日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
Online ISSN : 1881-1442
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46 巻, 5 号
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  • 藤瀬 浩, 西川 祥子, 横山 英子, 小林 好作, 石橋 正彦
    1984 年 46 巻 5 号 p. 607-614
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ISラットと対照SDラットの, 加齢にともなう血漿アルカリホスファターゼ (ALP) 活性変化を測定するとともに, 血漿ALPの由来臓器を電気泳動と至適pHを用い検討した。両ラットとも血漿ALP活性は8週齢で最も高く, 加齢にしたがい急激に低下した。ISラットの8週および10週齢の活性は, それぞれSDラットの63%および66%であった。20週お上び30週齢でも同様の傾向はみられたがその差は明瞭ではなかった。SDラットの血漿電気泳動像には2本の泳動帯が観察され, 1本は小腸アイソザイム, 他は骨あるいけ肝アイソザイムもしくはその両者に一致していた。ISラットの血漿電気泳動像には1本の泳動帯が観察され, それは骨あるいは肝アイソザイムに類似しており, 小腸アイソザイムは検出されなかった。両ラットの小腸ALPの泳動帯は一致せず, この差が両ラットにおける血漿ALP活性および含有アイソザイムの差をもたらすと考えられた。他の臓器ALPでは, 両ラット間に差がなかった。ALP活性に対するpHの影響でも, ISラットの血漿ALPには小腸アイソザイムが含有されないことが支持された。
  • 吉川 尭, 吉川 博康, 小山田 敏文, 鈴木 和子
    1984 年 46 巻 5 号 p. 615-623
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    10例の馬 (3~35歳) の甲状腺に形成された結節性病変について病理組織学ならびに電子顕微鏡学的に検討した。組織学的には大小のコロイド濾胞の形成および充実性の細胞増殖巣からなり, これら各病巣の種々な量的分布により展開される腫瘍性病態 (濾胞性甲状腺腫) と解された。これら変化に加えて, C細胞の hyperplasia が観察された。C細胞は Sevier-Munger の銀染色およびグルタール・オスミウムニ重固定のトルイジン青染色において特有な微細顕粒を充満する胞体として染め出され, 電子顕微鏡的観察では特徴的な分泌穎粒を有する活性状態にある細胞として同定された。これらC細胞病態の組織発生に加えて, 従来, 馬の甲状腺の濾胞性腺腫とみなされていた病巣の中には, C細胞の過形成あるいは腫瘍性増殖も含まれている可能性が考察された。C細胞の過形成に関する原因は不明であるが, agingにともなう骨代謝変調の影響とともに, 過Ca 血症あるいはカルシトニンにある種の刺激物質の関与が考えられた。
  • 百渓 英一, 吉野 知男
    1984 年 46 巻 5 号 p. 625-631
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    わが国で初めて認められた牛の結核症とヨーネ病の混合感染症例4例について病理組織学的検索を行った。結核病変は肝臓, 腎臓, 肺, 腸間膜リンパ節など, 症例によって2ないし9臓器に認められた。結核症の単独感染病変との差は認められなかった。ヨーネ病病変は腸管と腸間膜リンパ節等に認められたが, 肉芽腫の拡がりは軽度ないし中等度で, 病変内の小型抗酸菌の数は一般に小ないし中等量であった。2例の腸間膜リンパ節には結核およびヨーネ病の2種の肉芽腫が混在していた。免疫学的, 病理学的背景に大きな差を有する結核菌とヨーネ菌が同一組織内に各々の病変を形成した所見は, 両肉芽腫性炎の病理発生を考える上できわめで興味深い。本例の病変と単独感染例の病変との間に著しい差異は認められなかった。
  • 金 徳煥, 小野 憲一郎, 長谷川 篤彦, 友田 勇
    1984 年 46 巻 5 号 p. 633-639
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    アミロイド症の牛10例の腎臓についてコンゴーレッド染色を行ない, 偏光ならびに蛍光顕微鏡で検索した。アミロイド沈着はいずれも糸球体では重度で, 髄質部では軽度ないし中等度であった。電顕的に, 本アミロイド線維はメサンギウム基質 (10/10例), 糸球体基底膜 (7/10例), 糸球体内皮細胞下 (7/10例), 糸球体上皮細胞下 (2/10例), Bowman嚢の基底膜 (3/10例)および基底膜と上皮細胞との間 (1/10例)に認められた。全例 (10/10例)でBowman腔にも遊離アミロイド線維が検出された。糸球体基底膜およびメサンギウム基質からBowman腔にアミロイド線維の束状配列が各1例に認められた。また, 髄質部間質組織の線維芽細胞周囲 (9/10例), 尿細管基底膜 (2/10例), 尿細管上皮細胞下 (2/10例)および毛細血管周囲 (3/10例)にもアミロイド線維が存在していたが, 尿細管腔には認められなかった。
