日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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46 巻, 2 号
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  • 宮前 武雄
    1984 年 46 巻 2 号 p. 133-139
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    5種の感染抑制処置を施したマウス群にセンダイウイルスの直接あるいは接触による経鼻感染を試み, 呼吸器, とくに鼻粘膜組織の感染を免疫螢光法によるウイルス抗原の追跡で観察した。interferon, poly I : Cの経鼻投与群は鼻粘膜のウイルス抗原保有細胞数の減少と血清HI抗体産生の遅延をもたらし, 後者では接触による下部気道の感染を抑制した。alginate adjuvant 加UVワクチンの経皮投与群と ether不活化ワクチンの経鼻投群では鼻粘膜を接触感染から防御できなかったが, 前者は肺の感染を強く阻止した。UV不活化ワクチンの6回経鼻投与は全呼吸器を接触感染から強く防御した。これら3種ワクチンの各接種群の直接経鼻攻撃と前2者ワクチン接種2群の接触感染ではワクチン非投与対照と同様, それぞれ感染後5日お上び10日までに鼻粘膜組織のウイルス抗原保有細胞は急増し, 以後, 激減した。気管と肺は感染率では該マウス群間に差を見なかったが, 直接, 接触の各感染と実験で, それぞれ, 感染後7日および12日に血清HI抗体が陽転, もしくは急上昇するともに抗原保有細胞は急速に消失した。
  • 澤田 章, 中井 豊次, 辻 正義, 久米 勝巳
    1984 年 46 巻 2 号 p. 141-148
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    わが国で分離された241株の豚由来 Pasteurella multocida (Pm) のモルモットに対する皮膚壊死毒素 (DNT) 産生能を調べたところ, 62株 (25.7%) がDNT産生 (DNT+) 株であった。DNT+のうち, 61株は健康または死亡豚の鼻腔内から分離されたが, 肺炎病巣からはわずかに1株が分離されたにとどまった。DNT+株はすべて莢膜血清型Dに属し, DNT産生能以外の生物学的性状にはDNT非産生 (DNT-) 株との間に差異は認められなかった。豚における萎縮性鼻炎(AR)の発症と分離Pm菌株のDNT産生能との間に相関は認められなかった。AR症状はPmと同時にBordatella branchiseptica(Bb)が分離された。豚の約70%で認められたが, Bb分離陰性でかつPm分離陽性の豚でのAR発症率は19%以下であった。また, 市販ARワクチン注射豚では顕著なAR発症予防効果が認められたが, ARワクチン未注射豚におけるARの発症率は92%であった。
  • 高橋 敏雄, 沢田 拓士, 高木 昌美, 瀬戸 健次, 神崎 政子, 丸山 務
    1984 年 46 巻 2 号 p. 149-153
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    1980~1982年の間に屠場豚の慢性型豚丹毒例から分離された豚丹毒菌258株の血清型を調べた。関節炎またはリンパ節炎例由来213株では, 1a型, 1b型, 2型, 6型お上び11型 (それぞれ12.2%, 7.5%, 71.4%, 3.3%, および2.3%) が多くみられた。3型, 5型, 8型, 21型およびN型は合計3.3%であった。心内膜炎例由来30株では, 3株は1a型, 2株は1b型で, 残りの25株が2型に属した。じん麻疹例由来15株では, 14株が2型に属し, 1株は5型であった。
  • 小俣 吉孝, 桜井 治久, 出雲 章久, 斎藤 篤志, 鈴木 直義
    1984 年 46 巻 2 号 p. 155-165
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    Balb/cマウスにトキソプラズマ (Tp) 強毒RH株を腹腔内接種し, 接種後120時間までの血清および一部の腹水についてインターフェロン (IFN) 活性を測定した。IFNはTp接種後24時間にのみ検出された。弱毒S-273株腹腔内接種マウスでも, 同様の結果が得られ, このIFNは regular (α+β)-IFN と推定された。一方, Tp弱毒株接種後2週にTp溶解抗原 (TLA, 100μg) を腹腔内投与し, 6および24時間後の血清中IFNを測定すると, 6時間に高いγ-IFNが検出された。ついで,正常およびTp 慢性感染マウスにTLAを腹腔内投与し血清中IFNおよびTp増殖抑制因子 (Toxo-GIF) 活性を測定した。感作マウス血清ではγ-IFNが投与後6時間に, Toxo-GIF活性が24時間に最高値を示し, 蛋白分子量4~7方の分画中に検出された。 正常マウス血清では投与後24時間にregular-IFNが検出されたが, Toxo-GIF活性は認められなかった。正常マウスおよびTp慢性マウス脾臓細胞をTLAあるいは poly I:Cとともに培養した上清を同様に測定したところ, Tp慢性マウスの培養上清中には, 強いγ-IFNとToxo-GIFが蛋白分子量5.5~7万の分画中に検出された。一方, 正常マウスのTLA培養上清では, IFNおよびToxo-GIF活性は認められなかったが, poly I:C培養上清中にはregular-IFNが検出された。対照として用いたL-929細胞のpoly I:C培養上清中にもregular-IFNが蛋白分子量2.4~7万の分画中に認められた。
