日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
Online ISSN : 1881-1442
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44 巻, 5 号
選択された号の論文の26件中1~26を表示しています
  • アベネス ヘラルド, 岡崎 克則, 福士 秀人, 喜田 宏, 本多 英一, 野牛 一弘, 辻 正義, 佐藤 久聡, 小野 悦郎, 梁川 良, ...
    1982 年 44 巻 5 号 p. 703-708
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    1980年および1981年に13種287羽の水禽, 16種124羽の小鳥から8株のインフレエンザウイルスおよび12株のパラミクソウイルスが分離された. インフルエンザウイルスは40羽のコガモからH3N8が3株, H4N6, H6N6がそれぞれ1株分離された. また, H8N1が1株, ノイラミニダーゼがN1-N8とは異なるH8ウイルスが1株分離され, 自然界では初めて抗原亜型H8N1の組み合せをもつウイルスが得られた. また5羽のカルガモからH4N6が1株分離された. パラミクソウイルスはNDVがコガモから5株, 72羽のアオジから1株, DK/Mississippi種に属するウイルスがコガモから4株, アオジから1株, DK/Hong Kong/119/77と同じ種に属するものが11羽のマガモから株分離された. ウイルスはいずれも下部腸管乳剤またはクロアカぬぐい液から分離された.
  • 谷口 和之, 谷口 和美, 望月 公子
    1982 年 44 巻 5 号 p. 709-716
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ハムスター鋤鼻器官の胎生期ならびに生後の発達について光顕および電顕的に検索を行なった. 本器官は胎齢11日に原始鼻腔内側壁の上皮が鼻中隔側に陥凹して管状構造となることによって形成された. 胎齢12日までは鋤鼻器官の上皮はほとんど未分化な細胞によって構成され, 感覚上皮と呼吸上皮の区別も困難であったが, 鋤鼻軟骨は胎齢12日に出現した. 胎齢13日には呼吸上皮は形態的に容易に感覚上皮と区別されるようになり, 胎齢14日にはヤコブソン腺や静脈洞も出現し, 出生時には本器官はすべての組織学的構成要素を備えるに至ったが, 鼻腔との文通は生後2日に始まった. 微細形態的には本器官感覚上皮の発達は遅く, 感覚細胞自由面の微絨毛は生後8日に出現し, 生後10日にいたっても一部の感覚細胞は微絨毛を欠き, 成体によく発達する滑面小胞体なども認められなかった. したがって, 嗅覚は生後離乳期まではもっぱら嗅上皮によって受け持たれ, 鋤鼻器官が嗅覚に関与を開始する時期は離乳期以降となるものと推測された
  • 梅村 孝司, 大石 秀夫, 池本 安夫, 佐藤 博, 藤本 胖
    1982 年 44 巻 5 号 p. 717-724
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    X大腸炎罹患馬16例を病理組織学的に検索した. 特徴的な病変は盲・結腸粘膜の出血性壊死にいたる粘膜上皮剥離, 腸粘膜における毛細血管性および静脈性線維素血栓形成, 肺のうっ血水腫, および腎尿細管上皮細胞の広範な壊死と尿円柱形成であった. これらのは所見はX大腸炎の直接的原因が菌体内毒素によるショックであるという仮説を形態学的に支持するものと考えられた. さらに, 間質性肺炎が15例に, 細網細胞増殖が大多数例の大腸, 脾臓, およびリンパ節のリンパ濾胞に観察され, リンパ濾胞では多核巨細胞形成をともなうものもあった. これらの所見から, 全身感染症, 特にウィルス感染症がショックの誘発に関与している可能性が示唆された.
  • 尾形 学, 河村 晴次, 山本 孝史
    1982 年 44 巻 5 号 p. 725-731,733
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    マイコプラズマの基準株23菌種および M. hyorhinis 野外分離株16株について好気及び嫌気培養による増殖の比較を行ったところ, 5菌種に嫌気培養による増殖抑制が, 4菌種に増殖促進が認められた. M. hyorhinis は抑制群に, M. hyosynoviae は促進群に含まれた. また, 増殖抑制された5菌種がすべてアルギニン非分解性菌群に含まれたのに対し, 増殖が促進された4菌種はすべてアルギニン分解性菌であった. M. hyorhinis の増殖を抑制するためには, 急速に嫌気状態を得ることが必要であった. ついで, 豚鼻腔より, M. hyosynoviae の分離を試みたところ, 本菌は嫌気培養で高率に選択分離された. 以上の成績から, 嫌気培養は, M. hyosynoviae の選択分離法として有効であることが示された.
