日本化学会誌(化学と工業化学)
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1996 巻, 2 号
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  • 佐々木 義之
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 109-115
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    第二級アミンと二酸化炭素の反応により生成するカルバミン酸は,ルテニウム錯体触媒存在下で,アセチレンあるいは末端アルキンに付加して N,N-ジアルキルカルバミン酸ビニルエステルあるいはその誘導体を生成する。同様の反応を第一級アミンを用いて行った場合には, 1,3-ジアルキル尿素が生成する。しかし,第三級アミンの存在下でアルコールと二酸化炭素より生成する炭酸水素アルキルは,同様の反応条件下ではアルキンとは反応しない。一方, 2-プロピノールは,ルテニウム錯体-第三級アミン系触媒存在下で二酸化炭素と 2:1 で反応して,炭酸 2-オキソプロピル 2-プロピニルあるいはその誘導体を生成する。第三級アミンの代わりに第一級アミンを用いた場合には, 2-プロピノール,二酸化炭素及び第二級アミンが 1:1:1 で反応して, N,N-ジアルキルカルバミン酸 2-オキソプロピルが生成する。また,第三級アミンの代わりに第一級アミンを用いた場合には,環化反応により, 3-アルキル-4-メチル-1,3-オキサゾール-2(3H)-オンが生成する。さらに,第三級アミン存在下での反応を第一級アルコール中で行うと,二酸化炭素, 2-プロピノール,及び第一級アルコールが 1:1:1 で反応した炭酸アルキル 2-オキソプロピルが生成する。
    これらの反応はすべて,基本的には,塩基性雰囲気下でアルコールやアミンと反応した二酸化炭素が,ルテニウム錯体により活性化された炭素-炭素三重結合に求核的に付加することにより進行しているものと考えられる。
  • 大前 貴之
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 116-120
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々の環状構造を持つた共役電子系のトポロジカル参照系の量子化学的諸量を,現在広く流布しパーソナルコンピューター上でも利用されているヒュッケル(H_=_ckel)分子軌道法プログラムを用いて,簡便に計算する方法を提案した。この方法はダイソン(Dyson)方程式に基づくヒュッケル近似下のプロパゲーターの組み立て法から考案されたもので,トポロジカル参照系に対応する樹状共役系を作図によって求め,得られた樹状構造のヒュッケル分子軌道法計算の結果からトポロジカル参照系の種々の量子化学的諸量を求める。たとえば三員環のトポロジカル参照系には 5 原子鎖状分子の中心の原子が対応し, 5 原子鎖状分子の中心原子におけるヒュッケル分子軌道の LCAO 係数と軌道エネルギーから,三員環のトポロジカル参照系の量子化学的諸量が計算できる。ここで提案した方法の有用性を示すために,先の報文で一般解を報告したヒュッケルアヌレンのいくつかの量子化学的指数を,構成原子数が 3 から 10 の場合についてこの方法を用いて計算した。計算結果と一般解との一致は良好であった。
  • 嶋林 三郎, 西野 和美, 有馬 賢一, 宇野 公之, 中垣 正幸
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 121-128
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    コンドロイチン-6-硫酸ナトリウム(Na2Chs)とポリビニルピロリドン K-90 (PVP),あるいはナトリウムカルボキシラトメチルセルロース(NaCMC)と PVP との混合系(154mmol/dm3NaCl水溶液)から無定形親水性シリカ Micon FN へこれらの高分子を吸着させた。初濃度c0 と平衡濃度 c1 との差より吸着量を求めると, Na2Chs と NaCMC とについては PVP の混合比が大であるときに負の値となった。この負吸着の原因は, Micon FN 粒子表面の細孔や粒子間空隙(体積 Vp )に溶媒の食塩水のみが取り込まれ,バルク相中で高分子が濃縮されるためと結論した。この体積 Vp を,(1)吸着平衡に達した上澄み液を 2 段階に希釈して計算により,見かけの吸着等温線の傾斜より,(3)ナトリウムイオンの活量測定より,求めた。この 3 通りの方法で求めた値はほぼ一致して, Vp=2-6ml/g となった。この間隙水量 Vp を用いて見かけの吸着量を補正し,これらの高分子の真の吸着量を求めたところ,いずれも正の「正常な」吸着量となった。
  • 菅野 周一, 荒戸 利昭, 加藤 明, 山下 寿生, 小豆 畑茂, 玉田 慎
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 129-135
