ブランド戦略の究極の目的がより強い製品やサービスを生み出し、比較優位性を得て企業の収益性を高めることだとしたら、結局のところ「プレミアム・ブランド」戦略とはあらゆるブランドづくりの中で最も根源的な作業にほかならない。また、経済のグローバル化で製品の単価下落の流れが止まらない中で、「プレミアム性」を訴求することはブランドの価値を維持し、高めるためにも一層不可欠になってきた。先月号㊤の「ケーススタディ」に続いて、本稿では「プレミアム・ブランド」を構築する上で最も重要な三つの要素を検証する。
日本型の人事システムの本質は、給料で報いるシステムではなく、次の仕事の内容で報いるシステムだということである。仕事の内容がそのまま動機づけにつながって機能してきたのであり、それは内発的動機づけの理論からすると最も自然なモデルでもあった。他方、日本企業の賃金制度は、動機づけのためというよりは、生活費を保障する視点から賃金カーブが設計されてきた。この両輪が日本の経済成長を支えてきたのである。今こそ原点に立ち返り、従業員の生活を守り、従業員の働きに対しては仕事の内容と面白さで報いるような人事システムを再構築すべきである。