日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
1977 巻, 6 号
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  • 三石 賢, 古川 学, 山口 雄三, 石井 直子
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 743-747
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    近藤のフロキュレーション・デフロキュレーション法を用いて,メチルオレンジ(MO),エチルオレンジ(EO)およびブチルオレンジ(BO)など一連のアルキル基を有する陰イオン染料と,デシル基からオクタデシル基にいたる一連のアルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウム=プロミド(ATB)との相互作用を支麗する因子が何であるかについて検討した。陰イオン染料(4.0×10-5mol/l)にCMCよりかなり低濃度のATBを添加すれば,概してフロキュレーションがみられる。これは陰イナン染料とアルキルトリメチルァンモニウムイナソ間に難溶性のイオン対が形成されるためである。また,ATBの添加濃度がそのATBのCMCあるいはそれに近い場合には,難溶性イオン対がATBによって可溶化される結果,デフnキュレーションがみられる。ATBのフロキュレーションおよびデフロキュレーション効果を表わすためにATBの半フロキュレーション濃度(HFC)および臨界デフロキュレーション濃度(CDC)をそれぞれ定義した。ATBのアルキル基が大きくなるにしたがって,そのHFCは小さくなること,また染料中のアルキル基が大きくなるにしたがって,HFCは小さくなることがわかった。一方,CDCもATBのアルキル基が大になるにしたがって,また染料中のアルキル基が大になるにしたがって小さくなることがわかった。MOとATBとの系にかぎって,CDCはATBのCMCとほぼ一致する。しかし,EOおよびBOとATBとの系においては,CDCはそのATBのCMCよりもかなり低い。また染料中のアルキル基が大きいほどCDCは小さい。染料-ATB系にNaClおよび尿素を添加してフロキュレーションおよびデフロキュレーションについて検討したところ,NaClを添加すれば,HFCは大きくなり,CDCは小さくなることがわかった。また尿素添加によって,HFCおよびCDCはそれぞれ大きくなることがわかった。この種の相互作用においては,両者のアルキル基が重要な役割を演じていることがわかった。
  • 喜多 淑子, 松本 幸雄, 米沢 大造
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 748-751
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    油膜に包まれた水粒子が連続水相中に分散した系であるW/O/W型エマルションの安定性を,イオン濃度計を用いて検討する方法を提案した。分散水相にマーカーとしての塩化ナトリウムを含む系を調製し,それを一定量の蒸留水に対して透析し,油膜の破壊により連続水相に移行してくるNa+あるいはCr-の濃度を透析外液において,イオン濃度計で測定した。この測定値から,分散粒子の残存率Rを,
    R(%)=100-100x/v1,x(ml)=A(v0+vd)/(B-A)
    によって求めた。ここに,A%,B%は,それぞれ透析外液および分散水相中のイオン濃度であり,v1ml,v0ml,vdmlは,それぞれ分散水相,連続水楓透析外液の体積である。またxmlは,油膜破壊により連続水相と合一する分散水相の体積である。イオン濃度を時間的に追跡することにより,この式からRの時間変化を算出し,W/O/W型エマルションの安定性を定量的にすることができた。この方法を用いて検討した結果,分散相体積分率が大であること,分散水相にタンパクを添加すること,マーカーとしての塩化ナトリウムの濃度が高いこと,などが安定性を増大させる因子であることが明らかになった。
  • 小西 義昭, 西条 博, 富樫 尚生
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 752-756
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    -連の脂肪族ジカルボン酸水素ナトリウム,HOOC(CH,)nCOONa(n-0~8),の熱分解を窒素雰囲気中でTGAおよびDTA法によって調べた。高級酸の水素ナトリウム塩(n=3~8)は加熱によりいったん固体の中間化合物に変化し,これは最終的には相当するジカルボン酸とジカルボン酸ナトリウムとに分解した。この中間化合物への転移は偶数個の炭素数の塩では可逆的であり,奇数個の炭素数の塊では不可逆的であった。-方,低級酸の水素ナトリウム塩(n=O~2)は幅広い吸熱過程を通じて相当するジカルボン酸ナトリウムとジカルボン酸(または酸の分解生成物)とに直接分解した。比較的高温であるこの場合は,中間化合物の過程と最終的な分解過程とが重なウあっていること炉示唆された,したがって,すべての塩において,その中間化合物の過程を通じてナトリウムィオンと水素イオンとの不均化的イオン交換反応が固相で生起することが結論された。中間化合物への転移温度は水素ナトリウム塩の炭素数が増加するにつれて,ジカルボン酸の融点と同じようにジグザグに変化した。推定される水素ナトリウム塩の結晶構造に基づいて,中間化合物および分解反応の機構について考察した。
  • 丹羽 幹, 水谷 真, 村上 雄一
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 757-760
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々の二成分系金属酸化物触媒上でメタノールのホルムアルデヒドへの酸化脱水素反応を行ない,SnO2-MoO3触媒がもっとも高い転化率,選択率を示すことを見いだした。同時に転化率に対する選択率の関係,生成するCOとCO2の組成比から,これらの金属酸化物触媒をM。Osを含むものとその他の2種に分類できることを示し,MoO8系ではこの反応がCH30H→HCHO→COの逐次型の反応であることを推測した。