  • 久米 勝巳, 中井 豊次, 津田 章
    1984 年 46 巻 5 号 p. 641-647
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    外見上健康な豚の鼻腔から H. pleuropneumoniae (Hpn) の分離を試みた。Hpnは, S寒天培地上で, iridescence を有する特徴的な集落を形成した。本特性を指標に, 日本各地の87農場で飼育中の619頭の健康豚の鼻腔から計293株 (47.3%) のHpnが分離された。本菌は, 調査全農場の異なった週齢の豚に存在 (20%~100%) し, 分離菌は, すべて血清型2に属した。したがって, Hpnは, 不顕性感染豚の上部気道に常存し, かつ, その頻度はきわめて高率であった。本菌が鼻腔から分離された大部分の豚では, 補体結合 (CF) 抗体の上昇が認められ, 保菌と抗体保有は相関しており, CF試験で保菌状況を推定しうることが示唆された。
  • 東原 朋子, 見上 彪, 大橋 和彦, 児玉 洋, 小沼 操, 伊澤 久夫
    1984 年 46 巻 5 号 p. 649-658
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    MSB1細胞をはじめとするマレック病 (MD) 腫瘍由来株化細胞の表面抗原の解析のため, マウス骨髄腫細胞と, MSB1細胞で免疫したマウスの脾細胞とを融合させて単クローン性抗体を作出した。MD腫瘍付随表面抗原 (MATSA) に対する抗体を分泌する3種類の融合細胞を選択し,その性状について検討を行なった。これらの融合細胞由来の抗体はIgG1型であり, MSB1細胞を用いて膜螢光抗体法で求めた抗体価は培養上清で 52-53, マウス腹水で55-57であった。これらの抗体のうち1種 (2B9) は MSB1細胞のMATSAに特異的であったが他の2種 (2D5,2D8) はMSB1細胞だけではなく, 他のMD腫瘍由来株化細胞とも反応した。これらの抗体はまた, 野外淘汰鶏由来のMD腫瘍細胞とも反応したが, MATSA陽性細胞の出現率は5-34%とさまざまであった。これらの抗体は正常鶏のリンパ組織, MDウイルス (MDV)接種鶏腎培養細胞, MDV接種ウズラ腔線維芽細胞, 1日齢鶏および成鶏の赤血球とは反応せず, さらに, 牛, 羊, 馬の赤血球とも反応しなかった。これらの抗体のMSB1細胞ならびにMD腫瘍細胞に対する特異性は吸収試験で確認された。また, これらの抗体のMSB1細胞に対する反応性は同一の抗体による細胞の処理で阻止されたが, 他の抗体では阻止されなかった。
  • 鈴木 孝司
    1984 年 46 巻 5 号 p. 659-667
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ウシ (ホルスタイン種) 4頭の頭部に総頸動脈から赤色澱粉あるいはラテックスを注入し, 10%ホルマリンで固定したのち, 吉川らの咬筋層分化説にしたがって咬筋の各筋層の動脈分布を肉眼的に観察した。ウシの咬筋に分布する動脈または動脈枝は, 顔面動脈と外頸動脈の咬筋枝, 顔面横動脈, 咬筋動脈および頬動脈であり, イヌ, ネコ, カニクイザルおよびウマの咬筋に分布する動脈または動脈枝と本質的に同じであった。しかしながら, これらの動脈または動脈枝と咬筋の各筋層は動物によってその発達を異にするので, 動脈または動脈枝と咬筋の各筋層との相互関係は動物によってやや異なっていた。ウシの咬筋の各筋層にはつぎの動脈からおこる咬筋枝および動脈が分布していた。1) 表層筋第1層, 表層筋第2層および中間層筋には顔面動脈と外頸動脈の咬筋枝, 顔面横動脈, 咬筋動脈および頬動脈が分布。2) 深層筋前部には咬筋動脈のみが分布。3) 深層筋後部には咬筋動脈と顔面横動脈が分布。4) 上顎下顎筋先駆層には咬筋動脈, 顔面横動脈および頬動脈が分布。5) 上顎下顎筋第1層と第2層および頬骨下顎筋には咬筋動脈と頬動脈が分布。
  • 伊藤 治, 佐々木 英治, 花木 琢磨
    1984 年 46 巻 5 号 p. 669-675
