欧米の自動車産業では、1990年代半ばからモジュール生産方式の導入が本格化したが、個々の事例をみていくと、企業戦略や工業立地などに応じてモジュール化の方法に違いが見られる。また、モジュール化の方式によっては、技術のブラックボックス化の弊害も目につくようになっている。本稿では、欧米メーカーのモジュール工場を比較分析することで、欧米メーカーのモジュール戦略の発展と成果を整理し、今後の課題を検討する。
発行企業間で提携が結ばれ交換ネットワークが形成されてきたことにより、企業の発行する企業ポイントが注目を集めている。企業ポイントの流通性が高まっているという事実に着目して、雑誌記事や書籍では企業ポイントを「企業通貨」「新しいお金」として新たな通貨とみなす主張がなされている。本稿では、企業ポイントを新たな通貨とみなす主張についてネットワーク分析の視点から検討を行う。分析の結果、現状では企業ポイントが企業通貨と呼べるほどには高い流通可能性を持っていないと結論付ける。