    SnO2-MoO3触媒の組成を変えて活性を検討したところ,Sn/Mo比(1/9)から(7/3)までの活性,選択性に大差は見られず,またHCHOはMoOgでは生成するが,SnO,ではまったく生成しないことから,SnO3-MoO8触媒の反応活性は本質的にMoO3によるものと考えられる。さらに,この系をESR測定し,観測されたMo5÷濃度と反応活性との間に正の相関性が見られた。
  • 服部 忠, 石黒 明光, 村上 雄一
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 761-768
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    リン酸塩触媒の固体酸性発現機構を知る目的で,明確な結晶構造をもつ結晶性リン酸ジルコニウムの各種の盤質を調べた。110~800℃で焼成処理した結晶性リン酸ジルコニウムのアルコール脱水反応おももよび1-ブテン異性化反応における触媒性質,吸着ピリジンのIRスペクトル,酸強度分布などの固体酸性,およびTG-DSC,IR拡散反射スペクトル,X線回折などの構造的性質を調べた。
    結晶性リン酸ジルコニウムの酸強度分布は無定形塩にくちべて非常に鋭く,十4.8≧Ho≧十3,3と-3.0≧H嬢≧-5.6にのみ酸点があり,その他の強度の酸点は存在しなかった。これらの酸量と焼成温度の関係は構造変化,とよく対応していた。また,吸着ピリジンのIRスペクトルおよび1-ブタノーノヒ脱水反応の結県から,これらの酸点がBr6nsted酸であることがわかったeこれらの点を総合して,弱酸点は結晶水と強い相互作用をもつPOH基のプロトンであり,強酸点は自由な状態のPOH基のプロトンであると結論した。また,この結論をもとに無定形リン酸塩の酸性発現機構について考察した
  • 手島 英夫, 井土 忠厚, 笠原 俊弘
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 769-772
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    巨大網状構造(MR)型陽イオン交換樹脂の触媒作用を,既報のゲル型陽イオン交換樹脂と比較する目的で,樹脂の水素イオンを種々の割合でナトリウムイオンまたはアンモニウムイオンで置換したMR型樹脂を触蟻として酢酸エチルの加水分解を行なった。
    樹脂内でのエステルの拡散抵抗の影響が無視できる条件で測定した反応速度定数に,樹脂相と溶液との聞のエステルの分配の影響を補正して求めた樹脂の比活性度は,イオン置換の増加,すなわち樹脂内酸基量の減少にともなって低下したが,その低下の割合はナトリウムイオンによって置換した場合の方がアンモニウムイナンによって置換した場合よりもいちじるしいことがわがった。
    樹脂の比活性度と樹脂丙酸基量との関係は,比活性度を膨潤樹脂単位体積あたりの酸基量を基準にして表わして,両対数上にプロットすれば,置換イオンの種類と無関係に勾配1.20の1本の塵線で表わ.された。しか,L,MR型樹脂の比活性度はゲル型樹脂よりも低かったeこれはMR型樹脂の強固な網状構造中に密接して閉じ込められたまま膨潤したポリマー分子が,ゲル部分に存在する活性点の近傍へ反応物が到達するのを妨害するためと考えられる。
  • 乾 智行, 上田 孝
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 773-779
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    平均粒子径1,7μの銅粉末を250~650℃で酸化し,ひげ結晶成長と酸化物層形成の過程をそれぞれ電子顕微鏡とミクロ熱テンビンを用いて測定し,既報218の鉄の場合と比較検討した
    。瞥げ結晶成長量は250℃から430℃にかけて指数関数的に増加して最大値に達し,それ以上の温度では急激に減少して600℃では認められなかった。ひげ結晶は,平均太さ14~120nm,平均長さ0。35,~1,1μ,表面密度101~10gcm-2,全成長量10-6~107cm8/c典1の範囲に変化した。伸び速度は1.3分の潜伏期を経たのち,対数則にしたがい,1,5~2時間で成長はほぼ止まった。
    O2-吸収量(dw)は,初期数分間の速い吸収のあと,対数則(Elovich式)にしたがい,円滑な経過で1.5~2時間にわたり増加した。初速度kの活性化エネルギーは,上記の430℃を境とし七,低温側の10,7から高温側の20.6kcal/m。1に増加した。高温部で,このよう畷化物層形成速度渤薩さ樋ことと,ぴげ結晶成長榔の銅イオンの供給速度力械速されることとが対応している。
    ひげ結晶成長および酸化物層形成速度に対する以上の傾向は,鉄の場合との類似性が強いので,前報と同様に金属の転位の表出部を成長核とするひげ結晶の根本成長機構を支持する。
  • 小早川 紘一, 藤嶋 昭, 本多 健一
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 780-785
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    光照射下のn-GaP電極のアノー,ド溶解反応を,暗所におけるP-GaP電極のアノード反応と比較して検討した。n-GaP電極のアノード反応は,光によって励起された正孔の補給律速だけでなく,溶液中の水素イオンあるいは水酸化物イオンの拡散律速反応でもあることがわかった。溶出したガリウム量と通電量の関係から,酸性およびアルカリ性いずれの溶液中においてもGaP1分子あたり6個の正孔が溶解反応において消費されていることがわかった。リンの反応生成物の分析からは,酸性,アルカリ性溶液中とも,溶解反応は電気化学反応であることが推測された。これらの結果から,GaPは電極成分元素の酸化物を生成して電気化学的に溶解することを結論した。以上の結論は,酸性溶液においてはMemmingらの報告と一致したが,アルカリ性溶液においては異なった。強アルカリ性溶液中の溶解反応はつぎの反応式で起こっていると推定した。
