1959年,岩手県盛岡市を中心とする豚浮腫病発生例につき病理学的研究を行い,その病理像を確立した即ち,病理組織学的には全身における血栓形成,浮腫,及び血管壁変化が主体をなす.又退行性変化として全身各所,例えばリンパ節,心筋,骨賂筋,脳神経細胞,神経線維,副腎髄質細胞,皮j{=]・=7,舌等の変性乃至壊死が認められた.特に筋線維及び脳神経細胞の変化は重視さるべきものであった.又骨閤における特徴的好酸球増生,全身組織にみられる好酸球浸潤,或はアレルギー性炎類似の皮膚及び舌病変が注目された.これら自己所見を基礎とし,本症の病理発生を論じ,浮腫に関しては血液性状の変化に基く全身性表現の一環であるとする考え2重視した.最後に本症の病理発生とアレルギーとの関連についていささか考察を加えた.
抄録全体を表示