今日のグローバル生産の問題を正確に捉えるためには、完成品の生産立地という側面だけではなく、部品生産まで含める必要がある。完成品工場が市場に近接立地をしていても、部品の輸入があるために長いリードタイムを要したり、柔軟性が落ちたりすることがある。本稿では、トヨタ自動車の日本、米国、欧州、中国市場のケースを取り上げ、生販連携によって生産計画を作成するプロセスを中心にトヨタ自動車のサプライチェーンマネジメントの実態を明らかにした。
限定された時間の中での購買行動は、通常の購買行動と異なる行動をとりがちである。それは制限時間の中で、消費者がプレッシャーを感じているからである。この状態は「時間圧力」と定義されている。時間圧力については、今もなお研究が続けられている。本稿では、時間圧力と商品のコンフリクト度合が消費者の選択の延期に与える影響について明らかにしたDhar and Nowlis (1999) の解説と評論を試み、彼らが実施した実験が本当に消費者の「延期の決定」を測定することが出来たのかを議論する。
米国ラスベガスで開催されるCESは世界のコンシューマ・エレクトロニクス・ショーのなかで、出展数・集客数の増加から世界への発信力が増している。本年CESで見られたものは激変するエレクトロニクスと周辺産業で、新たな技術分野 (IoT、AI、VR、ドローンなど) の進化や、車産業とエレクトロニクス産業が無人運転を軸につながる様子や、ヒトと機械の融合の様子である。新たな技術動向を整理し、日本企業の喫緊の課題を論じる。