株式会社カクヤスは酒販業界において急成長を遂げているが、現在の成功の要因は、かつて流行したディスカウント販売による低価格ではなく、顧客へのサービスにある。本稿では酒販業界の現状と当社の沿革に触れつつ、当社の戦略形成過程と競争優位性について述べる。
本報告は、ASEAN拠点の戦略的活用の調査として、『赤門マネジメント・レビュー』3巻11号に掲載した「ASEAN拠点の戦略的活用(上)再生と再編」の続編である。今回の調査では、日系企業のASEAN拠点に部材料を供給する中小企業のASEAN展開にも焦点を当てた。ここでは積極的な海外展開を進める2社のケースを紹介する。2社には、二つの共通点がある。第一に顧客企業に歩調を合わせ、迅速に海外展開をしたこと、第二にASEAN拠点を戦略的に活用するために、国内マザー工場が開発と量産機能を保持し続け、海外拠点とうまく連携する仕組みを持っていること、である。国内マザー拠点とASEAN拠点の分業関係をいかに構築しているのかを基軸に、IではASEAN拠点の製品再現能力の構築、IIではASEAN拠点への迅速展開、を述べる。
オープンソース・ソフトウェアとは、ソフトウェアの設計情報(ソースコード)を公開して流通しているソフトウェアのことである。製品の設計情報の分析を行うことは、通常非常に難しい。しかしながら、オープンソース・ソフトウェアを題材に用いることにより、そのハードルを越えることができる。今回は、実際にアーキテクチャ指数というインデックスを定義してみることで、ソフトウェアがバージョンを経る毎にどのように変化したかを観察した。