前回の「ブランドづくりは人づくり㊤」では、企業のDNAを伝える仕組みを解説した。そのDNAとは、結局のところ創業者の信念であり、熱い思いだ。特に、その企業の歴史が長ければ長いほど、創業者の思いを伝える作業は困難を伴う。今回は、136年前にスイス・レマン湖のほとりで家内制手工業として創業し、今では世界最大の食品メーカーとなったネスレと、米国西海岸にありながら米資本主義的な企業経営とは一線を画したユニークなビジネスモデルで知られるアウトドアメーカー「パタゴニア」に焦点を当て、ブランドづくりと人づくりの関係を探る。