    pH12 : GaP + 6 p+ + 11 OH-,---GaO2-3-+ PHO2-2- + 5 H2O
  • 森 邦夫, 中村 儀郎, 奥村 実, 宮崎 松生
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 786-791
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    銅に対する6-置換1,3,5-トリアジンー2,4-ジチオール・-ナトリウム(R-TDT)の防食作用を浸漬試験と分極曲線から検討した。防食作用は置換基(R)の順で増加し,Rの構造に依存した。分極曲線からR-TDTはアノードインヒビターとして作用した。
    R-TDTの有効濃度もその構造により異なり,R,NH-TDTで3~5×10"sm。1/1,(R)2N-TDTで8×10-6~10mol/lであった。腐食液のpHは5.5~12のときに有効で,しかしこの有効なpHは,Rの構造にほとんど影響されない。
    銅の腐食を促進するNaCl,KCl,Na2S2O2-,Fe2(SO)2,(NaPO3)6などの塩類の共存下でも,Cs,H5NH-TDTは有効であるが両者相互の濃度依存性が強く認められる。
    C6HsNH-TDTと銅粉,Cu2OおよびCuOは水中で容易に反応することがわかり,その生成物の元素分析および赤外吸収スペクトルから,被膜のおもな化学構造をつぎのように推定した。
  • 金児 紘征, 斎藤 安俊, 梅田 光俊, 永井 孝二
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 792-797
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    シュウ酸ガドリニウム(III)十水和物の熱分解過程を種々の方法で究明し,つぎの結果を得た。シュウ酸ガドリニウム(III)十水和物は空気中,不活性気体中,二酸化炭素中いずれの場合にも基本的には脱ガス反応で進行する。その分解経過はGd2(C2OA),10H,O→Gd,(C,O,),6H,O→Gd2e(C,O,)s,4H2O→Gd2(C20)3→Gd,O,COs→Gd20,である。
    分解による発生気俸は水蒸気,-酸化炭素,二酸化炭素であり,空気中では酸化反応により酸素が消費されること,不活性気体中では遊離炭素の生成が顕著なこと,および二酸化炭素中では炭酸塩酸化物の安定領域が広いことなどが特徴である。
    中間体としてこれまで報告されたGd,(COg)9およびGd20,,CO2は検知されなかった。
    これらの結果から,シュウ酸塩の熱分解過程について検討し,分解途中における炭素の生成,消滅機構についても言反した。
  • 金児 紘征, 斎藤 安俊, 梅田 光俊, 永井 孝二
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 798-802
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    炭酸ガドリニウム(III)三水和物の熱分解過程を種々の方法で究明し,つぎの結果を得た。炭酸ガドリニウム(III)三水和物は空気中,不活性気体中,二酸化炭素中のいずれの場合にも基本的にはつぎのように段階的に熱分解する。
    ただし,二酸化炭素中では二酸化炭素の放出が抑制されるため,Gd2O2-。2.5CO3およびGdpCO3はとくに安定であった。
    発生気体は水蒸気と二酸化炭素のみであり,検知できるすべての反応は吸熱である。二酸化炭素の放出過程は複雑であり,いくつかの準安定領域が存在することを示唆している。また,熱分解条件により生成するGd2O2-,COsの結晶構造および熱分解挙動が異なることが明らかになった。さらに,Gd2(CO3)sの分解温度はGd2(C,O,)3の分解温度より低く,シュウ酸ガドリニウム(III)の熱分解過程で正炭酸塩が得られないこを検証した。
  • 橋本 甲四郎, 戸田 善朝, 佐藤 孝順
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 803-807
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々のカドミウムの可溶性塩類の水溶液に硫化水素ガス,硫化ナトリウムおよびチオ硫酸ナトリウムの水溶液などの沈殿剤をそれぞれの適応条件で反応させ,粒子性状の異なる沈殿硫化カドミウムを得た。結晶構造やその他の粒子性状の異なる硫化カドミウムを空気中で加熱酸化し,その熱重量変化を検討した。その結果,β℃dSを空気中でゆっくり加熱すると350。Cから増量し硫酸カドミウムが得られるが,α-CdSは800℃から減量し酸化カドミウムになった。またβ-CdSに少量の塩化物を添加して空気中で加熱すると,硫酸カドミウムを生成する反応がいちじるしく抑制され酸化カドミウムになることを認めた。
  • 星野 芳夫, 宇都宮 泰造, 福井 啓太郎
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 808-813
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    タングステン線表面への選択濃縮を利用する黒鉛炉原子吸光法により水溶液中のppbレベルの各種金属イオンを溶媒抽出など濃縮,分離などのための前処理をせずに直接定量する方法について研究した。吸光度シグナルにおよぼす諸因子の影響を詳細に検討した結果,タシグステン線の浸漬時間と表面積,試料溶液のかきまぜ,pHなどが重要な函子であることがわかり標準的な分析条件を求めた。
