日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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31 巻, 1 号
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  • 浜名 克己, 臼井 和哉, 幡谷 正明
    1969 年 31 巻 1 号 p. 1-8_1
    発行日: 1969/02/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    Fischer-Krebs 法によるウサギ骨格筋からの phosphorylase b 抽出法を応用して, ラットおよびイヌの骨格筋, 心筋からの phosphorylase b の抽出および結晶化等について検討した. その結果, ラット骨格筋では, 濃厚蛋白溶液に cysteine, AMP, Mg++を添加することによって, Phosphorylase b の結晶が観察された. 顕微鏡下で, それは個々に分離した針状結晶を示したが, 著しく不安定で, 観察中に消失した. イヌ骨格筋からの phosphoyylase b は, Mg++では結晶化できないので, 種々の二価陽イオンを用いて phosphorylase b の結晶化を試みたが, 不成功であった. ラット筋は, 骨格筋の場合に似ているので, 充分な材料が入手できれば, 結晶化も不可能ではないと思われる. ラットおよびイヌの骨格筋と心筋から抽出した phosphorylase b は, disc 電気泳動によって, いずれも唯一本の band となり, 臓器特異性を示さなかった. したがって臓器間に isozyme が存在する可能性は, ラットおよびイヌでは, disc 電気泳動に関する限り否定される. 他方, 種々の生理学的・薬理学的条件下では, これら骨格筋と心筋の phosphorylase b の間に, 活性の差が生ずることが多数報告されている. そこで, これらの反応の相違は, isozyme に由来するものではなく, phosphorylase をとりまく環境の変化に由来するものと思われる. なお本研究の一部は日本中央競馬会依託研究費によって行なわれた. ここに深く感謝の意を表する.
  • 山内 昭二, 佐々木 文彦
    1969 年 31 巻 1 号 p. 9-22_4
    発行日: 1969/02/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
  • 香川 恭一, 矢ケ崎 修, 武脇 義, 柳谷 岩雄
    1969 年 31 巻 1 号 p. 23-27_1
    発行日: 1969/02/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    成鶏と, 孵化後1週間および3カ月の雛を用い, その摘出腸管運動に対する Nicotine 作用をみた. 実験にさきだって, 従来, 哺乳動物または鳥類の摘出臓器実験に用いられている種々の保生液の適否について検討した. 家鶏摘出腸管運動の持続性と規則性からみて, Krebs-Heselite 液がもっとも好適であった. 出現する Nicotine 反応は, 家鶏の年令によってかなり異なる. すなわち, 成鶏より得られた新鮮標本では, Nicotine 投与直後, 亢進, ついで抑制に移行するという定型的な反応のみがみられた. 3週令または1週令の幼若な鶏よりの標本では, このような定型的な, 亢進→抑制の反応のほかに, 一過性の抑制(前抑制)と, それに続く亢進反応を示すもの, または, 最初の抑制のみしか示さないものがみられた. これらの出現する反応型と, 投与 Nicotine 濃度(10-4~10-7g/ml)との間には, 特別な関連はみとめられなかった. Hexamcthonium を前処置しておいた場合には, Nicotine による"前抑制"も, それに続く亢進も, ともに消失した. したがって, これらは, いずれも腸壁内在神経節由来のものと考えられる. 標本を2~4℃に18~24時間冷蔵した場合には, 成鶏の腸管においても, Nicotine による"前抑制"を示した例がかなりみられた. 1週令および3カ月令の標本における抑制反応出現率も, 腸管を冷蔵することによって増加した. 以上の事実から, 家鶏腸管においても, 腸壁内在経には, 抑制性と亢進性の線維が存在し, 年令を加えるにしたがって, 亢進性線維の支配が強力となって, 抑制性のものを mask するものと考えられる.
  • 大塚 宏光
    1969 年 31 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 1969/02/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    単一 NMU の放電間隔時系列の変動の分析により, 筋活動に対する神経機構の統御におよぼす硬膜外麻酔の影響を検討した. 成績を要約すれば, 次の通りである. 1) 前肢筋では, 麻酔導入期, 麻酔期, 麻酔覚醒期を通じて, Corticalization が起る. 2) 後肢筋では, 麻酔導入期に Spinalization が起こる. この現象は, 薬剤の投与後およそ2分で出現する. 覚醒期には, Spinal 1および Cortical 両要素の支配が起こる. 本研究に関し指導をいただいた宮崎大学長倉義夫教授, 東京大学名誉教授岡部利雄博士, 東京大学野村晋一教授および沢崎坦助教授に, 衷心より感謝の意を表する.
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