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    牛ウイルス性下痢-粘膜病(BVD-MD)ウイルスの非細胞病原性 (NCP) No.12株感染牛から得た一連の血清中の中和抗体価を, セミマイクロのリバースプラーク形成 (RPF) 法とEND法で比較測定した。セミマイクロRPF法で測定された中和抗体価はEND法で測定された中和抗体価に比べ8倍高い値を示した。日本で分離された3株と米国で分離された2株間の抗原性の差を交差中和試験で調べると, 日本の3株間には各抗血清中和抗体価で2倍を超える差は認められなかったが, 米国の株と日本の株間にはいくつかの組み合わせで8倍以上の差が認められた。中和反応速度試験においても, 日本で分離されたBVD-MDウイノレスの3NCP株間に近縁性が確認され, 米国の2株は, 日本の3株と多くの組み合わせにおいて抗原性に差が存在した。さらに, 米国の2株は相互に多少の差のあることが明らかとなった。
  • 山田 豊, 河合 康夫, 渡辺 昭三
    1984 年 46 巻 5 号 p. 677-685
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    豚に妊馬血清性性腺刺激ホルモン(PMS) 12IU/kgを筋肉内注射後72時間にヒト絨手性性腺刺激ホルモン(HCG) 6IU/kgを筋肉内注射して, 経時的に排卵の有無を観察するとともに, 頚静脈血中, 卵巣静脈血中あるいは卵胞液中のステロイドホルモンおよびプロスタグランジン (PG) の動態を検討した。また,プロスタグランジン生合成酵素阻害剤を用いて, 排卵抑制効果を検討した。排卵はHCG注射後32~48時間の間に起るものと推察され, progestererone値(P)は当初低く, 排卵前後著明に増加した。estradiol-17β値(E)および testosterone値(T)は, HCG処置(排卵)前には高く, 排卵過程の進行につれて低下し, 排卵後は低値を示した。卵巣静脈血中のPGF2α値, 卵胞液中のPGE1, PGF および 6-ケト-PGF 値は, いずれもHCG注射後, 排卵が近づくと急激に上昇した。PMS-HCG注射後24時間にインドメタシンを注射した場合, 用量に応じて排卵が抑制された。その際の頚静脈血中の P, E測定値は, 正常排卵群とほぼ同じレベルで推移したが, 卵胞液中のPG値は低値であった。以上の結果から, PG産生が豚の排卵と密接な関係にあることが推察された。
  • 佐藤 輝夫
    1984 年 46 巻 5 号 p. 687-692
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    乳牛でインドシアニングリーン異物排世試験を実施し, その有用性を証明する次の結果が得られた。1) インドシアニングリーン色素の最大吸収は約805nmに見られた。2) 未経産牛で体重1kg当り 0.2~0.75mgのインドシアニングリーン色素を投与したが血漿クリアランスに有意差はみられなかった。3) 未経産牛および泌乳牛ではインドシアニングリーンは静脈注射後2~8分間指数関数的に減少した。4) インドシアニングリーン注射による副作用は観察されなかった。
  • 金 徳煥, 小野 憲一郎, 長谷川 篤彦, 友田 勇
    1984 年 46 巻 5 号 p. 693-696
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    牛の腎臓からアミロイド物質を抽出し, その形状を検索した。アミロイド物質には幅約2~2.3 nmの原線維からなるサブユニット構造を有するアミロイド線維が見出された。本線維の幅は13 nm (8~18 nm)で, 未分枝で周期性はなかった。また, アミロイド線維のほかに, 外径10 nm, 内径5 nmのドーナツ状あるいは環状のアミロイド P-成分も見出された。
  • 平野 雅裕, 真板 敬三, 白須 泰彦
    1984 年 46 巻 5 号 p. 697-704
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    雄マウス精細胞に対するN-nitroso-ethylenethiourea (N-nitroso-ETU) の作用を, 精細胞分布の準定量的測定を含め, 経時的に検索した。200mg/kg の N-nitroso-ETUを単一経口投与し, 4~49日後に調べると, 精巣重量は, 投与後21日まで漸次減少し, その後回復した。組織学的検索では, 精原細胞, 精母細胞, 精子細胞, 精巣内精子などの各精細胞が, それぞれ, 投与後4, 14, 21, 28日に最低の出現頻度を示した。投与後35日には, 精巣上体管内精子の一時的な欠如が認められた。以上の結果から, N-nitroso-ETUは選択的に精原細胞に作用し, 一時的な精子欠如ないし乏精子症を起こすことがわかった。
  • 八木橋 武, 布谷 鉄夫, 三井 正朗, 田島 正典
    1984 年 46 巻 5 号 p. 705-713