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    オゾン破壊物質である CFCs (クロロフルオロカーボン類)の分解処理技術の開発が急務となっている。触媒を用いた分解プロセスは,高活性,高寿命の触媒が見いだせれば,他の方法に比べ低い温度で処理することができるため,実用的なプロセスとなりうる。そこで,本研究では CFC113(C2Cl3F3)を用いて水蒸気による分解触媒の探索を行った。その結果, TiO2 触媒が高活性を示した。しかし,反応時間わずか 2 時間で活性低下が見られた。TiO2 に他の酸化物(WO3,zrO2,Nb2O5)を添加すると,WO3を混合した TiO2-WO3 触媒が高活性を維持した。TiO2系触媒の酸強度分布測定の結果,TiO2-W03触媒は TiO2 単独触媒に比べて H0≦-5.6 の酸点量が増加しており,強酸点は CFC 分解反応において劣化しにくいと推定され,触媒表面の酸点と活性との間には密接な関係があることがわかった。TiO2-W03 触媒の耐久性を調べるため 100 時間の連続実験を行った結果,分解率 99.5% 以上の高活性を維持し,耐久性にも優れていることが確認された。
  • 陶山 容子, 片山 恵一, 目黒 勝
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 136-140
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    クリノプチロライトあるいはモルデナイトといった天然ゼオライトがアンモニウムイオンに対し大きいイオン交換能を持つことはよく知られている。しかし,石炭灰から合成されたゼオライトのアンモニウムイオン吸着特性についてはよく知られていない。本研究では,石炭灰から水熱合成法で合成したゼオライトについて液相におけるアンモニウムイオンの吸着特性を調べた。
    石炭灰から生成したゼオライトは,フィリプサイト,アナルサイム,ヒドロキシソーダライトの三種であった。NH4+吸着能はゼオライトの種類によって大きく異なり,フィリプサイトが大きな NH4+吸着能を有することがわかった。これに対し,アナルサイムやヒドロキシソーダライトの吸着能は低い。フィリプサイトの含有率の増加とともに NH4+ 吸着量は直線的に増加し,フィリプサイト 100% のときの NH4+ 吸着量は 3.5mmol/g と推定された。この NH4+ 吸着能は,優れた NH4+吸着能が知られているモルデナイト,あるいは Na-A型ゼオライトの同一条件下での NH4+ 吸着量が約 2.6mmol/g であるのに比べても大きい。フィリプサイトの NH4+ 吸着量は溶液の pH によって変化し ,pH=6.5 ~9 で最大値を取る。
  • 掛本 道子, 村上 和雄, 小川 裕康
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 141-145
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    酵素の反応特異性を利用した包括固定化酵素膜と電気化学検出法を用いた HPLC によるエタノールとグルコースの同時定量法を確立し,市販のアルコール飲料中のエタノール,グルコースの定量に応用した。包括固定化膜には光橋かけ性樹脂, PVA-SbQ を用いた。この膜にアルコールオキシダーゼとグルコースオキシターゼを同時に包括固定化し,これを白金電極に貼り付け酵素反応によって生じた過酸化水素を電気化学的に測定する。この方法でエタノール,グルコースの最小検出量はそれぞれ 30ng, 50ng であり,良好な感度が得られた。分離カラムで分離することにより FLA 法とくらべて妨害成分の影響を受けず,エタノールとグルコースの同時測定が可能となった。また固定化酵素膜電極を利用することにより,高度の選択性が得られた包括固定化酵素膜は多くの化学処理を必要とせず,簡便に制作でき,しかもアルコールオキシダーゼのような失活し易い酵素の固定化に最適である。本法は簡単な前処理で選択的にアルコール飲料中のエタノール,グルコースを同時定量できる有用な方法であることが明らかになった。
  • 福島 和彦, 高井 佳彦, 金山 敦, 小野 慎, 吉村 敏章, 森田 弘之, 作道 栄一, 島崎 長一郎
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 146-153
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    リン酸二水素グアニジニウム(1)およびリン酸水素ニグアニジニウム(2)の熱分解を検討した。比較のため炭酸ニグアニジニウム(3)と硝酸グアニジニウム(4)の熱分析も行った。TG-DTA 測定では 4 種の試料間に類似性がほとんど観測されなかったが,熱分解で発生した揮発成分の GC/MS 測定では, 4 種共に水,アンモニア,イソシアン酸,二酸化炭素などが検出された。さらに 1 ,2 の揮発成分を冷却固化し, MS および IR にて分析した結果,同様なグアニジソ誘導体の形成が確認された。 1,2 の熱分解残留物の IR 測定では, 300℃ までは異なるスペクトルを示したがそれ以降では同一のスペクトルを示したことから, 300℃ までにグアニジニウムイオン部位の熱分解でビグアニドやアミジノ尿素等のグアニジンおよび尿素誘導体が形成,分解し,ほぼ完全にグアニジニウムイオン部位が消失することが示唆された。さらに 500℃ 以降では,縮合生成したポリリン酸の分解による五酸化ニリソの形成が推測された。また, TG 曲線から算出された活性化エネルギーからも熱分解過程が検討され, 1,2 では重量損失約 20% で活性化エネルギーが最高値となり,その段階における脱水縮合とグアニジニウムイオン部位の熱分解の重複が示唆された。