  • 高橋 秀之
    1984 年 46 巻 2 号 p. 167-173
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    去勢雄仔豚を常温環境 (22℃, 相対湿度60%) あるいは寒冷環境 (2℃, 相対湿度60%) において第1, 4および7日にアルギニンを静脈内投与し, 血漿インスリン, グルカゴン, 11-ハイドロキシコルチコステロイド (11-OHCS) およびグルコースの濃度を観察した。常温環境では投与5分後に血漿インスリンが一過性に上昇して17μU/ml (基礎レペル8μU/ml)となり, 血漿グルカゴンも上昇して253 Pg/ml (基礎レペル122 pg/ml) となった。寒冷環境では, アルギニンに対するインスリン, グルカゴンの分泌反応は常温環境におけるよりも増強された。血漿11-OHCSの常温環境下でのアルギニン投与前の値は6.5μg/m1であった。寒冷暴露により, 11-OHCS値は上昇し, 曝暴露第4日 (11.9μg/dl) および7日 (9.4μg/dl) の値は常温環境のそれにくらべて有意に高かった。アルギニン投与により, 常温環境では血漿11-OHCS値は投与直後に一時減少し, 血漿グルコース濃度も投与15分後には低下したが, 寒冷環境下ではこれよりさらに低い値を示した。このような仔豚の寒冷環境におけるアルギニン投与に対するインスリン上昇反応はめん羊のそれとは異なる所見であった。
  • 井上 玲, 山本 孝史, 平野 紀夫, 村上 敏明
    1984 年 46 巻 2 号 p. 175-180
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    1974~1982年に豚から分離された岩手大学農学部家畜微生物学教室 / 1O9株 (日本; 105株, 韓国; 2株, 台湾;2株) の血清型別を行なうとともに, 21種類の化学療法剤に対する感受性を寒天平板希釈法によって測定した。血清型別の結果, 105株が2型, 2株が3型, 残りの2株が5型であった。このうち107株はペニシリン系薬剤 (ペニシリンG, アンピシリンおよびメシリナム), クロラムフェニコール, テトラサイクリン系薬剤 (オキシおよびクロルテトラサイクリン), リファムピシン, トリメトプリム, およびフラゾリドンに高度に感受性であり, セファレキシンとコリスチンにはそれに準ずる感受性を示した。一方, アミノ配糖体系薬剤 (ストレプトマイシン, カナマイシン, フラジオマイシンおよびゲンタマイシン) とマクロライド系薬剤 (エリスロマイシンとタイロシン), スルファモノメトキシン, およびナリジクス酸に対する感受性は低かった。残りの2株は薬剤耐性株であった。Hp 1株は1974年に日本で分離された3型の株で, ペニシリン系, テトラサイクリン系, ストレプトマイシン, およびサルファ剤に耐性, また966株は1974年に台湾で分離された5型の株で, ストレプトマイシン, おびサルファ剤に耐性であった。2型の株105株は全て感受性株であり, またこの期間中に H. pleuropneumoniae の各種薬剤に対する最小発育阻止濃度(MIC)の上昇は認められなかった。
  • 下田 耕治, 前島 一淑, 関崎 勉, 寺門 誠致
    1984 年 46 巻 2 号 p. 181-187
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    実験動物由来薬剤感受性大腸菌21株中17株は1~9種の cryptic プラスミドを有していた。これらのcrypticプラスミドがRプラスミド化するかどうか確めるため, 非伝達性プラスミドpMK1::Tn2602 (ColE1::Tn5::Tn2602, Km・Ap耐性) を複数のcrypticプラスミドを有するマウス由来株E916ヘ導入して得られた transformant E916 (pMK1::Tn2602) を供与菌とし, 大腸菌K-12株を受容菌として接合伝達試験を行なうと, Km耐性 transconjugantおよび Ap耐性 transconjugantがそれぞれ10-9および10-6の頻度で分離された。Km耐性transconjugantから分子量29.5Mdalの伝達性Rプラスミドが, Ap耐性transconjugantから29 Mdalの伝達性Rプラスミドが検出された。DNA解析の結果, これらのRプラスミドは, E916に存在する26 MdalのcrypticブラスミドとKm transposon (Tn5) あるいはAp transposon (Tn2602) のどちらか一方とからなるプラスミドであることがわかった。これらは他の腸内細菌科の菌ヘ伝達可能であり, またin vivoの伝達も観察された。
