赤門マネジメント・レビュー
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15 巻, 9 号
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査読つき研究論文
  • 固定的取引関係に依存した中小企業の国内拠点の活動転換
    浜松 翔平
    2016 年 15 巻 9 号 p. 439-452
    発行日: 2016/09/25
    公開日: 2017/02/25
    ジャーナル フリー

    本研究は、特定の大企業との取引関係に組み込まれたB to B の中小企業を研究対象に、海外生産展開が国内生産拡大につながる新たなメカニズムを解明することを目的とする。先行研究では自発型転換行動と誘発型転換行動という二つの転換行動 (天野, 2000) の観点から議論がなされていた。しかし、経営資源が豊富でなく、新たに顧客獲得を行うことが難しい企業の取りうる転換行動については議論されてこなかった。そこで、特定の大企業との固定的な取引関係に依存した中小企業のケーススタディを実施した。その結果、「顧客追従型転換行動」と呼べる、国内拠点の新たな転換メカニズムが明らかになった。

連載
経営学輪講
  • 経営学輪講 Ferlie, Fitzgerald, Wood, and Hawkins (2005)
    阿部 真美, 張 力, 羅 麗斯
    2016 年 15 巻 9 号 p. 469-488
    発行日: 2016/09/25
    公開日: 2017/02/25
    ジャーナル フリー

    Ferlie, Fitzgerald, Wood, and Hawkins (2005) は専門家組織としてのヘルスケア組織に焦点を当て、8事例のイノベーションを調査した研究である。その結果、専門家組織でイノベーションの拡散が進まないのは、専門家や専門家によって作られる実践共同体の間に「社会的境界」と「認知的境界」があり、イノベーションがその境界を越えることができない場合であることがわかった。Ferlieらの議論は後続研究においてさらに発展しているが、いまだに解決されていない課題や新たな解釈の可能性が残されているため、そこに今後の研究方向性がある。また、Ferlie et al. (2005) は複数事例を比較した質的研究の手本として取り上げられることもあるが、その事例分析にはいくつかの問題が残っている。

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