  • 松井 修一, 上島 晃智, 鈴木 良弘
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 154-159
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    光学活性アミンおよびアミノ酸から誘導したキラルな N-一置換ベンズアミド(1a~f)は, THF 中, 0℃ で 2 モル量の n-BuLi と TMEDA で処理するとオルトリチオ化を起こす。このリチオ化体はアルデヒドとスムーズに反応し,ジアステレオマー混合物として付加体(2a~f)を生成し,さらにその付加体を酸処理すると高収率でフタリド(3)を生成する。不斉アミンから誘導したベンズアミドとアルデヒドの反応では,付加体(2a~c)のジアステレオ選択性は低く, 2a~c の環化によって得られるフタリド(3)の光学収率は低い。不斉β-メトキシアミンから誘導したアミド(1d~f)を使用すると,付加体のジアステレオマー選択性も,フタリド(3)の光学純度も向上した。(S)-(-)-N-[1-(メトキシメチル)-2-メチルプロピル]ベンズアミド(1e)のジリチオ体とペンタナールの反応により,セロリの精油成分(S)-(-)-3-ブチルフタリドが鏡像体過剰率78%で得られた。
  • 井上 吉教, 森田 俊夫, 北嶋 英彦
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 160-165
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    一置換p-ベンゾキノン誘導体(1)(置換基;a;OMe,b;F,c;Cl,d;C0Me,e;COPh,f;COOMeg;CN,h;Ph,i;p-O2NC6H4,j; p-Me2NC6H4)とN,N-ジメチルアニリソ(2a),N,N-ジエチルアニリン(2b),N-ジメチル-m-アニシジン(2c)および.N,N-ジエチル-m-アニシジン(2d)との酢酸中における反応の位置選択性について半経験的分子軌道法(CNDO/2, MNDO)により検討した。1の中性分子の LUMO 係数では 1h~j の位置選択性を説明できないが, 1 のプロトン化種の LUMO 係数は位置選択性の低い 1c を除いて実験結果と一致した。すなわち, 1a~b の場合は 5 位, 1d~9 の場合は 3 位, 1h~j の場合は 6 位の LUMO 係数がそれぞれ最も大きく実験の位置選択性と一致した。また 1 がプロトン化されるとその LUMO エネルギー準位が低下し, 2 の HOMO との相互作用力が容易になり,これが 1 と 2 の反応に酢酸が必要な理由と推定された。
  • 山口 正人, 泉 友則, 礒辺 俊明, 奥山 典生
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 166-175
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    天然の高分子多糖であるグルコマンナン(GM)およびスラブ電気泳動の支持体として用いられている市販の試薬を含むいくつかの多糖類を,キャピラリー電気泳動(CE)用ポリマー溶液として,それらの分子ふるい添加物としての高分子分離特性について比較,検討した。その結果,溶液濃度および測定条件を統一し,分離対象物質として制限酵素消化 DNA フラグメントを用いた場合, GM が最も高い分離度を示した。これは GM が他の多糖類と比較して分子量が大きいこと,分岐の少ない直鎖状の構造を持ち慣性半径が大きいことなどにより,キャピラリー内で安定な網目を形成するためと考えた。一般に DNA フラグメントの分離度は, GM 濃度を調整することで改善が可能であった。しかし,オリゴヌクレオチドのような低分子試料,また数千 bp といったかなり大きな DNA フラグメントの分離には, GM 濃度の調整だけでは十分には対臨できないことがわかった。この場合,GMの分子量が分離度に大きく影響しており,分離対象物質の分子量に応じて,分離媒体であるGMの分子量を適切に選択することが重要であることがわかった。また,分離度以外に GM 溶液は,(1) 毒性がない,(2) 長期保存安定性にすぐれている,(3) 分析の再現性が良好であり自動化がはかれる,といった CE 用ポリマー溶液として好ましい特徴をいくつか持っていることが確認できた。
    本研究の成果は,将来 PCR 産物の分析,遺伝子解析など生命科学領域への適用が可能であると考える。
  • 筒井 恭治, 佐藤 清隆, 小林 雅通
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 176-183
