本稿は、会社存亡の危機を乗り越えグローバル企業に成長した韓国サムスン電子の事例を取り上げ、その競争力向上の要因を人的資源管理の側面から検討したものである。事例分析の結果、それは、会社の戦略遂行に必要にして十分な人的資源の蓄積と、危機に向かって人的資源の再編成を可能にした組織能力であることが明らかになった。
本報告では、拡大する液晶関連市場の中でも日本企業が高いシェアを誇っている液晶部材に焦点を当てる。とりわけ、液晶部材企業が寡占構造をとり、液晶パネルメーカーに対して高い価格交渉力を発揮している原因と、液晶部材における企業間取引の特殊性について検討しつつ、今後の研究課題を取り出す。