企業の競争力に関わる組織能力は地道に構築していく必要がある。しかし、キャッチ・アップしていかざるをえない後発企業にはそういう時間的な余裕がない。本稿は、キャッチ・アップに成功しグローバル企業に成長したサムスン電子の事例を取り上げ、人事部が組織能力構築を早めるために行った様々な活動を調べたものである。
2009年3月期本決算から導入される内部統制報告制度は、厳しい罰則をともなうことから、免責を求める経営者の行動を誘発し、企業行動に副作用を及ぼすことも懸念されている。そこで、内部監査、内部統制、内部統制報告制度の概念を整理することで、内部監査人のそもそもの役割――問題のある部分を検査して摘発し、経営者に対して大局的なリスクを示し、指摘・提言を行うこと――について論じる。
株式会社・構造計画研究所の社会的使命は、学界と産業界とで獲得された工学的知識を融合させて、新たな知財を創造することである。その使命を果たすには総合エンジニアリング企業として学界と産業界との橋渡しとなることが必要である。構造計画研究所は、新規事業を次々と創出していくという役割を担う、創造工学部という部署を築き上げてきた。所員の営業志向が強い、会社の成長から獲得した付加価値増分について大胆な投資配分を行う、独自の人的資源管理システムを開発しているなど、構造計画研究所は一般のソフトウェア企業とは大きく異なる特色を持っている。Professional Engineering Solution Firmとしての構造計画研究所の挑戦は続く。