  • 昆 泰寛, 橋本 善春, 北川 浩, 工藤 規雄
    1984 年 46 巻 2 号 p. 189-196
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ニワトリ腎臓における糸球体傍細胞 (JG cell) の形態とその分布とを個体発生的に観察した。JG cellは平均径約350 nmの微細穎粒および平滑筋筋原線維様構造物を有しており, その出現部位によりつぎの3型に区分された。1) A型: 糸球体細動脈壁に存在, 2) V型: 血管極近傍に存在, 3) M型: 血管間膜領域内に存在。これら3型JG cellの顆粒には形態的差異は認められなかったが, まれにM型 JG cell で糸球体基底膜との接触が不明瞭であるものや, 筋原線維様構造物をほとんど含まないものが認められた。個体発生的に, JG cellは孵卵19日齢から観察され, その出現頻度は時化後1日齢まで増加したが, 冊化後2日齢で急激な減少を示し, それ以降は徐々に増加した。孵化後のA, VおよびM型JG cellの出現傾向についてみると, 加齢どともにA型JG cellを有する糸球体の割合が減少したのに対し, M型JG cel1を有する糸球体の割合は増加する傾向を示した。V型JG cellを有する糸球体の割合はほぼ一定の値で推移した。
  • 韓 相セフ
    1984 年 46 巻 2 号 p. 197-201
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    B.rodhaini 感染耐過ラットについて, マウスへの虫体回収実験, 摘脾の影響, 攻撃感染に対する反応を検討した結果, 次の成績が得られた。(1)血液・脾・肝・骨髄・脳の乳剤をマウスに接種したところ, 耐過後3週間は虫血症が潜在的に持続していた。(2)耐過後3週間までは摘脾により再発病することがわかった。(3)耐過後少くとも1年間はラットは寄生マウス赤血球8×108の攻撃接種に耐えることが示された。
  • 山我 義則, 戸尾 祺明彦
    1984 年 46 巻 2 号 p. 203-212
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    健康な牛・馬・山羊・犬の腹部臓器ならびに胎仔を超音波断層法により映像化した。1)肝・胆嚢 : 牛・山羊の肝臓は右側第8~11肋間隙肩端線位腹側で映像化された。犬では肋骨弓下走査により肝臓の明瞭な超音波断層像が得られたが, 馬の肝臓では, 実質辺縁のみが観察された。牛・山羊・犬においては, 肝実質, 門脈, 肝静脈ならびに胆嚢は, 各々特徴的なエコーパターンを示したが, 胆管像は不明瞭であった。 2) 脾臓: 各動物種とも, 脾臓の超音波断層像は左側後位肋間隙にて得られ, 馬・犬では, 嫌部においても得られた。全動物種において, 脾臓は低レベルのエコーパターンを示した。 3) 腎臓: 牛・山羊の両側腎臓は, 右側嫌部で映像化され, 右腎は第12肋間隙でも観察された。馬・犬では後位肋間隙ならびに嫌部で映像化された。全動物種において, 腎臓エコーは腎皮質を示す低レベルエコーパターン, 髄質を表わすエコーフリーパターン, 腎盂炎を示す高レベルエコーパターンから構成されていた。 4) 胎仔: 牛・山羊・犬の中腹部または嫌部における経皮的走査により, 脂汗ならびにその各臓器が映像化された。実時間超音波断層法により, 胎動ならびに胎仔心臓拍動が捕捉された。
  • 鎌田 信一, 峰崎 洋通, 柿市 徳英, 小林 茂, 内田 和夫, 今井 壮一, 新井 昌栄
    1984 年 46 巻 2 号 p. 213-216
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    嫌気性発酵の場での自由生活型原生動物の種類と出現個数を調べる目的で, 豚の排池物のろ過液を発酵サンプルとして実験を行った。嫌気性発酵過程で鞭毛虫, 肉質虫が出現したが, 繊毛虫は確認できなかった。鞭毛虫の中では Monocercomonas spp., Amphimanas spp., 肉質虫では小型アメーバーが優勢であった。
  • 泉 英明, 小久江 栄一, 吐山 豊秋
    1984 年 46 巻 2 号 p. 217-218
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    妊娠ラットの器官形成期を前半と後半に分け, それぞれにピリメタミン (Py) を連続投与して催奇形性を調べた。その結果, 口蓋裂, 下顎短小などの奇形出現は, 他の多くの薬物同様, Pyについても器官形成期後半投与群に集中していた。したがって, 以前に当研究室で行った豚での Py 催奇形性試験で, 奇形出現が器官形成器前半投与群に集中していたのは, Pyの特異的な作用ではなく, Pyに対する豚の特異的な反応であると考えられた。
  • 木曽 康郎, 山内 昭二
    1984 年 46 巻 2 号 p. 219-223