    この方法において最高感度を与える共鳴線を用いた場合の定量範囲は銀とカドミウムは0~O,5ppb,亜鉛とマンガンは0~2.5ppb,コパルト,銅,鉄,マグネシウム,カリウムおよびナトリウムは0~5PPb,クロム,ニッケルおよび鉛は0~10PPbまでが適当であった。1%吸収感度はカドミウムが0,0O2-PPbで大部分の重金属イオンは10-3~10PPbのオーダ-にあり,溶液を採取する通常の黒鉛炉原子吸光法と比較して20~50倍感度が向上した。この方法の柏対標準偏差は0.5~2%の範囲にあった。この方法における感度の向上は多量の共存塩による感度の低下に打ち勝って優勢である。本分析法は多量のアルカリ金属塩存在下における微量重金属の定量に適していると思われる。
  • 山口 整毅, 宮木 千恵子, 山川 豊, 塚本 務人
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 814-819
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    クロラニル酸はpH1.4,1,4pH3.6,3.6pHの溶液中でそれぞれ1,3,1段の陽極波を示す。pH1.4の溶液中における波は吸着波の性質を示すが,溶液の酸性が弱くなると波高のほぼ等しい二つの波に分離し,第2波の後に新しく-つの拡散律速波が現われる。この第1波,第2波は温度変化,水銀柱の高さの変化,電気毛管曲線の検討などから両波とも吸着波と推定された。また3.6pHの溶液中では第2波以下が負電位に移行した水銀の最終溶出波によって隠されて-つの波が残ったものと考えられる。
    三電極反応を検討した結果,1.4pH3.6の溶液中の第1波はクロラニル酸水銀(1)イオンの水銀滴への吸着,第2波は吸着したクロラニル酸水銀(1)イオンの1電子酸化波である。pH1.4の溶液中ではクロラニル酸水銀(1)イオンの吸着後,ただちに酸化反応が生じているものと考えられる。
    第1波,第2波の電流値を用いて吸着分子の占有面積を求めたところ,それぞれ462,55.4(A2)が得られた。
  • 乾 智行, 小松 一也, 長瀬 慎一
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 820-826
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    低濃度SO2ガスの簡便迅速な精密定量分析を行なうため,在来の検知管方式の発色反応の不完全性による欠点を改良した完全変i換式定量発色管による方法を,既報のNO.3,coxの分析についで検討した。
    発色剤は,Merckシリカゲルー60の60~80メッシュ粒子に,ローズアニリン塩酸塩の希薄(0.20wt%)水溶液を噴霧法によって4.8wt%薄層として均一に分散担持させたものである。この赤味をおびた桃色の発色剤は,SO2と鋭敏に反応して無色にまで脱色し,この脱色反応は,ローズアニリン塩酸塩1molあたり106molのSO2を消費してすみやかに完結することが確かめられた。
    この発舗を内径1~3ミリのガラス管に80mmまでの長さ1こ充てんしたものを趨発鰭として,これに空気で希釈したSO2試料ガス100~400mlを48ml/min以下の流速で送入し,脱色層の長さによりSO2分析を行なった。脱色層は管入口からSO2の送入量に比例して時間の遅れなく順次に伸び,脱色の程度は測定温度およびSO2濃度に関係なく完全であって,脱色層の長さは送入したSO2総量とつねに良好な直線比例関係をたもった。その結果,3000~1ppmのSOaの定量分析を管径3~1ミリ鞭いわけて,それぞれ平均棚講2%の精蹴もって行なうことができた。
  • 田中 清文, 松原 義治
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 827-830
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ッジョプセン[1]およびβ-カミグレン[2]とクロロ酢酸類(モノ,ジおよびトリクロ質酢酸)の等モル混合物を,25~60℃で2~85時間かきまぜて水和反応を起こさせた。その結果,[1]からウィドロール[1a],2,3,4,4a,5,6,7,8-オクタヒドPt-2β,4aα,8,8-テトラメチルー2α-(ヒドロキシメチル)ナフタレジ[1b],2,3,4,4a,5,6,7,8-オクタヒドロー2α,4aα,8,8-テトラメチルー2β-(ヒドロキシメチル)ナフタレン[1c],およびジヒドローβ-カミグレンー3β-オール[ld]の生成を認め,[2]からは[1b],[1c]および[1d]の生成を確認した。反応条件を選ぶことにより,[1]からは[1a]のみが,また[2]からは高選択的に[1d]がそれぞれ得られた。[1d]は文献未記載の新規セスキテルペンアルコールである。
  • 米田 徳彦, 高橋 行雄, 田尻 千尋, 鈴木 章
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 831-836
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    通常のトランスアルキル化用触媒(三フッ化ホウ素,フッ化水素,塩化アルミニウムなど)では困難なインプロピルベンゼン-フェノール間のトランスアルキル化反応に対して,三フッ化ホウ素-フェノール錯体にフッ化水素を加えた系が有効であり,室温,常圧で高収率,高選択率で行なえることを見いだした。触媒活性種は次式の平衡反応間で生ずる非常に強いプロトン酸,テトラフルオロホウ酸である。
  • 篠田 操, 鈴木 仁美
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 837-840
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    3-メチルー3(3,4,5-トリメチルフェニル)酪酸メチルをクロロホルム中で硝酸カリウムと硫酸によりニトロ化したところ,予期した2,6-ジニトロ誘導体と4,4,6,7,8-ペンタメチルー5-ニトロー3,4-ジヒドロクマリシのほかに,新しいスピロ型のラクトン,4,4,7,8,9-ペンタメチルー6,8,10-トリニトロー1-オキサスピロ[4,5]デカ-6,9-ジエン-2-オンが得られた。このことは,ニトロジヒドロクマリンの生成が単純な1,4-付加脱離機構ではなく,前駆体としてのスピロラクトンが生成したのち,そのアシルオキシ基が1,2-転位によって隣接位置を分子内アシルオキシ化するという機構で進むことを示唆しているように思われる。
