赤門マネジメント・レビュー
Online ISSN : 1347-4448
Print ISSN : 1348-5504
ISSN-L : 1347-4448
5 巻, 3 号
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ものづくりアジア紀行
研究論文
  • コンスーマ市場からコンピュータ市場へ
    小川 紘一
    2006 年 5 巻 3 号 p. 97-170
    発行日: 2006/03/25
    公開日: 2018/03/11
    ジャーナル フリー

    コンスーマ市場で興隆した光ディスク産業がパソコン市場に巨大市場を構築するまでの経緯について、日本企業の視点から分析した。まずCD-Audioから CD-ROMが生まれた経緯、現在のDVDに繋がるドミナント・デザインがCD-ROMによって形成される経緯およびパソコン市場に巨大なOEM市場が誕生するまで経緯を述べた。また日本企業の競争優位が技術力というよりもむしろ製品アーキテクチャの動態的な変化に左右されている事実、およびモジュラー型に転換する時点からキャッチ・アップ型工業国が市場参入して日本企業が市場撤退する姿も、多数の市場データを交えながら明らかにした。光ディスク産業に於ける日本企業と韓国・台湾・中国企業との関係がパソコン産業に於けるIBMとPCクローン・メーカーとの関係と同じであり、ここに日本企業の勝ちパターンを考える視点があることも本論文から理解されるであろう。

アジア自動車産業研究会
  • 国瑞汽車の事例
    李 兆華, 傅 学保, 折橋 伸哉, 藤本 隆宏
    2006 年 5 巻 3 号 p. 171-208
    発行日: 2006/03/25
    公開日: 2018/03/11
    ジャーナル フリー

    台湾の自動車産業は、完成車の対中国輸出などが制限される、国内市場が小さい、国内での競争が厳しくシェア変動が大きい、1社当たりの生産量が少ないなど、厳しい制約条件の中での操業を強いられてきた。ところが、その台湾の生産拠点で、非常に高度なものづくり能力の構築が観察されている。例えばトヨタ系の国瑞汽車は、数あるトヨタの海外生産拠点の中においても、トヨタ方式(TPS)が最もよく浸透し、ものづくり能力や改善能力のみならず、進化能力(能力構築能力)が高いことで知られている。しかしながら、台湾拠点の売上高は欧米など海外の主要生産拠点に比べれば小さく、その意味ではトヨタ全体にとって戦略的に最重要な海外拠点とは言い難い。とすれば、同社のグローバル戦略の中では比較的目立たない存在であったこの台湾企業が、創業から20年で、ここまでの能力構築を行うことができた理由と経緯は何か。日本からのトヨタシステムの導入のみならず、同社の進化能力を示唆する国瑞汽車オリジナルの工夫について紹介し、今後の課題についても言及する。

コンピュータ産業研究会報告
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