  • 中村 和市, 橋木 善春, 北川 浩, 工藤 規雄
    1982 年 44 巻 5 号 p. 735-742
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    アヒルみずかき皮下にコロイダル・カーボン又は明ばん沈殿ウシ血清アルブミンを投与すると, 腰リンパ節リンパ洞内遊走性食細胞はこれらの物質を摂取後リンパ索よりリンパ小節に侵入し, コロイダル・カーボンを摂取した食細胞は食細胞小島を形成しつつ最終的には胚中心周囲域あるいは肝中心内に到達した. また西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼでは上記の食細胞を介する節内移動のほか, リンパ洞内皮および実質内細網細胞を介する移動もみられた. これらの事実は食細胞とリンパ球間の協調がリンパ節内における初期免疫応答時に重要であることを示すと思われる.
  • 河原條 勝己, 市東 息子, 数野 勇造, 関沢 泰治
    1982 年 44 巻 5 号 p. 743-749
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    Proteus morganii 1510株に対する Sorcoma-180 (S-180) 担癌マウスの感受性について検討した. マウスに106個の菌を静脈内接種すると, 非担癌マウスは死亡しなかったが, S-180移植2日および8日後接種ですべてが死亡した. また, S-180移植2日後のマウスに106個の菌を静脈内に接種すると, マウスの肝・脾・腎の菌数減少は正常マウスのそれと比較して著しく鈍化した. つぎにS-180移植4日後のマウスに106個の菌を接種すると, 4~8時間後から菌は各臓器で増殖し, 24時間後には臓器当リ105~l06個に達した. S-180移植後の日数の経過とともに, 末梢白血球数, とくに好中球数が増加したが, 流血中の食細胞の菌貧食能および細胞内殺菌能は正常マウスのそれと差がなかった. しかし, 担癌マウスでは, 菌接種後早期において血清オプソニンの形成は著しく抑制されていた.
  • 上田 久, 寺門 誠致, 関崎 勉, 橋本 和典, 武居 和樹
    1982 年 44 巻 5 号 p. 751-757
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    1980年春に, 滋賀県下の3搾乳牧場で子牛の集団下痢が発生した. 細菌検索の結果, 死亡子牛の腸内容および実質臓器から耐熱性エンテロトキシン (ST) 産生大腸菌が純粋かつ高率に分離された. 下痢子牛から分離されたST産生大腸菌の多くは O 101-K99 に型別され, 非運動性で, 生物型はB型に属し, 2剤もしくは6剤耐性プラスミドを保有していた. これらのST産生菌の性状を指標として, 発症中の子牛および健康同居牛の腸管内ST産生大腸菌数を比較した結果, 発症子牛においては下痢便1gあたりの平均大腸菌数は108.9個で, その大部分が ST 産生菌によって占められていた. いっぽう, 健康子牛の直腸便からは大腸菌総数107.1中105.8個の産生菌が検出され, また健康成牛の直腸便からも大腸菌数106.2個中103.3個のST産生菌が検出された.
  • 谷口 博之, 吉川 泰弘, 山内 一也
    1982 年 44 巻 5 号 p. 759-766
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    実験用小型鳥類としての有用性が期待されているウズラのリンパ球のマイトージェンによる幼若化反応の至適条件を検討し, 反応に関与するリンパ球の同定を試みた. マイクロプレートを用いて RPMI 1640 培地で培養, PHA または LPS を加えてH^^3・チミジンのとりこみを測定すると, 4~8週齢のウズラの脾リンパ球は PHA および LPS に対してよく反応し, 至適条件は細胞数: 5×106個/ml, PHA: 1μl/ml, LPS: 70μg/ml. ウシ胎仔血清濃度: 7.5% (PHA). 0.5% (LPS), アイソトープのラベル時間: 48~72時間であった. 胸腺リンパ球は, ウシ血清に代えて自己ウズラ血清を用いた場合, PHA に対してのみ反応したが, F嚢リンパ球は PHA, LPS のいずれに対しても反応しなかった. 胸腺摘出ウズラの脾リンパ球は両マイトージエンに反応し, F摘出ウズラのそれは PHA に対してのみ反応した. 胸腺・脾のPHA反応性リンパ球は表面免疫グロブリン (S-Ig) を欠き, F嚢リンパ球および脾の LPS 反応性リンパ球は S-Ig 陽性であった. 以上の成績から, ウズラ脾リンパ球の T 細胞に対しては PHA が, B 細胞に対して LPS が, それぞれ特異的に働らくと考えられた.
