新製品開発研究の発展過程について、特に研究アプローチの変遷に焦点をあてて整理する。新製品開発研究の領域では、「グランド・アプローチ」(研究初期)、「フォーカス・アプローチ」(1970年代後半)、「プロセス・アプローチ」(1980年代後半)と、時代と共に新たな研究アプローチが台頭し、主流が移り変わる形で発展してきた。近年は、プロセス・アプローチをベースとしたものを中心に、四つの新たなアプローチが台頭しつつある。
本稿では、「構造的埋め込み理論」の分野の研究レビューを、「社会的ネットワークの理論」の研究にまで遡って行った上で、既存研究に見られる議論の混乱や矛盾を生み出した原因の指摘とそれを解決する視点の紹介を行い、最後に、新しい分析枠組みを提案する。