  • 結城 康夫, 清水 由記夫, 井上 勝博
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 841-846
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    一般にビグアニド類はカルボン酸エステルとの反応により1,3,5-トリアジン誘導体を与えるが,フェニルビグアニドとアクリル酸メチルとの反応ではトリアジンは得られず1-フェニルー2-グアニジノー1,4,5,6--テトラヒドロピリミジンー4-オン[2a]が得られた。[2a]はβ-アニリノプロピオン酸メチルとジシアンジアミドとの反応によっても合成された。[2a]の加水分解によりNLフェニルーNL(2-カルボキシエチル)ビグアニド[3a]が得られた。また芳香族ビグァニドとメタクリル酸メチルとの反応では相当する1,3,5-トリアジン類と1-アリールー2-グアニジノー5-メチルー1,4,5,6-テトラヒドロピリミジンー4-ナン[9]が得られた。
  • 志村 武彦, 関口 辰夫, 萬田 栄一郎
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 847-851
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    銅フタロシアニン(CuPc)を三酸化硫黄もしくは三酸化硫黄-塩基付加化合物でスルホン化して銅フタロシアニンスルホン酸(CuPc(SO3H)n)を合成する方法を試み,つぎの結果を得た。
    1)塩基としてジオキサン,N,N-ジメチルホルムァミド,トリエチルァミンなどを使用した場合には,反応を不活性溶盤中で行なっても,無溶媒条件で行なっても目的物のCuPc(SO3H)nは得られなかった。
    2)三酸化硫黄を使用した場合には,目的物のCuPc(SO3H)n以外にCuPc分解生成物と考えられる白色化合物が副成した。
    3)三酸化硫黄-ピリジン付加化合物と不活性溶媒中で反応させた場合には,原料を回収したのみであったが,溶媒を使用せずに200℃以主の温度で反応させた場合には目的物のCuPc(SO3H)nが上記分解生成物をともなわずに生成した。三酸化硫黄-ピリジン付加化合物をCuPcの10倍モル使用し,220℃で3.5時間反応させた場合に転換率100%でS分析値がトリスルホン酸とテトラスルホン酸の間の値を示すCuPc(SO3H)nが得られた。
  • 飯田 昌造, 坂見 宏
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 852-858
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    超延伸した高密度ポリエチレンについて引っ張り試験を行ない応力。ひずみ関係を測定した,超延伸物を構成するmicrofibrilが結晶ブロックおよび結晶ブロック間を連結するtiechainを含む非晶領域からなるとし,引っ張りによってtiechainに連結する結晶ブロック内の分子鎖を引き抜くために必要な応力が熱力学的に計算された。計算された応力と実測した応力が同等であることから,分子鎖の引き抜きが伸長時におけるおもな変形機構であることが知られた。引っ張り強度を測定した結果,その値は分子鎖の引き抜きにともなう応力と-致することがわかった。このことから引っ張りによる破断がfibril間のすぺりによって起こるとしても,それにともなうmicrofibril内における分子鎖の引き抜きにともなう応力によって引っ張り強度が決められることがわかった。超延伸ポリエチレンの応力緩和を測定し,熱力学的に計算した分子鎖の引き抜き応力と比較した。その結果,結晶ブロック内にある折りたたみ鎖と伸びきり鎖がともにそれらと接続しているtiechainによって引き抜かれることによって応力緩和が進行し,折りたたみ鎖の引き抜きにともなう応力まで応力が減少したとき,応力緩和が完了することがわかった。
  • 飯田 昌造, 坂見 宏
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 859-865
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    さきに超延伸ポリエチレンの変形過程は結晶ブロックを連結しているtiechainがそれに加えられた力により結晶鎖を引き抜くことであることを示した。本報では超延伸物にγ線を照射して橋かけ反応を施し,橋かけによって引き抜きを防止することにより,引っ張り強度を向上することを試みた。
    高密度ポリエチレンを40倍に延伸したのちγ線を最大100Mrad照射し,その引っ張り試験を行なったところ,とくに高温において引っ張り強度のいちじるしい改善が認められた。また強伸度,くり返しひずみ試験において測定される残留ひずみ,および応力緩和の実験において測定される応力の低下量は照射量の増加に対して減少した。これらの現象は主として橋かけによる引き抜きの防止効果によるものと考えられた。
    橋かけ高分子の応力・ひずみ関係を鎖のすべりにともなう結晶鎖の融解との関係から熱力学的に計算した。ここで結晶鎖のすべりがその鎖の両側に接続するtiechainにかかる応力の不平衡によって起こることを仮定した。応力に関する式はひずみとともに増加し融解にともなうGibbsの自由エネルギーに比例する関数としてまめられた。また実測した応力,ひずみ関係はこの式によくしたがうことが確かめられた。
  • 小林 正幸, 池田 博昭, 増田 勇三
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 866-870