  • 代田 欣二, 藤原 公策
    1982 年 44 巻 5 号 p. 767-773,776
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    抗腎尿細管基底膜(TBM), 抗糸球体基底膜(GBM)ウサギ血清をイヌの静脈内あるいは腹腔内に投与すると, 全例に血尿・タンパク尿が認められた. 病理学的には皮質間質における尿細管の変性を伴う巣状あるいはび慢性の単核細胞浸潤, び慢性増殖性糸球体腎炎が見られたが, 間質病変と糸球体病変の重度は必ずしも相関しなかった. 電顕では, 皮質においてしばしばTBMに密接して単核細胞が見られ, 尿細管上皮細胞間および細胞内へ侵入する像も認められた. 免疫螢光法では, 両抗血清投与全例のGBMにウサギ IgG の線状沈着を認めたが, 皮質TBMでは不連続線状の沈着が1例のみに見られた. イヌTBMで免疫されたイヌでは腎病変の発現, 同種腎組織に対する自己抗体の産生は認められなかった.
  • 内藤 善久, 村上 大蔵
    1982 年 44 巻 5 号 p. 777-780
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    牛における血液ガス・酸塩基平衡の異常を的確に診断, 治療するための基礎資料を得ることを目的として, 健康牛108頭の尾動脈血における標準値を求め, 以下の成績をえた. 1) 108頭のホルスタイン種乳牛の尾動脈血の39℃における平均値・標準偏差は, pH: 7.465±0.029, Pco2: 39.1±3.9mmHg, Po2: 107.2±7.4mmHg, HCO3-: 27.4±2.1mEq/LおよびCO2含量: 28.4±2.2mEq/Lであった. 2) 尾動脈血のHCO3-濃度, CO2含量およびpH値と, 頸静脈血のそれらの値との間には有意の正相関を認めたが, Pco2値およびPo2値には相関を認めなかった. 3) 成牛血液pHについては年齢の違いによる有意差を認めなかった. 4) 尾動脈血pHと第一胃汁pHとの間には有意の相関は認められなかった.
  • 早崎 峯夫
    1982 年 44 巻 5 号 p. 781-786
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    20頭の母犬とその胎仔19頭および新生仔57頭について, 犬糸状虫特異抗体の母子間移行を間接赤血球凝集反応により検討した. 母犬の血球凝集抗体は初乳を介して仔犬に移行し, 約2力月齢まで仔犬血清中に検出された. しかし, 母犬が高い抗体価を示しても, その胎仔からは抗体は検出されなかった. 出産当日の乳汁の抗体価は血清抗体価と同値を示したが, 出産後5~7日までに抗体価は急激に低下し, さらに観察終了時の出産後48日までは徐々に低下した.
  • 佐々木 脩, 勝野 正則
    1982 年 44 巻 5 号 p. 787-793
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    豚肺虫症の肺病理像は虫体が白血球の遊走促進因子を有することを示唆しているので, 豚肺虫成虫のべロナール緩衝液抽出液に対するモルモット白血球の遊走作用を in vivo, in vitro で調べた. モルモット皮内に該抽出液 0.1ml (蛋白量50μg) を注射すると, 4時間後から注射局所に好酸球・好中球が増加しはじめ, 8時間後にピークに達し, 24時間後には平常値に復帰した. 抽出液蛋白量を 500, 50, 5μg/ml に調整して, 皮内と Boyden chamber で用量反応関係を検討すると, in vivo, in vitro ともに好酸球・好中球の遊走活性は蛋白濃度の対数に比例した. in vitro ではマクロファージの遊走も認められた. 虫体抽出液の白血球遊走促進作用は56℃ 30分, 100℃ 10分加熱により著明に低下し, 作用因子は非透析性で凍結乾燥にも安定であった.
  • 九郎丸 正道, 西田 隆雄, 望月 公子, 林 良博, 服部 正策
    1982 年 44 巻 5 号 p. 795-797,799
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    食虫目トガリネズミ科に属するワタセジネズミの小腸粘膜を光顕, 走査型・透過型電顕で観察した. 腸管は短く, 体長・腸管長比は1:1.5でとくに大腸がきわめて短く, 盲腸は欠如していた. 大腸粘膜はひだ状構造をもち, 小腸絨毛表面は小皺襞に乏しかった. 十二指腸腺は, 近位部に限局し, パネート細胞は欠如していた. 以上の所見はスンクスの腸粘膜と類似していた.
