本稿は新興国企業の日本的生産システムへの認識が、新興国企業の能力構築にどのような影響を与えるかを明らかにした研究である。現代自動車は、日本的生産システムを能力構築の「全面的な目標」と認識してその全面的な導入を目指すも、それを完全には達成できなかった。しかし目標を達成できなかったことが、彼ら独自の生産システムの構築を国内外で促していた。ここから、(1) 日本的生産システムが「全面的な目標」として認識されることが、新興国企業の国内外の能力構築を促すという日本的生産システムの新たな波及効果と、(2) 先進国企業の技術・知識・マネジメントが新興国企業の海外進出をサポートする役割を持つことを議論した。
日本ビジネスシステムズ株式会社 (JBS) の虎ノ門ヒルズオフィスは、「社員の発想力、実行力、情報発信力、共鳴力を最大限に引き出し、変革を実現する新オフィス」として、第28回日経ニューオフィス賞のニューオフィス推進賞/クリエイティブ・オフィス賞を受賞した。JBS虎ノ門ヒルズオフィスは、オフィスワーカーが快適で精神的にゆとりを感じ、感性を刺激し、創造性を高める働き方を誘発する場となっていること、コンピュータネットワークなどの情報通信技術 (ICT) を活用した新しいワークスタイルとマネジメントを積極的に推進する知的生産の場となっている。また、JBSでは、フリーアドレス導入により生じる社員の所在確認などの問題を、自社でアプリを開発して解決している。本稿では、クリエイティブ・オフィス賞の受賞企業のオフィスの取組をICT活用による事例を交えて紹介する。