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The structure of one of the blue pigments formed by the reaction of o-acetylbenzophenone [1] with phenylhydrazine was determined by comparison with 1-(2, 3-dipheny1-1-isoindoly1)-2- (4-phenyl-1-phthalazinyl) ethylene [3 a] and its methyl iodide adduct. [3 a] was prepared by the reaction of 1, 2-diphenyl-3 (phenyliminomethyl) isoindole with 1-methy1-4-phenylphthala zine in the presence of potassium t-butoxide. [1] reacted with 2-aminoethanol to give blue pigment, C48H38N2O4 [5 ]. The mechanism for the formation of [5] is proposed as shown in Scheme 1.
  • 贋瀬 正巳, 川卸田 邦男, 青木 宏之, 柳井 弘
    1982 年1982 巻4 号 p. 709-712
    発行日: 1982/04/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    For the effective application of plam kernel shell and waste rubber wood, the conditions of activation of chars obtained from these starting materials were studied based on the observa tion of thier surface structures and their ash analyses. The electron microscope observation of the surface structures of starting chars showed that their porosities become lower in the following order; rubber wood charcoal>chip charcoal>coconut shell charcoal>palm kern el shell charcoal. The steam activation of these starting chars were carried out in a pilot rotary kiln, and adsorption\ characteristics as well as chemical composition of ash were examined for chars at the stages of starting, after activation, after water-washing and afer acid-washing. From the surface structure and ash analysis (ash content and chemical composition) of the starting chars, gas activation rate of rubber wood charcoal was estimated the highest, followed by chip charcoal, coconut shell charcoal, and palm kernel shell charcoal in this order. This was verified from the results of steam activation in a rotary kiln on a commercial scale.
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