  • 佐藤 輝夫, 水野 光康
    1982 年 44 巻 5 号 p. 801-803,805
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    出生直後から異常な呼吸速迫を示した牛新生子の多数例において, 著明な赤血球の変形が認められた. これらの呼吸速迫例は500~1,000mlの輸血により速やかに好転, 回復した. 本症は, 体温変化のないこと, 肺聴診で異常がないこと, さらに赤血球の形態異常などから, 肺炎との識別が可能であった.
  • 白坂 昭治, 弁野 義己
    1982 年 44 巻 5 号 p. 807-809
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    茨城県下3ブロイラー農場の皮下血様漿液浸潤を主徴とする異常鶏8羽の主として皮下病変部, 肝, 骨髄, 血液などから C. septicum 33菌株を分離した. 血清学的に, 2農場由来の菌株は Moussa の凝集反応型別 (1959) の O-tyPe 1 に, 他の1農場由来の菌株は O-tyPe 2 に相当したが, 10日齢ひな筋肉内接種による病原性試験では両型菌間に差異は認められなかった.
  • 河村 晴次, 山本 孝史, 尾形 学
    1982 年 44 巻 5 号 p. 811-814
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    M. hyosynoviae を主対象として4群の豚について呼吸器マイコプラズマの検索を嫌気培養を併用して行った. M. hyorhinis と M. hyosynoviae は鼻腔に高率 (約70%) に常在, 共存 (約50%) していたのに対して, 両菌種の肺炎病巣部からの分離率はそれぞれ30%, 10%に過ぎなかった. また, M. salivarium は鼻腔から嫌気培養によってのみ分離されたことが注目される.
  • 江島 博康, 黒川 和雄, 池本 卯典
    1982 年 44 巻 5 号 p. 815-817
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    日本産ビーグル160例, 雑種犬22例の計182例について DEA 1 システムの出現頻度および遺伝を検討した. DEA 1 (+)型はビーグルでは1・1型:38.8%, 1・2型:15.6%, 雑種犬では1・1型:72.7%, 1・2型:9.1%であり, 両群をまとめると DEA 1・1型は42.9%, DEA 1・2型は14.8%であった. DEA 1 (-)型は42.3%であった. 27家系について遺伝学的家系調査を実施し, DEA 1 血液型が常染色体性の優性遺伝子支配を受けることが再確認された.
  • 今川 浩, 平沢 澄, 秋山 綽, 大森 常良
    1982 年 44 巻 5 号 p. 819-821
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    北海道日高地方の6群49頭の仔馬から4回にわたって採取された経過血清について, 子牛ロタウィルスに対する補体結合反応を実施したところ, 1群の10例中5例に1977年6月中旬に抗体の陽転が認められた. ついで8月下旬には2群において, それぞれ1例の抗体陽転が認められた. さらに, 1978年2月初旬には3群に, それぞれ6例中6例, 6例中5例, 10例中2例に抗体が検出された. 以上から, 仔馬のロタウィルス感染はほぼ年間を通じて起り, 群内伝播性は強いことが示唆された.
  • 鈴木 義孝, 杉村 誠, 八木 欣平, 大林 正士, 荘保 忠三郎
    1982 年 44 巻 5 号 p. 823-825
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    昭和55年度ニホンカモシカの保護管理に関する調査研究の一環として, 岐阜県下で捕殺されたニホンカモシカ278頭を剖検した. 剥皮時, 皮下織に2種の病変を認めた. そのひとつは全身にみられる灰黄色の結節性病変であり, 他は手根および足根関節部に限局する結合織性滑液包の形成である. これら病変の出現頻度は前者が60%, 後者が78%にも及んだ. 寄生虫学的にこれらの病巣からオンコセルカ属の2種の新種が発見された.
  • 竹内 実, 桜井 博子, 木本 実, 田代 康夫, 鈴木 伊豆美, 柴田 浩
    1982 年 44 巻 5 号 p. 827-829
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    C3H/He, C57BL/6マウスについて, SRBCに対するIgM・PFCを指標として軟X線全身照射の抗体産生能への影響をしらべた. 抗体産生は照射により明らかに抑制され, 抑制の程度は照射線量に比例したが, C3H/He, C57BL/6間には軟X線照射の影響について差があることがわかつた.