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    豚の Haemophilus pleuropneuntoniae による肺炎における Mycoplasma hyopneumoniae 感染の影響を解明するため, M. hyopneumoniae (107) を鼻腔内接種後16日に H. pleuropneuntoniae (105) を同径路から接種した豚 (MH豚) と, それぞれの菌を単独接種した豚 (MおよびH豚) との病態を比較した。MH豚の1頭がヘモフィルス接種後3日に死亡し, 壊死性, 出血性, 繊維素性胸膜肺炎を呈した。MH豚はH豚に比べ強い症状を示し, マイコプラズマ接種後35日の剖検で壊死性結節を含む慢性型肺病変と胸膜炎が認められ, その程度はH豚に比べより強かった。MH豚の肺以外の部位における両菌の増殖は, H豚あるいはM豚のそれに比べ高度であった。これらの結果から先行した M. hyopneumoniae の感染によって, 豚のヘモフィルス胸膜肺炎が増悪されることが示唆された。肺病変の強さと H. pleuropneuntoniae に対する抗体力価との間には相関は認められなかった。
  • 植村 興, 前川 健郎, 阪口 玄二
    1984 年 46 巻 5 号 p. 715-720
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    4~7日間培養の Vero細胞とウエルシュ菌エンテロトキシンを 37℃で60分間作用させた後ニグロシンで染色したところ, Vero細胞の染色率と25~400 ng/mlのエンテロトキシンの対数値との間に, 直線に近い関係が得られた。培養上清を被検液とした場合, 供試菌8株中3株は培養上清中にエンテロトキシン以外に Vero細胞のニグロシン染色率を高める因子を産生し, しかもこの因子の作用は抗エンテロトキシン血清で中和されなかった。培養上清を緩衝液で1:10以下に希釈すると, この因子の影響は除かれた。以上の結果, (1) Vero細胞を用いて25 ng/ml以上の濃度の高純度のエンテロトキシンの生物活性が簡易に短時間に高精度で定量できる, (2) ウエルシュ菌の培養上清原液を被検液とすることは不適当である, (3) 培養上清を希釈して被検液とする場合は, 陽性反応が抗エンテロトキシン血清で中和されることの確認が必須である, ことが明らかになった。
  • 中島 良平, 金子 賢一, 橋本 信夫
    1984 年 46 巻 5 号 p. 721-727
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    Yersinia enterocolitica O3菌の非経口感染に対する血中抗体の防御効果ならびに本菌の腸管定着阻止における細胞性免疫の関与を検討した。生菌あるいは死菌で経口免疫されたマウスに本菌を腹腔内攻撃接種すると血中抗体価の急激な上昇とともに脾臓および肝臓における菌数の著明な減少が観察された。また, あらかじめ死菌を皮下接種して血中抗体価を高めたマウスに本菌を腹腔内に攻撃接種したところ, 糞便への排菌が阻止された。すなわち, これら非経口感染防御に血中抗体が関与すると推察された。C57BL/6マウスを用いて免疫細胞の移入実験を試みた。O3生菌で免疫されたマウス由来の脾臓細胞を recipientマウスに移入しておくと, O3菌胃内攻撃接種後の排菌期間が短縮された。また免疫マウスの腸間膜リンパ節細胞を移入した場合も同様の成績が得られた。すなわち本菌の腸管定着阻止に細胞性免疫の関与することが示唆された。
  • 後藤 仁, 内田 英二, 一条 茂, 清水 亀平次, 諸星 康雄, 中野 健司
    1984 年 46 巻 5 号 p. 729-731
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    イヌ・パルボウイルスをSPFネコに実験的に接種し, ウイルス増殖と血中抗体上昇の関係を検討した。ウイルス接種後3~5日では血中抗体価が低値を示したのに反し, 回収されたウイルス価は骨髄と腸管で最も高く, 肝, 脾, 腸間膜リンパ節および胸腺では中等度, 肺では比較的低かった。これに対して, 血中抗体価が高値を示した接種後7~11日では, すべての臓器でウイルス分離は陰性であった。
  • 竹内 実, 鈴木 伊豆美, 柴田 浩, 佐藤 昭夫
    1984 年 46 巻 5 号 p. 733-736
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    C57BL/6マウスにおけるMC-1同系腫瘍の増殖について軟X線 100~2000 R照射の影響を検討した。厚さ10 mmのアクリルフィルターを用いて軟X線を1000 R以上照射することにより, 腫瘍増殖の有意の抑制と平均生存日数の延長が認められ, また, 600 R以上照射により明確な効果が組織学的にも認められた。
  • 原澤 亮, 小谷 均, シュムル レジン, 輿水 馨
    1984 年 46 巻 5 号 p. 737-740
