Cristea and Leonardi (2019) では、分散型職場環境において肯定的な評価に繋がるフェイスタイムが取れない中で、子会社従業員は代わりにコミットメントのシグナルとなる行動を取ることを示し、そのプロセスをモデル化した。特に、シグナリングの解釈のずれや、継続的なシグナリングにより多くの従業員が疲弊してシグナリング行動を止めるという、シグナリング・プロセスの負の側面を明らかにした。本稿は、Cristea and Leonardi (2019) が実質シグナリングを題材にしていることや、多くの従業員がシグナリングを止めてしまうことの解釈について議論し、リモートワークが増えている昨今の日本企業に示唆を与えることを目的とする。