  • 吉川 尭, 吉川 博康, 小山 弘之, 椿 志郎
    1982 年 44 巻 5 号 p. 831-834
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    北里大学付属八雲牧場においてBLV感染牛の淘汰による浄化試験を4年間にわたり試みた. BLV抗体の検出は糖蛋白抗原を用いたAGID法により, 1977年9月から1981年5月までの4年間に計10回, 延べ2,036頭について抗体調査を実施, 陽性牛は直ちに移動して実験に使用, あるいはと殺された. その結果, 試験開始後約2年, すなわち6回目の調査からBLVは抗体保有牛は検出されず, 4年後の10回目の検索でも陰性が維持されていた.
  • 池本 卯典, 三宅 文太郎, 吉田 治弘, 桜井 幸男, 勝連 [コウ]一郎
    1982 年 44 巻 5 号 p. 835-837
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    Gestefollow-Eiken を使用して妊娠動物血清中の共通物質を検索した結果, 妊娠ウシ・ウマ・ブタ・イヌ・ネコ・ウサギ・モルモット血清中には HPL 類似物質は認められなかった. しかし, 妊娠142-162日のカニクイザル血清からは3-6μg/mlの HPL 様物質が検出され, HPL 検出用試薬をサル類の胎盤ラクトゲン検出に利用し得る可能性が示唆された.
  • 小寺 修平, 鈴木 義孝, 杉村 誠
    1982 年 44 巻 5 号 p. 839-841,843
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    岐阜県下で補殺されたニホンカモシカ(雌202頭, 雄207頭)眼窩下洞腺の生後分化と組織構造について検討した. この放香腺は眼窩前下方の涙骨上に位置し, 組織学的には内層の脂腺域と外層の汗腺域とから成るが, 前者の腺構成には性差がみられ, 雌では多量のヘパトィド様脂腺を有していた. 眼窩下洞腺の重量は年齢とともに増加し, その本態は汗腺重量の増加に依存しでいた.
  • 一条 茂, 小西 辰雄, 高鳥 浩介, 田中 一郎
    1982 年 44 巻 5 号 p. 845-847
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    北海道日高地方の1軽種馬育成牧場で多発した馬白癬の真菌学的検索をおこない, Trichophyton equinum 感染例のほかに Microsporum canis 感染例および両者の混合感染例を確認した. 分離された M. canis M#395-3株を6ヶ月齢の健康馬3頭の頸部皮膚に人工感染を試みた結果, 1頭のみに接種後25日目から65日間にわたり病巣が認められ, 生検により患部被毛の菌鞘形成を認め, 組織学的に本菌の感染を確認し, また患部から M. canis を分離した. M. canis M#395-3株は米粒培地で大型分生子を産生するが, 小型分生子は産生されなかった. 尿素培地でウレアーゼ産生したが, ヒトおよび馬の被毛に対する穿孔性はみられなかった. Nannizzia otac (+) および (-) 株との交配試験は成立しなかった.
  • 北村 延夫, 山田 純三, 山下 忠幸
    1982 年 44 巻 5 号 p. 849-851
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ネコの胃腺におけるグルカゴン細胞を免疫細胞化学的に検索した. 免疫活性細胞は胃腺に認められ, 成ネコよりも仔ネコにおいて多数存在したが, 両者ともにグルカゴン細胞の少数は消化管内腔と交通を持つ, いわゆる開放型の細胞であった.
  • 中村 政幸, 吉村 治郎, 小枝 鉄雄, 佐藤 静夫
    1982 年 44 巻 5 号 p. 853-856
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ふ卵中にフォルマリンくん蒸した SPF 卵からふ化したひなを比較的清浄な隔離飼育施設で21日間飼育した後, 多数の耐性大腸菌を排出している. 採卵鶏と同居させて82日齢まで飼育, 大腸菌の耐性型および血清型の変動を調べた. ひなを比較的清浄な環境で飼育した場合にも耐性大腸菌は出現したが, その頻度は低率で耐性型も単純であった. これらのひなを通常飼育環境へ移した場合にも, 耐性大腸菌の増加はわずかで, その耐性型および血清型の著しい変動はなかったので, ふ化後3週間比較的清浄な環境で飼育されたひなに定着した薬剤感受性大腸菌が, 通常の飼育環境中での耐性大腸菌汚染を阻止する可能性が示唆された.
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