本研究では、ある地方自治体の働き方改革における意思決定プロセスの事例分析を行う。Simonのモデルとゴミ箱モデルの統合的な視点により事例を分析した結果、下位組織が具体的な問題が発生する前に複数の選択機会を設定し、ある選択機会の意思決定の結果が次の選択機会に引き継がれていくような意思決定プロセスである「定期性のある選択機会の連鎖」を提示する。そして、この概念に基づき下位組織が意思決定プロセスを前に進めることで、一局面ではプロセスがあいまいな状況になりつつも、プロセス全体で見れば課題解決をしていることを明らかにする。