日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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25 巻, 6 号
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  • 稲田 七郎, 菅野 茂, 茨木 弟介
    1963 年 25 巻 6 号 p. 327-336_4
    発行日: 1963/12/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    神経-筋系の機能を系統的に分析し, 併せて神経-筋系に起る各種の疾患の診断, 予後の判定等に筋電図法を応用するための基礎的な知見を拡充する目的で, 従来, 犬に関しては系統的な報告を欠いている中枢神経系と全く連絡を断たれた脱神経筋に現れる異常筋電図を分析した. 即ち, N.femoralis を切除し(20~25mm), 切除翌日から約3週間に亘って, 脱神経された M. quadriceps femoris (主として, M. vastus lateralis) について, 同心型針電極誘導(1/4皮下針使用, 100ミクロン1心)と, 銀針(先端から3mm絶縁剥離)2本を使用した単極誘導(電極・間距離1cm)とによって, 脱神経後に現れる異常筋電図を検索し, 次の結果を得た. (1) 脱神経筋から誘導される異常筋電図の放電パターンは, 脱神経後の経過日数によって変化した. 即ち, 最初の4日間はいわゆる electrical silence であったが, 5日には, 繰返して放電する性質が極めて弱い散発性の放電が出現した. 次いで, 放電の密度は日を追って急激に増強し, 1週の終り頃に, 観察の全期間中で最高の放電密度を示し, その後, 放電密度は逆に漸減した. また, 脱神経筋の放電は, 電極挿入後暫く時間を経過する間に, 常にその密度を漸減 attenuation したが, 電極挿入後約3分を経過する間に, 激しい attenuation は殆んど止み, その後, 略々定常な放電が残留した(脱神経後5~6日以降). (2) 脱神経筋表面の軽い叩打, アセチルコリン或はネオスチグミンの投与は, 脱神経筋に放電を誘起し或は放電を増強した. また, アセチルコリン或はネオスチグミンの投与によって, 周期的に規則正しい間隔で反復する放電が現れた. 叩打或はアセチルコリンの投与で誘起される脱神経筋の放電の増加は, 1週の終り頃が最も顕著であった. (3) d-ツボクラリンの投与は, 脱神経筋の放電を全て消失させた. (4) 脱神経筋から最も頻繁に誘導される単一スパイク放電の波形は, 2~3相性で, motor unit potential に比べて, 振幅では両者間に著差を認め難かったが, 持続が著しく短縮している点が特徴的であった. このスパイク放電の放電間隔時系列は, 3型に大別された. また, 一連の長い系列を構成する部分系列が, 必ずしも全部同じ型に属ずるものであるとは限らなかった. (5) 観察の全期間中, 多相性のスパイク放電は, 単一な放電波形としては誘導されなかった.(6) 病理組織学的検査では, 脱神経筋の筋線維全般に著明な萎縮を認めたが, 変性像は全く観察されなかった. 以上の結果について, 特に筋電図学的な立場から考察を行なった.
  • 国安 主税, 渡辺 正太
    1963 年 25 巻 6 号 p. 337-346
    発行日: 1963/12/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
  • 中谷 洋一, 五島 治郎
    1963 年 25 巻 6 号 p. 347-353
    発行日: 1963/12/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    白色レグホン種の70~90日令の雄に, クロールプロマジン(CPZと略す)を20mg/kg投与し, 血糖, 血中乳酸, 肝グリコーゲン, 筋グリコーゲンおよび体温を測定して, 次のような結果を得た. 1) 18時間飢餓鶏を保定して, CPZ を投与したときは, 血糖はやや減少し, 血中乳酸はやや増加する傾向を示したが, いずれも統計学的に有意とはいえなかった.体温はCPZ投与後, 徐々に降下した. 2) 18時間飢餓鶏を保定することなしに, CPZ を投与したときは, 血糖はやや減少し, 肝グリコーゲンも, 筋グリコーゲンも, わずかに増加したが, いずれも統計学的に有意ではなかった. 血中乳酸は, CPZ投与後15分で減少し, その後はほぼその水準を維持した. 3) 正常鶏に CPZ を投与すると, 血糖は10分および30分後に, 統計学的に有意な減少を示した. 肝グリコーゲンは10分後に, 統計学的に有意な増加を示し, その後徐々に減少した. 血中乳酸および筋グリコーゲンは, 20分後に軽度の増加を示したが, 統計学的に有意ではなかった. 本研究を遂行するにあたり, 終始, 鞭撻および助言を賜わった東京大学教授大久保義夫先生に深く感謝申し上げる.
  • 牛見 忠蔵, 吉田 信行
    1963 年 25 巻 6 号 p. 355-361
    発行日: 1963/12/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
  • 久葉 昇, 小野 豊, 福島 豊一
    1963 年 25 巻 6 号 p. 363-374_2
    発行日: 1963/12/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    西日本の一部地方に, ウシのくわず病またはくいやみ病と俗称されている地域性栄養障害が発生していることは, 古くから知られている. 本病は, (1) 飼料および土壌中のコバルト含量が少ないこと, (2) 一定地区にのみ限定して発生すること, (3) 罹患したウシ(自然および実験例とも)を他の健康地帯に移動すること, さらに (4) 塩化コバルトの微量を経口投与すると, 数日にして食欲が増進し, 貧血その他の症状が急速に転快となることから, コバルトの欠乏症とみなされていた. 著者らは, このたび, 本病が諸外国において報告されているウシのコバルト欠乏症に一致するかどうかを究明する目的で, 本病の病理学的研究を行なった. その結果, 従来の諸家の知見にほぼ一致する所見を得, 本病がウシのコバルト欠乏症にほかならないことを明らかにしたのみならず, さらに新知見を追加し得た. 本病は, 全身の臓器および組織の高度の萎縮, 脾の著名な血鉄症, 脾小体の萎縮, 消失, 肝細胞の荒廃, 高度の脂肪変性およびグリコーゲン顆粒の減少または消失, 副腎皮質における高度の脂肪変性, 精巣の造精機能減退を特徴とする, 血液検査では, 小赤血球性貧血, 赤血球の大小不同, または変形赤血球の出現が認められる. とくに興味ある知見は, 各前胃粘膜の色素顆粒の減少または消失である. この事実の解明のためには, 内分泌学的, 組織化学的の研究を要するものと考えられる. さらに著者らは, くわず病の症状が出現してから, 塩化コバルトを毎日60mgずつ291日間経口投与したもの(牛E2号)において, 病理学的に明らかに中毒の所見が認められたことを特筆したい. なおビタミンB12を毎日500~600γずつ110日間, 筋肉内に注射し, 引き続いて塩化コバルトを毎日40mgずつ98日間, 経口投与したもの(牛E1号)においても, 病理学的に経度の中毒所見が認められた.
  • 一色 於菟四郎
    1963 年 25 巻 6 号 p. 375-385
    発行日: 1963/12/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
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