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    高分子溶液であるポリ酢酸ビニル(M.=5.7×104~15.4×10)-エタノールとポリスチレン(1.=1,74×10`)-デカリンの臨界点近傍でのずれ粘性を,Ubbelohde型毛細管粘度計により測定した。二成分溶液における臨界点近傍での異常粘性に対する理論は川崎によって示され,dη/η=alnε+b(a-16y/15π2,ε=lT-T,11T)という方程式が導かれている。この研究では,得られた測定値を,上記の理論方程式にしたがって解析し,臨界異常粘性に対するσの値について検討した。その結果,ポリ酢酸ビニルエタノールでa=-0.015±0.002-,ポリスチレンーデカリンではa=-0,068±0.001という値が得られた,ポリ酢酸ビニルーエタノールのaの値が川崎の示した理論値と比較して非常に異なった値を示したのは,高分子の分子量分布による影響と思われる。一方,ポリスチレンーデカリンのαの値は川崎の理論値にほぼ一致した。
  • 成智 聖司, 三浦 正敏, 長久保 国治
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 871-875
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    メタクリル酸マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウムのアルカリ土類金属塩それにアルカリ金属塩としてメタクリル酸リチウム,ナトリウム,カリウムについての熱二量化および三量化を研究した。
    これらの金属塩は230℃,3時間,減圧で熱処理し,熱処理した金属塩をメチルエステルとし分別蒸留した。各留分をガスクロマトグラムにより成分を調べ,各成分はNMR,IRなどによりその構造を確認した。
    バリウム塩はα-メチレンーδ-メチルァジピン酸ジメチル[4](20.7%転化率)とα-メチレン-γ,γ-ジメチルグルタル酸ジメチル[1](11.9%転化率)の2種類の二量体,それに三量体として1-ノネンー2,5,8-トリカルボン酸トリメチル[8](5.2%転化率),4-メチルー1-オクテンー2,4,7-トリカルボン酸トリメチル[6](10.9%転化率)を与える。
    マグネシウム,カルシウム,ストロンチウムの金属塩では二量体として,それぞれ15.9,30.1,33.7%の転化率で[4]だけを与え,三量体は[8]を6.0,23.0,21.7%の転化率で与える。アルカリ金属塩ではアルカリ土類金属塩にくらべて重合物が多く,二量体は約2%程度でほとんど生き成しないが,リチウム塩では[1]を1%,[4]を14.4%の転化率でそれぞれ与える。
  • 綿本 春枝, 砺波 宏明
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 876-881
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    反応性紫外線吸収剤であるp-ベンゾイルオキシスチレンを繊維ヘグラフト共重合する新しい方法としてPad-Cure法を行なった。その結果,低モノマー濃度,ごく短時間の重合で種々のグラフト繊維を得た。目的の紫外線劣化防止効果はこのPad-Cure法によるグラフト共重合物の方が従来のグラフト共重合法により得られたものよりすく,れていた。これはPad-Cure法によって得られるグラフトポリマーはグラフト率に関係なくいずれも[η]は小さく,さらにこれらのグラフトポリマーは繊維中に多数存在しているためであることがわかった。
  • 野中 敬正, 江川 博明
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 882-887
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリメタクリル酸メチル(PMMA)にヒドラジン水湘物を高温(150~175℃)で反応させて水溶性のポリメタクリル酸ヒドラジド(PMH)を合成した。PMHの凝集作用をカオリン懸濁液を使って検討した,凝集効果はジャーテストによる上澄液の懸濁質濃度と沈降管による沈降速度と沈降容積について測定した。
    PMMA19にヒドラジン水和物を20m1加えて150~175。Cで7時間反応させたとき,水溶性のPMHが得られた。とくに175。Cで得られたPMHはカオリン懸濁液に対して良好な凝集効果を示した。得られたPMHは水溶液中で両性高分子と類似した粘度挙動を示した。その結果,pHの異なったカオリン懸濁液の凝集においていちじるしい差が認められた。すなわちポリマーの添加量が懸濁液中のカオリンに対して0.04%のとき,pH3,4.3および5で沈降速度はそれぞれ5.0,4.0および5.0cmlmiであり,沈降容積はそれぞれ40,48および4。3m1であった。凝集効果とPMHの水溶液中での広がりとの関連についても検討した。
  • 江川 博明, 野中 敬正, 藤山 幽泉
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 888-893
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    メタクリル酸メチルとジビニルペンゼンから得た巨大網状構造(MR型)の共重合体をヒドラジン水和物でヒドラジノリシスを行なって酸ヒドラジド基を有するMR型キレート樹脂を合成し,その金属玉イオン吸着性について検討した。
    これら共重合体のヒドラジノリシスは反応の初期にカルボキシル基の生成をともなって進み,生成したカルボキシル基は高温における引き続いての反応によって酸ヒドラジド基に変わることが明らかになった。メタクリル酸メチル90~95vo1%,ジビニルベンゼン5~10v。1%のモノマーに対しインオクタン(2,2,4-トリメチルペジタン)を50Vo1%使用して合成したMR型共重合体を175。C,5~9時間ヒドラジノリシスすることにより最良のキレート樹脂が得られた.このキレート樹脂は少量のカルボキシル基を有するためpH4以上においてCa2+を吸着するが,pH4以下においてはアンミン錯体を生成しやすい金属イオンを選択的に吸着し,とくにHg2+,Cu2+に対し高い吸着性を示した。また吸着される金属イオンもpHを調整することにeより分離できること,およびこれら金厩イオンの吸着は他のイオン(K+,Na+)の存在にはほとんど影響されないことが見いだされた。Hg2+,Zn2+についてカラム法による吸着,溶離のリサイクルについても検討した。
