1974~1982年に豚から分離された岩手大学農学部家畜微生物学教室 / 1O9株 (日本; 105株, 韓国; 2株, 台湾;2株) の血清型別を行なうとともに, 21種類の化学療法剤に対する感受性を寒天平板希釈法によって測定した。血清型別の結果, 105株が2型, 2株が3型, 残りの2株が5型であった。このうち107株はペニシリン系薬剤 (ペニシリンG, アンピシリンおよびメシリナム), クロラムフェニコール, テトラサイクリン系薬剤 (オキシおよびクロルテトラサイクリン), リファムピシン, トリメトプリム, およびフラゾリドンに高度に感受性であり, セファレキシンとコリスチンにはそれに準ずる感受性を示した。一方, アミノ配糖体系薬剤 (ストレプトマイシン, カナマイシン, フラジオマイシンおよびゲンタマイシン) とマクロライド系薬剤 (エリスロマイシンとタイロシン), スルファモノメトキシン, およびナリジクス酸に対する感受性は低かった。残りの2株は薬剤耐性株であった。Hp 1株は1974年に日本で分離された3型の株で, ペニシリン系, テトラサイクリン系, ストレプトマイシン, およびサルファ剤に耐性, また966株は1974年に台湾で分離された5型の株で, ストレプトマイシン, おびサルファ剤に耐性であった。2型の株105株は全て感受性株であり, またこの期間中に H. pleuropneumoniae の各種薬剤に対する最小発育阻止濃度(MIC)の上昇は認められなかった。
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