本研究はQCサークルの中国への移転プロセスに関する理念型を、作業組織の構造の四つの変換ステップを主軸に提示し、モデルの各構成要素間の関係を仮説的に示したあと、日系3社に対する実地調査のデータを用いて、比較分析を行った。結論として、モデルに示された要素間のロジックの妥当性が確認できた。理念型どおりに推進できた企業は、成功するQCサークルの受容過程と強い組織能力の構築プロセスの見本を示し、理論と実践に有意義な示唆をもたらしている。
急成長している中東欧など新興国の中間層市場において、韓国企業の成果が目立っている。本稿ではその成功要因として、日本企業と異なった、韓国企業の海外移転戦略、海外オペレーションに注目した。今年4月に中東欧で行われた調査に基づき、(1)ではLG電子、(2)では現代自動車、起亜自動車のケースを取り上げ、韓国企業の海外オペレーションについて分析を試みた。