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    炭素数 16~24 の飽和脂肪酸の結晶膜を,クロム蒸着膜をもつガラス基板上に作製し,これに直径 1μm のレーザー光 (830nm) を走査速度約 4m/s で照射した。照射部分には,偏光に対し薩交ニコル下で高いコントラストをもつ記録が形成できた。この記録は融点直下の温度の熱処理で消去でき,またレーザー光の重ね照射によっても消去できた。偏光顕微鏡観察, X 線回折および高感度反射法による IR スペクトルの測定から,照射前の結晶膜が方向のそろった C 型の垂直配向の結晶膜であり,その結晶膜の一部が短時間のレーザー光照射で急激に溶融・再結晶化すると,その部分が同じ C 型の水平配向結晶に変化することがわかった。レーザー光の強度による記録部分の偏光特性の変化から,記録により形成された水平配向結晶の平均の方位は,垂直配向結晶の方位に対して規則的であり,膜面と垂直な方向から見たと,両者が互いに光学的異方性を打ち消しあう関係にあると推定された。
  • 筒井 恭治, 佐藤 清隆, 小林 雅通
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 184-190
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    クロム蒸者膜をもつガラス基板上に作製したパルミチン酸の垂直配向結晶膜に対し,レーザー光を高速に走査することによって,偏光に対しコントラストの強い記録が形成できる(第1報)。この機構を分子レベルで明らかにするため,モデル物質としてパルミチン酸を用い,記録部分の分子配向を非記録部分と比較しながら偏光 IR スペクトルの測定により解析した。偏光の振動方向に対する,炭化水素鎖の CR2 のはさみ振動および伸縮振動の吸収の変化から,記録部に形成した結晶の c 軸が記録前の垂直配向結晶の b 軸と平行であり,α 軸と直交していることがわかった。この分子配向関係を確認するため,レーザー光を照射した部分の再結晶化過程を SEM で観察した結果,パルミチン酸の単結晶が垂直配向の結晶軸に対し規則的な方向に成長していることがわかった。この結晶の方位は, IR スペクトルによる解析の結果と一致した。この結果から,記録部分では垂直配向結晶と,再結晶化により光学的異方性を打ち消す方位に変化した水平配向結晶が重なることによって,偏光に対し強いコントラストが得られることが明らかになった。
  • 田中 豊英, 山本 真也, 榎田 年男, 廣橋 亮
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 191-199
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    金属フタロシアニンをポリエステル樹脂に分散させた有機光伝導体の熱刺激電流 (TSC) 測定を行い,キャリヤーのトラップおよび脱トラップ過程から光伝導機構について検討を行った。これらの有機,光伝導体を分散している樹脂の分極による緩和電流および光照射により固有の準位にトラップされたキャリヤーによる TSC ピークが観察された。このピークの大きさは照射光の波長に大きく依存することがわかった。
    数個のトラップが重畳して一つのピークを形成している場合,トラップ準位は TSC の理論曲線を代数的に加算するカーブフィティング操作によって計算的に求められることを示した。.また連続したトラップの場合はサーマルクリーニング法が有効であることがわかった。TiO(pc)/PEs 分散膜のトラップの準位分布は TiO(pc) 粒子の大きさ,粒子間距離および結晶系に大きく依存し,トラップサイトの密度は TiO(pc) の粒径より表面積に依存すると考えられることから,それは TiO(pc)-PEs 粒子の表面あるいは界面にトラップサイトが存在すると結論した.さらにα,β,γおよび無定型 TiO(pc) のトラップ特性についても調べた。
  • 冨岡 敏一, 冨田 勝己, 岡 弘章, 西野 敦
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 200-203
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    シリカゲル担体にチオスルファト銀錯体を担持させて抗菌剤を調製し,担持効果が抗菌剤の熱安定性に与える影響を研究した。担体の比表面積の増加あるいは細孔容積の減少に伴い抗菌剤を含む成形樹脂の色調変化に抑制効果が認められた。熱分析,樹脂加工時の熱による樹脂色調の測定結果から,シリカゲル担体に熱処理を施すことにより,抗菌剤の熱安定性向上が認められた。抗菌剤添加成形樹脂の色調変化は,樹脂成形の加熱加工に伴う担体シリカゲルから遊離した吸着水分によるチオスルファト銀錯体の分解,酸化と考えられる,シリカゲル担体の熱処理により,担体に吸着保持される水分量を低減させ,その結果,樹脂加熱加工時に遊離する水分量を低減させることで,色調変化を抑制したものと考えられる。
  • 谷田部 純, 茂木 孝道, 片岡 恭子, 伊香輪 恒男, 影山 俊文
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 204-207
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    High purity a-quartz was prepared by calcination of silicon dioxide-triethylamine (3/2) at 1000 °C for 24 h in air.
