アサヒビールのスーパードライは1987年の発売以降、20年たった現在でも売れ続け、高シェアを維持している。その発展過程をよく見ると、発売当初の爆発的売上を記録した後、数年間の停滞期を経て再拡大するという二段ロケット的成長を遂げている。これはスーパードライが一過性のヒット商品に留まらず、過去20年という長期間にわたり競争力を維持・向上させてきたことの証左であり、注目に値する。では、アサヒビールはどのようにして競争力を持続させてきたのか。なぜスーパードライは二段階の成長を遂げることができたのか。筆者らは、この問題を解く鍵は、工程特性と組織能力の相性と競争力の重層的分析にあると考える。
製造業における勝ち残りには、設計品質の早期作り込みと、現場力を引き出すためのものづくり情報伝達が重要である。設計と製造プロセスの3D化は、3D-CADの導入を起点とし、作成されたデータを全社で活用することで、3D設計の恩恵を全社で享受できるようになる。日本発の3D軽量化技術XVLの導入企業は、その六つのソリューションにより、設計力を向上させ、現場力を引き出すことでものづくりのQCD(Quality、Cost、Delivery)改善に成功している。本稿では、3Dデータを活用することで、日本のものづくり企業がどう変貌を遂げたのか、大容量3Dデータのデザインレビューや工程編集、3D部品表等の各社の成功事例を紹介する。