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    イヌの胎盤迷路部について, ハイドロキシステロイド脱水素酵素 (HSD) を組織化学的に検出した。妊娠満期の胎盤を除いて, いずれの時期の栄養膜にも弱度のΔ5-3β-HSD 活性が認められたが, 活性度には時期的な差はみなかった。電顕的には, 栄養膜合肥体細胞, 栄養膜細胞は, ステロイド産生細胞としての形態学的特徴をほとんど示さなかった
  • 中山 裕之, 中永 和枝, 荻原 定彦, 林 俊春, 高橋 令治, 藤原 公策
    1984 年 46 巻 2 号 p. 225-228
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    著名な核小体をもつ多核巨細胞の出現によって特徴づけられるネコリンパ肉腫3例を光学顕微鏡および電子顕微鏡所見からhistiocytic lymphosarcomaと診断した。このうち1例の病変はヒトのHodgkin病に類似し,その巨細胞は形態学的にヒトにおけるReed-Sternberg細胞と同様の特徴を示していた。
  • 山野 秀二
    1984 年 46 巻 2 号 p. 229-231
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ニワトリ排他腔妾脈管体の自律神経終末には, 径約50nmの"無芯小胆"を主とするものと, 径約50 nmの"有芯小胆"を主とするものの2種類がみとめられた。両神経終末の分布には明瞭な差がみとめられ, 前者は毛細血管索内の毛細血管周囲に, 後者は小動脈の平滑筋付近に多く観察された。
  • 相内 聖峰, 内海 文枝, 小林 賢一, 黒崎 映子, 佐久間 貞重
    1984 年 46 巻 2 号 p. 233-237
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    24力月齢の雄Wistarラット1例に脳腫瘍がみられた。剖検では灰白色巣が右側被殻, 尾状核, 視床および中脳にみられ, 原発巣と考えられる視床には大小の嚢胞形成が認められた。組織学的には, 腫瘍細胞は明瞭な核小体をもつ大型の明るい円形ないし卵円形の核を有し, PASに淡染する豊富な細胞質を有していた。電顕的には細胞質内には脂胞筒を含む発達した細胞内小器官を有しグリア細線維が主に細胞突起に多量に認められた。以上の所見から, この腫瘍は星膠細胞腫と診断された。
  • 原田 郁子, 小野 憲一郎, 長谷川 篤彦, 友田 勇
    1984 年 46 巻 2 号 p. 239-242
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    妊娠ラットにおいて母体血, 胎仔血, 羊水のカルシウム値を妊娠時期を追って測定した結果, イオン化カルシウム値は母体血で1.19~1.26mmol/l, 胎仔血で1.60~1.67mmol/lの値を示し, ほぼ一定に維持されていた。このようなイオン化カルシウムの維持調節には非イオン化カルシウム分画, および羊水中カルシウムの関与が示唆された。
  • 千葉 暢幸, 有川 二郎, 高島 郁夫, 橋本 信夫
    1984 年 46 巻 2 号 p. 243-245
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    北海道各地で捕獲したドバトとガラスについてクラミジアの分離と抗体調査を行なった。ドバトにおけるクラミジアの分離率は, 7.6%(9/119), CF抗体陽性率は30.5%(32/105)であった。一方, ガラスではクラミジアを分離できなかったが, 間接CF抗体陽性率は22%(18/82)であった。この結果から, ガラスもドバトと同様にクラミジアに対して感受性をもつことが示唆された。
  • 宇根 ユミ, 岩間 公男, 吉田 拓郎, 代田 欣二, 野村 靖夫, 斎藤 保二
    1984 年 46 巻 2 号 p. 247-250
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    空腸原発の分化型神経節腫が, ランドレース系の繁殖用雌豚に認められた。腫瘍は, 空腸に大小2つの独立した腫瘍として存在し, 転移し認められなかった。腫蕩組織は, 主に粘膜下織で膨脹性に発育し, 一部, 固有層, 筋層間にも浸潤していた。また, 腫蕩組織は, Nissl物質をもつ大型細胞群と特徴的な線維成分からなり, この線維中には, Bodiau染色で黒染する神経線維様物も見られた。
  • 梅田 昌樹, 磯田 政恵
    1984 年 46 巻 2 号 p. 251-255
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    Trypanosoma evansi 淡水株 106~108を筋肉内接種した雄家兎6例のうち3例に, 脾濾胞周囲の著明なアミロイド沈着が認められ, 原虫感染に続発したアミロイド症と考えられた。そのうちの1例では, 肝類洞壁および腎糸球体係蹄壁にもアミロイド沈着が認められた。脾およびリンパ節における形質細胞, 大型ピロニン好性細胞の増加と, 血中IgMの持続的高値がみられた。
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