高透湿性ポリウレタンフィルムと高保水性不織布とから, 新規な創傷被覆材を作製した. ポリウレタンフィルム中には, 抗菌剤N- (1, 3-ジアジン-2-イル) スルファニルアミド銀塩 (シルバーサルファーダイアジン, SSD) を均一に分散化させた. 分散化は二つの方法で行い, 分散後, 蛍光X線分析ないしは原子吸光分析により, 抗菌剤分子中の銀 (Ag) ないしは硫黄 (S) がポリウレタンフィルム中に均一に分散していることが判明した.
不織布に高保水性を付与するために, コンジュゲイト化ポリエステル糸とレーヨン糸の適切な混合比を選択し, これを160℃ の熱風で処理することにより, 自重の20倍の保水性を持つ不織布を作製した.
次いで, コーター機を使用して, 抗菌剤入りポリウレタンフィルムと上記の不織布とから創傷被覆材用シートを製造した. 製造上重要な以下の数工程の製造条件を検討し, 最終的にすべての工程の最適条件下で, シートを作成した.
製造条件 : a)ポリウレタンのイソプロピルアルコール溶液の調製, b) 抗菌剤の分散条件, c) 離型紙の選択, d) 乾燥 (溶媒留去) 条件, e) ラミネート時のローラー圧, f) スリッター圧
抄録全体を表示