「アントレプレナーのストーリーテリング」の研究は、今世紀に入ってから注目され始めた比較的新しい研究分野である。「アントレプレナーのストーリーテリング」の研究は、テーマや手法、研究が実施された地域に多様性があり、それ故、研究者が立脚している研究パラダイムも多様である。本稿は、「アントレプレナーのストーリーテリング」の先行研究をシステマティックレビューの方法論的アプローチによって概観し、これまでの研究潮流と今後の研究の方向性を探るものである。
本稿は、Howard-Grenville et al. (2016) の第4章「習慣の多面性:ルーチン論への示唆」を紹介したものである。第4章は、組織ルーチンを構成する行為者の習慣に焦点を当て、習慣には機械的に行われるものばかりでなく、より有機的な活動が存在することを提言する。行為者の熟考と、状況の変動性という二軸を用いて、習慣を類型化したうえで、組織ルーチン論への示唆を行っている。本稿では、第4章の概要を紹介したうえで、第4章の著者であるTurner and Cacciatoriの考察の背景、および残された課題を論じる。