  • 黒木 健, 本田 孟, 関口 優紀, 小川 太一, 沢口 孝志, 池村 糺
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 894-901
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリスチレンの熱分解反応を流通系充てん層反応器で実施するとともに,生成物の同定を行なった。熱処理試料(280℃/hr)と原試料の熱分析では,低温度領域と高温度領域の二段階反応が存在し,熱劣化の影響は低温度領域の活性化エネルギーに顕著に示された。原試料54.7kcal/mol,熱処理試料30.2kca1/molが得られた。処理温度2500C,1時間以下では原試料とかわらない。
    同定した成分は20種類,そのなかの主要なものは,α-メチルナフタレン,ビフェニル,1,2-ジフェニルプロバン,1,2-ジフェニルー1-プロペン,1,3-ジフェニルー1-プロペンである。不揮発成分は500℃ではワヅクス,350。Cでは二量体相当留分のグリース状である。したがって後考からの単量体回収は困難である。
    また,α-メチルスチレン,トルエン,エチルベンゼンの各生成物は,おもに三量体,二量体,1,3-ジフェニルプβパンなどの二次分解反応によるものであることを明らかにした。
  • 藤村 満, 橋本 芳一
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 902-906
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    大気エーロゾル中の微量元素と発生源との関係を調べるため,粒度分布に基づいて検討を行なった。アンダーセンサンプラーを用いてエーロゾルを分縁捕集し,数値計算処理によって連続な粒度分布曲線を求めた結果,一般に環境中においては,4~5μmと1μm以下とに二つのピークをもつ分布形であることを確認した。また中性子放射化分析あるいは原子吸光分析をすることにより,1,5~2μmを境に二つの粒子群,すなわち「粗大粒子」,「微小粒子」にわけられることがわかった。粗大粒子は主として土壌成分,または機械的発生によるものであり,微小粒子はおもに燃焼過程を経て発生し大気汚染にも関係深いものであった。したがってエーロゾルの測定,濃度評価のさいには,この2群をわけて扱うことによって発生機構の大まかな分離が可能となり,発生源との関連を解析する上でも非常に有効なデータとなり得る。
  • 笠岡 成光, 山中 徹
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 907-914
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    窒素酸化物のアンモニアによる還元脱硝に対する高活性で,かつ耐久性の強い触媒を探索するために,主として金属硫酸塩混合水溶液とNHs水溶液とから共沈法で調製したFe,Cr,Cu,A1,Ti,Mgの酸化物を主成分とする-連の触媒(平均粒径1.Omm)の脱硝活性ならびに共存SOの影響などを内径12.Ommの反応管への触媒固定層,常圧流通法で検討した。実験は,500PPmNO-667PPmNH3-Oあるいは1000PPmSO2-5%O2-H20-N2の混合ガスを1000Ncm3/min(Sγ=L1×106hr糟三)で供給し,250~5000Cの定温下で行なった。その結果,Fe2O2--TiO2系(Fe2(SO,)s-α-Fe20s--TiO2)がS傷の有無によらず高脱硝活性を有すること,.また,これにM。O2-やWOsを添加することによって,耐SOの性ならびに選択性が向上することを明らかにした。さらに,H2やNH3によって前処理した触媒の脱硝活性と,NH3のO2-による酸化反応などを検討し,触媒中に存在するSO4根が,安定な脱硝活性を与える重要な要素となることを認めた。またTiO2はアナターゼ型にかぎり,単独でも脱硝活性を有し,かつ,この場合もMoO3やWO3の添加がきわめて有効であることを見いだした。
  • 木田 茂夫, 平野 俊二, 安藤 房子, 野中 靖臣
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 915-917
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリジチオカルバマート樹脂は,ポリエチレンイミンと二硫化炭素と水酸化ナトリウムを反応させることによって得られる。しかし,ゲル状の樹脂層を通して水溶液を能率よく流せるようにするには,あらかじあポジエチレンイミンを粉末シリカゲルと混ぜた上,1,2-ジブロモエタンと処理する必要がある。
    このようにして得た樹脂(以下DTC樹脂と略記する)は水溶液中から種々の重金属イオンをジチオカルパマト錯体として捕集する。その飽和捕集量はo,7mmol/9である。金属イオンとDTC樹脂との間の結合能は金属イオンの種類によって顕著に異なる。この相違を定量的に知る目的で2種の金属イオンを競争的にDTC樹脂に曙着させて,その吸着金属イオンの比を定量する実験を行なった。その結果Mg2,Ni2tCd2+Zn2+Pb2+の順によくDTC樹脂と結合しやすいことがわかった。この樹脂は,多量のNa+,K+,Mg2+などのような軽金属イオンを含む水溶液から微量の重金属を選択的に除去するのに適している。
  • 三田村 孝, 内田 郁夫, 丸山 正樹, 菊池 実
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 918-919
