光ディスク産業では、日本企業が技術開発と商品化を先行してきた。しかし、台湾企業や韓国企業が急速にキャッチアップして、生産量では日本企業を凌駕するようになりつつある。本稿の目的は、台湾における光ディスク産業に焦点を当てて、台湾企業の急速なキャッチアップと成長の要因を考察することである。台湾の光ディスク産業の発展は、日本企業との協調や国際分業を前提にして成立する構図になっている。すなわち、後発国の急速なキャッチアップは、先進国との競争的対立だけではなく、両者の共存関係の上に成立するということを指摘する。
本稿では、中国におけるPCの普及に関するダイナミズム仮説を提示し、実証分析を行った。その結果、ローカルメーカーが生み出す既存利用者の満足度と潜在的消費者の誘引力との間の好循環が、中国におけるPCの普及の背景構造であることが示唆される。