日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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25 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 山本 脩太郎, 藤原 公策, 伊藤 進午
    1963 年 25 巻 1 号 p. 1-3
    発行日: 1963/02/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    レプトスピラ病が広く分布するわが国においても北海道では, その発生がまだ報告されていない. この地方は, 気候風土の点では, すでに本病の存在が知られているスカンジナビア半島の諸国に似た条件下にあると思われるので, 本病の存在は, 十分考えられるところである. 一方, 北海道では馬の月盲症の存在が知られているが, レプトスピラの存在が証明されていないために, 月盲症のレプトスピラ病原説に疑義を唱える根拠の一つとなっている. 以上の理由から, この地方におけるレプトスピラ病の存在を調べる必要性を痛感した. 昭和29年9月札幌市の野犬13頭について, 腎臓中のレプトスピラの有無, および血中抗体の有無を検査した. その結果, 1頭の腎臓からレプトスピラを分離した. また12頭の血清に対して行なった Schuffner-Mochtar の反応で, 3頭の陽性例(いずれも1:10,000以上)を認めた. これらは血清反応上, 分離株も, 血清も, ともに L. canicola であった. なお分離株は, L. canicola の代表株である Utrecht IV 株との間に行なった Schuffner-Bohlander の吸収試験で同定された. 以上の成績から, 従来レプトスピラ病の存在が知られていなかった北海道にも L. canicola が存在することが, はじめて明らかとなった.
  • 友田 勇
    1963 年 25 巻 1 号 p. 5-19
    発行日: 1963/02/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    濾紙電気泳動法を家畜の臨床面に応用するための基礎的資料を得る目的から, 諸種の臨床検査の結果, 健康と判定した多数例の牛・馬・豚・緬羊・山羊・犬・猫および家兎について, 同一の泳動条件下に血清蛋白の濾紙電気泳動分析を実施した. その成績は, いずれも平均値をもって示した. この研究の前半においては, 健康家畜の血清蛋白の"正常値"に関して, 文献的考察を試みるとともに, 年令による変動を検討した. その結果, 幼若動物と成熟動物との間に差があることを認め, また同一種の中でも, 品種によって若干の差異がみられることを明らかにした. さらに後半では, 犬の"正常値"の概念を明確にするため, 発育および年令の増加にともなう血清蛋白の動態を精細に検討するとともに, 品種・性・飼養条件・日差・運動ならびに妊娠・分娩の影響について検索した. その結果,末梢血中の microfilaria が陰性で, 臨床上健康と認められる雑種犬多数の平均値を, 一応, 健康犬の"正常値"と見なして差支えないことを知った. 稿を終わるに当たり, 終始懇篤な御指導と御校閲を賜わった大越伸教授に衷心より謝意を表する. また, 実験遂行上, 絶大な援助をいただいた内科教室員各位に深謝する. さらに, 材料の採取に種々便宜を与えられた関係各位に厚く御礼申し上げる.
  • 越智 勇一, 内田 和夫
    1963 年 25 巻 1 号 p. 21-27
    発行日: 1963/02/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    子宮内膜炎の病因の究明について, 動物体側の因子を検討するため, 兎を用いて実験を行なったところ, 偽妊娠を起させた子宮では, 菌は増殖を起し易く, したがって内膜炎を起させるが, 菌の増殖は排卵直後においては起らず, 排卵後ある期間を経て増殖し易い状態となる. しかも黄体形成の数の多いものに発病が多い傾向が見られたが, しかし子宮内膜炎の発症要因が, すべてホルモンによってのみ影響されるものとは考え難く, 子宮は解剖学的に外界に密接な関連をもち, 外界に分布する非病原菌がほとんど常に存在し,子宮内膜炎を発現した時に多くの場合, 常在菌と思われる種のものが認められることから, 子宮内膜炎はいわゆる自発性感染病のカテゴリーに属する病気と考えられる.
  • 橋本 善之, 江口 保暢, 荒川 皓
    1963 年 25 巻 1 号 p. 29-32_1
    発行日: 1963/02/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    トラ(生後約3年の雄)では, 肛門皮線に接して, 肛門皮帯の両側に開口が存在する. 肛門を切開して, 1対のクルミ大(高さ3.0cm, 直径2.5cm)の嚢, すなわち肛門旁洞を採出することができた. 肛門への開口部は乳頭状を呈し, 中に排出管をいれ, 嚢内の洞に連なっている. 洞内には, 悪臭を放つ黄褐色濃厚な分泌液を満たしていた. 切片標本をみると, 乳頭内の排出管および肛門旁洞の内面は, 重層扁平上皮におおわれる. 排出管の壁では, 上皮の外側に薄い結合組織の層をはさんで, 厚い横紋筋層が存在する. 洞壁では, 上皮の外側に, 腺管を含む結合組織の層があり, その外側には厚い横紋筋層が存在する. 洞壁の結合組織中に存在する肛門嚢腺には, 2種類の腺, すなわち汗腺と脂腺が区別される. ネコでは, 肛門旁洞の壁に, 汗腺と著明な脂腺が認められる. イヌでは,肛門旁洞の壁に, 汗腺は認められるが, 脂腺は認められず. 脂腺は, 排出管のまわりに存在するに過ぎない. 肛門嚢腺を構成する2種類の腺の分布状況についていえば, トラはイヌと異なり, ネコに近い.
  • 古川 義宣, 池田 三義, 大久保 義夫
    1963 年 25 巻 1 号 p. 33-41
    発行日: 1963/02/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
  • 菅野 静馬, 井上 睦
    1963 年 25 巻 1 号 p. 43-52_2
    発行日: 1963/02/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
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