視性に起る姿勢調節について, 筋電図学的実験を行ない, 駐立を維持するために,持続的に収縮活動を行なっている運動単位の放電間隔系列の変動を指標にして, 分析を行なった. その結果, 傾斜角が刻々変化する駐立面, 特に傾斜角が漸減する駐立面上で駐立を維持する際の筋緊張の調節は, 固定した水平な駐立面上における場合に比べて, 視性に起る調節に依存するところが大であり, 視性インプルスは, 小脳, 脳幹の積分作用を助長し, 特に, γ系に対する supraspinal な緊張性の促通を助長し, γ系を通して姿勢調節に関与する一面があると推測した. 本研究に御指導を賜わった岡部教授, 野村助教授に対し, つつしんで謝意をささげる.
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