『赤門マネジメント・レビュー』創刊10周年記念「トップダウンロード賞」(有料論文部門)をいただいた拙稿「英文論文のススメ」にまつわる下積み時代のエピソードから始まる連載の第1回。ウェーバーの「鉄の檻」が実はパーソンズの誤英訳で、本当は「殻」の意味だったことを知り、そのイメージが自分の下積み時代の記憶と重なって想像力をかきたてられ、「殻」概念を企業経営の視角として敷衍してみようと企図するまでを描く。
フリーウェア、シェアウェアの開発事例を分析する。これらの開発では、ユーザが開発活動の一端を担っているような現象―ユーザの組織化―が観察された。パッケージング販売を放棄し流通経路をインターネットに求める「脱パッケージ化」という決定が、単なる流通経路の選択に留まらずユーザの組織化と開発への貢献を引き出し、従来のソフトウェア開発とは異なる開発活動のパフォーマンスをもたらす。