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The effects of metal chlorides on the calcination of heavy calcium carbonate and on the reaction of this with SO2 were investigated from 800°C to 1000°C by using a fixed bed. Both the calcination rate (%) of calcium carbonate in an air and the conversion rate (%) into calcium sulfate in SO2 gas whose concentration being 15 vol% (on air) increased by the addition of ZnCl, (1%) or FeCl3 (1%). The conversion rate of heavy calcium carbonate was 53.2% at 900°C for 2 min, while by the addition of ZnCl2 or FeCl3 it changed into 80.6% or 79.3%, respectively.
  • 柴田 勝喜, 左高 宏光, 松居 正樹, 高瀬 福巳
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 920-921
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Irradiation of the solutionof azonaphthalenes in acetyl chloride results in the formation of monochlorinated N, N'-diacetylhydrazonaphthalenes which are the mixtures of two positional isomers with respect to the chlorine substitution. A similar reaction of naphthaleneazobenzenes gives the chlorinated products in which the attack of the naphthalene ring predominates. These facts can be interpreted in terms of the resonance stabilization of nitrenium ions. The α- and β-substituted naphthalene rings show equal reactivity towards the chlorination.
  • 田中 清文, 松原 義治
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 922-924
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Hydrative cyclization of dihydromyrcene (2, 6-dimethyl-2, 7-octadiene) [1] by the action of equimolar mono-, di-, or trichloroacetic acid was studied under anhydrous conditions.
    Under optimum conditions, 1-(3, 3-dimethylcyclohexyl)ethanol 3 was obtained as a major product accompanying dihydromyrcenol (2, 6-dimethyl-7-octen-2-ol) [2], 2, 6, 6-trimethylcycloheptanol [4] and other alcohols as minor products. The conversion of [1] was 72%, and [3] was found to be 74% of the alcohols by GLC analysis.
  • 藤田 治重, 山下 正太郎
    1977 年 1977 巻 6 号 p. 925-927
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The alkylenation methylenation, ethylenation and trimethylenation of 1, 2, 4-benzenetriol [1] and 5-t-butyl-1, 2, 4-benzenetriol [5] afforded the corresponding alkylenedioxyphenols in good yields with high purity. As a solvent DMSO was preferable to DMF.
  • 1977 年 1977 巻 6 号 p. 928a
    発行日: 1977年
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 1977 巻 6 号 p. 928b
    発行日: 1977年
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 1977 巻 6 号 p. 928c
    発行日: 1977年
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 1977 巻 6 号 p. 928d
    発行日: 1977年
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
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