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    各種動物由来ウレアプラズマの染色体DNAを制限酵素で消化してその電気泳動像を検討したところ, 各種動物由来ウレアプラズマは, それぞれ固有の泳動像を呈した。チンパンジー, マーモセット, ヒツジ, ヤギ, イヌ, ネコ, ニワトリ由来株は, ウシおよびヒト由来株とは区別された。また, ヒト由来株の染色体にメチル化シトシンを検出した。
  • 谷山 弘行, 一条 茂, 小野 威
    1984 年 46 巻 5 号 p. 741-744
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    日本においてはヒツジのスクレピーの発生はこれまで報告されていないが, 著者らは1982年, 激しい掻痔, 脱毛, 運動失調, 強度の栄養不良を示した3頭のヒツジを病理組織学的に検索する機会を得た。その結果, 中枢神経系とくに中脳, 橋, 延髄ならびに脊髄に認めた神経細胞の空胞変性と灰白質の海綿状態を主徴とする組織像は過去に報告されてきたヒツジのスクレピーのそれに一致するものであった。
  • 樋口 誠一, 川村 清市, 花松 憲光, 安田 純夫
    1984 年 46 巻 5 号 p. 745-748
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    Theileria sergenti 人工感染牛の脾臓血と骨髄血の電子顕微鏡学的観察の結果, 他のTheileria種でこれまでに認められている構造のほか, 従来報告のないミトコンドリア様の二重膜構造を有する小体, および排泄作用と考えられる小管が認められた。また, 細胞口に囲まれた部分の電子密度は赤血球細胞質と同一であった。このことから, 虫体は細胞口による食物の取り込みと, 小管による排泄の作用を有することが示唆された。
  • 辧野 義己, 光岡 知足
    1984 年 46 巻 5 号 p. 749-752
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    豚89頭に見出された93膿瘍から Bacteroides の3新菌種 (B. pyogenes, B. suis, B. helcogenes ) の分離を行った。これら3新菌種は54膿瘍から分離され, そのうち B. pyogenes (75.8%) とB. suis (66.7%) が最もよく分離された。さらに B. pyogenes と B. suis が同時に分離される膿瘍は37%に達した。
  • 勝田 新一郎, 田場 典治, 知見 憲次
    1984 年 46 巻 5 号 p. 753-756
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    麻痺性貝毒 gonyautoxins をウサギに投与すると, 一過性の血圧下降, 心電図の P-R および QRS間隔の延長, 発作性心室頻拍, 心室細動および心室粗動などの循環系の異常所見が現われた。同様の結果は, 両側の迷走神経を切断した動物においても認められた。
  • 平野 紀夫, 小野 勝彦, 後藤 直彰
    1984 年 46 巻 5 号 p. 757-760
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    DBT細胞にMHV-2, MHV-3株を接種し, 持続感染系を樹立した・両感染系はウイルス抗原陽性で, 親ウイルス株に比しマウス病原性の低い小型プラック変異ウイルスを産生し, 感染は小数の感受性細胞内で持続されていた。
  • 柳井 徳麿, 工藤 和男, 真鍋 淳, 松沼 尚史
    1984 年 46 巻 5 号 p. 761-765
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    58週齢以上のB6C3F1マウスの脳に認められた鉱物質沈着症の加齢に伴う発生頻度, 病理組織学的および電顕的特徴について検討した。発生頻度と程度は加齢に伴って増強する傾向を示した。沈着巣は視床の小血管壁に認められ, 形と大きさは種々で, von Kossa染色で陽性を示した。電顕的には小血管の肥厚した基底膜に高電子密度の物質が沈着していた。
  • 杉山 誠, 源 宣之, 金城 俊夫, 橋本 晃
    1984 年 46 巻 5 号 p. 767-769
    発行日: 1984/10/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    免疫粘着赤血球凝集反応を用いて, 犬におけるロタウイルスに対する抗体調査を行った。578頭中129頭 (22.3%) が1 : 8以上の抗体価を示した。そのうち, 飼育犬の抗体陽性率は放浪犬より明らかに高く, しかも飼育犬では牛ロタウイルスよりヒトロタウイルスに対する抗体陽性率が明らかに高かった。
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