    Silico n dioxide-triethylamine (3/2) was obtained by the reaction of triethylamine and silicic acid in a tetrahydrofuran (THF) solution for 24 h at room temperature. The compound was confirmed to be 2(C2H5)3N⋅3 SiO2 by the elemental analysis, infrared specturm and the thermogravimetric analysis.
    Impurity of sodium, potassum, iron and aluminium was not detected by atomic absorption analysys o f α-quartz synthesized, a no uranium as impurity was also detected by fluorescence analysis.
    Reaction was considered as follows.
    3H4SiO4+2 (C2H5)3N→2(C2H5)3N→3 SiO2+6H2O
    2(C2H5)3N→3 SiO2+ 21_??_O2→3 SiO2+ 12CO2+15 H2O+2NO2
  • 今井 昭二, 神谷 直子, 林 康久
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 208-211
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Precipitation samples (snow) fallen before and after of a strong low pressure passings along south cMoast of Japan were collected at Joetsu city, Niigata, Japan. Dissolved ions such as Na+, K+, NH4+, Mg2+, Ca2+, Cl-, Br-, NO3-, and SO42- and pH value were analyzed. The concentration of nss-SO42-and nss-Ca2+ were very low and that of NO3- was high before the low pressure passings when the air mass above the Pacific Ocean would be brought to Joetsu city. The concentration of nss-SO42- and nssCa2+ increased and that of NO3- decreased after the passings when the air mass above the Japan sea would be brought. The pH value was 5.38 and 4.77 before and after passings, respectively. The d ecrease in pH value corresponded to the increase in nss-SO42-
  • 羽田 政明, 金田一 嘉昭, 稲葉 仁, 浜田 秀昭
    1996 年 1996 巻 2 号 p. 212-214
    発行日: 1996/02/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The catalytic performance of silver-supported and -unsupported TiO2-ZrO2 catalysts for the selective reduction of NO, in the presence of oxygen, was investigated by using a fixed-bed flow reactor system. The addition of silver promoted the catalytic activity of TiO2, Zr02 and TiO2-ZrO2 for NO reduction with propene. Compared with Ag/TiO2 and Ag/ZrO2, Ag/TiO2-ZrO2 could reduce NO into N2 with more than 90% selectivity. Although the catalytic activity of Ag/TiO2-ZrO2 for NO reduction with propene was depressed by water vapor, enhancement of NO conversion by the presence of water vapor was observed when 2-propanol or acetone was used as the reductant.
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