技術開発・移転に係わるライセンスが経営全般に及ぼす影響は甚大である。本論ではライセンス契約に必要な要件とライセンスと技術開発の関係、さらにはライセンスと事業連携について述べることで、グローバル化が進展するにつれて「ライセンスを戦略的ビジネスとして展開する」考え方の必要性と留意点を明らかにする。
半導体業界において、その製造技術は、0.13μm、90nmそして65nmへと急速に進んでいる。その中で製品開発のパターン、手法、市場の様々な要求等、多様な変化が出てくる。また、アプリケーションの多様化に伴うテクノロジーに対する要求、あるいは、それに伴うサービスも異なってくる。こうした中で、顧客の多様なニーズに対応するため、TSMCはプラットフォーム戦略を導入した。半導体業界では、如何にTime-to-Volumeを早く達成するかが競争力の鍵である。そのため、様々なプロセス技術を持ったテクノロジーとサービスをうまく融合させなければならない。また、設計、開発そして製造が一体になりつつある中で、顧客がリーダーシップを発揮できるように、プラットフォーム戦略を構築している。TSMCのプラットフォーム戦略には、テクノロジーにより、Advanced Technology PlatformとMainstream Technology Platformの二つがある。Advanced Technology Platformでは0.13μm、90nm、65nmが中心となり、Mainstream Technology Platformはマチュアな技術である0.15μm、0.18μm、0.25μm、0.35μm、0.5μmが中心となっている。