赤門マネジメント・レビュー
Online ISSN : 1347-4448
Print ISSN : 1348-5504
ISSN-L : 1347-4448
22 巻, 5 号
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査読つき研究ノート
  • 真玉 修司
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 22 巻 5 号 p. 177-198
    発行日: 2023/10/25
    公開日: 2023/10/25
    [早期公開] 公開日: 2023/08/22
    ジャーナル フリー

    日本のトラック運送は、運送需要の低迷や低収益、トラックドライバーの高齢化や長時間・低賃金労働による低待遇のため持続性の危機にあると言われている。本研究では、トラック運送の危機を受けて、運送サプライチェーン関与者が、課題解決の本命とされるデジタル情報の活用をどのような観点で推進しているかを、インタビューを含む調査で明らかにする。調査の結果、デジタル情報活用推進は、危機に瀕しているトラック運送事業者の為というよりは発荷主・着荷主の運送効率化の為の活用推進となっていることが分かった。その背景には、運送を委託する荷主とトラック運送事業者間、及び運送を受け持つトラック運送事業者間の取引関係があることを明らかにした。

経営学輪講
  • 経営学輪講シリーズ「組織ルーチンはどのように創られ、維持され、変化するのか―Howard Grenville et al. (2016)」第3章
    菊地 宏樹
    2023 年 22 巻 5 号 p. 199-208
    発行日: 2023/10/25
    公開日: 2023/10/25
    [早期公開] 公開日: 2023/07/01
    ジャーナル フリー

    第3章はプロセス論的な観点をとるルーチン論についてプラグマティズムの概念を用いた新しい問題解決のモデルの構築を試みている。まず、従来のルーチン論について、プロセス論的な観点からとらえようとしたときに、①二元論、②組織化と学習についての不一致に基づいた理論、③時間的な問題、④ミクロ・マクロ問題という四つの障害があることを指摘している。そのうえで、プラグマティズムの概念のなかから習慣、探究、会話的なトランスアクションの三つを取り上げて、問題解決のプロセスに適用して、プロセス論的な観点に則った新しいアプローチを構築している。ただし、第2章においては、プロセス論的な観点を取り入れるときに必須の要素として、パターニングとパフォーミングを不可分なものとしてとらえるということが言われている。これはすなわち二つの行為の要素がそろってこそプロセス論的なルーチン論といえることを意味している。すると、第3章の議論は、パフォーミングのみを精緻化したものとしてとらえられることとなり、プロセス論的なルーチン論として不十分であり、さらなる理論的な発展を求められると考えられる。

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