日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
Online ISSN : 1881-1442
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30 巻, 6 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 森田 遙, 大森 要司, 大島 康夫
    1968 年 30 巻 6 号 p. 317-322
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
  • 塩田 俊朗, 望月 公子, 西田 司一
    1968 年 30 巻 6 号 p. 323-330_4
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    大家畜の精管における神経終末についての記載は見られない. 本研究では, 馬および牛の精管(馬の精管膨大部を含めて)における神経の終末について, BIELSCHOWSKY 鍍銀法の変法を用いて組織学的に検索し, あわせて, ラットの精管について, 神経終末を CHAMPY-MAILLET のオスミウム酸-沃化亜鉛法, および KOELLE と FRIEDEN-WALD のコリンエステラーゼ検索法の変法を用いて調べ, それらの結果を比較検討した. 結果を要約すれば, 次の通りである. 1) 精管外膜にある精管神経叢から分岐した神経束は, 平滑筋層および粘膜に分布する. 神経束は筋層にはいって, いくつかの枝に分かれるか, あるいは, ところどころで, 単一の小分枝を出して, 筋層に分布する. これらの分枝は, シュワン細胞の核をともなう自律神経終末に移行し, その終末の神経軸索は, 平滑筋細胞の間を走る. 2) 馬の精管外膜において, 筋層にきわめて近く, 知覚神経終末構造が見られた. 3) 馬,牛, ラットのいずれにおいても, 上皮下神経叢が認められたが, とくに, ラットでは, 上皮下神経叢および, 粘膜下神経叢が, 区別して, 認められた. また, これら二つの神経叢は, 強いアセチルコリンエステラーゼ活性を示した. 4) 精管膨大部の筋層における神経終末は, 精管のそれと全く同様である. 固有層中には, 多くの自律神経終末線維が認められるが, それらのうちの多くは, 固有層中に散在する平滑筋細胞に分布するものと思われる. ほかに, 分泌神経線維の存在の可能性も, 示唆された.
  • 渡辺 徹
    1968 年 30 巻 6 号 p. 331-340_6
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    鶏の迷走神経幹およびその分枝を, 一側または両側で切除し, 延髄にある迷走神経核の細胞の逆行性変性について観察した. 材料には6カ月令以上の鶏を用い, 神経を切除した後, 3日から365日までの間に固定し, Paraffin 包埋, 10μの連続切片とし, carbolthionin 法または chrome alum hematoxylin phloxin 法で染色し, 観察した. 逆行性変性は, 術後6~7日目に, 迷走神経背側核で最も顕著に認められ, 20~30日目ごろ一旦, 回復するように見られるが, 1年を経過した材料では, 大型神経細胞は全く消失し, 神経核は本来の機能を失っているように見える. 変性細胞の数は, 迷走神経背側核で82.6%であった. 迷走神経腹側核, いわゆる疑核は, 迷走神経背側核に比して, 変性の度合が常に弱く, その変性細胞数は26.5%であった. 神経切除を種々の高さで行なった結果, 迷走神経背側核の神経細胞には, 機能的局在のあることがわかった. すなわち核柱の吻側および中間部の背側ないし外側の領域は, 専ら咽頭を支配する神経線維の起始細胞よりなり立つ. 一方, その腹側ないし内側の領域は, 胃を中心とした腹腔臓器を支配する神経線維の起始細胞からなり立っている. 胸腔臓器には, 核柱の中間部と尾側部の一部の神経細胞が, その神経線維を送っているといえる.
  • 板倉 智敏, 和 秀雄
    1968 年 30 巻 6 号 p. 341-346_3
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    サル類のトキソプラズマ(以下卜と略す)症に関する資料は, きわめて乏しい. また, サル類の species, あるいはトの strain によるものと思われるが, それらの病変の記載は軌を一にしていない. そしてまた, サル類は卜感染に対して抵抗性を示した報告の多いのが注目される. 著者らは, 病理組織学的検索結果より, サルの卜症2例を見いだした. 材料はサル2例からなる. いずれもワオキツネザル(Lemur catta), 雄, 成獣で, 1962年9月フランスから日本モンキーセンター(犬山市)に輸入され, オリの中で同居して飼育されていた. 1963年6月, 両例とも同じような症状(元気消失, 食欲不振, 胸膜摩擦音聴取)を示して, 3日と4日の経過で相次いで斃死した. 組織検索の結果, 2例における病変は, ほとんど同一の所見であり, 定型的急性卜症の像を備えていた. すなわち, 肝, 脾, リンパ節における退行性病変(不全壊死)が顕著であり, そのほか肺のうっ血性水腫, 剥離性肺胞炎, 広義の細網内皮系細胞の活性化, 心筋および横紋筋における軽度の変性, さらに第1例の大脳にはミクログリア細胞性小結節形成が見られた. 上記の病変部または組織には,多少の差はあれ, ト虫体が確認され, 病変と卜虫体との間に密接な関連性のあることを示していた.
  • 大塚 宏光
    1968 年 30 巻 6 号 p. 347-355_1
    発行日: 1968/12/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    硬膜外麻酔の効果を, 筋の叢放電の消長を示標として, 筋電図学的に検討した. 成績を要約すれば, 次の通りである. (1) 麻酔の効果は, 導入期においては, 薬剤が浸潤する範囲に限り, 各分節脊髄神経支配の筋にほぼ同時に現われる. 覚醒期, すなわち薬剤の効果からの解放は, 下行性であり, 麻酔導入期と覚醒期の外観的な姿勢の表現は, 同じように見えるが, 筋活動の面からは姿勢保持の仕方が相違する. (2) 局所麻酔剤の作用が駐立姿勢におよぼす影響は, 後肢諸関節の固定様式の変化として現われとくに膝関節の固定と後酔麻卑とは, 密接不可分の関係にある. 前肢筋の働きは, 後躯麻痺の程度に左右される. (3) 0.4ml/kgを投与すると, その効果は後肢諸筋のみならず, 躯幹筋にまでおよび,麻酔期においては, 犬座姿勢に耐えられず, 横臥位をとる. したがって麻酔期における姿勢の保持の仕方から, 局所麻酔剤の作用する範囲を推定することが可能である. 本研究に関し指導をいただいた宮崎大学長倉美夫教授, 東京大学岡部利雄名誉教授, 野村晋一教授, 沢崎坦助教授に衷心より感謝の意を表する.
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