外傷に起因する腹壁ヘルニアの1例を経験したので報告する.症例は52歳,女性.平成18年6月交通事故で3カ月の入院加療を受けた.退院後より右側腹部の膨隆を自覚していたが平成19年3月頃より膨隆部の増大,疼痛が出現し当科受診した.腹部CTで右腸骨上前縁側腹壁に筋断裂および上行結腸の脱出を認め,同年10月外傷性腹壁ヘルニアの診断で手術を施行した.ヘルニア門の大きさは6×5cmと巨大で,内・外腹斜筋,腹横筋に断裂を認めた.これに対しPROLENE Soft
®を用いヘルニア修復術を施行した.術後は合併症なく退院し,現在術後14カ月再発なく経過良好である.
PROLENE Soft
®は従来のメッシュよりしなやかで装着部にフィットする.これにより異物感の軽減が可能であり本症例のような広範な欠損に対して有用と考えられた.
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