雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
3 巻, 5 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 黒田 正夫, 高橋 敏夫, 工藤 清
    1941 年 3 巻 5 号 p. 209-215
    発行日: 1941/05/01
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    吾々の行つた直角圓錐形落錘の自由落下に依る積雪の衝撃試驗から次の結論を得た。
    (1) 資料の積雪が均一等質にして, 測定器に比し充分なる時は, 殆んどすべての雪質に對し『落錘の衝撃により生じた雪而の窪の膿積は, 衛撃の全エネルギーに比例する』が成立し, 先述の(2) 式に依つて硬度を定義することが可能である。
    (2) 但し資料の雪層が薄きに過ぎるが軟過ぎる時は本測定器にては測定不能のことが屡々あり逆に硬きに過ぎる時(窪が小に過ぎ)も同様である。依つて軟雪用及硬雪用として少くとも二種類(又は現在のものより輕く且つ慶範圍に荷重を加減し得るもの)の測器を持つことが必要である。一面, 現在の測器より可級的大型(持進に便であつて)のものを造ることも考へられる。
    (3) 塑性を持つた積零の硬度を調べやうとすれば,必然的に粘性に就いての研究が必要である恐らくは硬度は粘性と最も密接な關係にあるものであらうから。
    (4) 雪質に依つては氷の如き弾性體から, 粗目雪のあるものに見られる脆弱性多きもの, 或は塞冷時の粉雪の如き全く粉體と考られるもの等廣い範圍の物態に就て充分の研究が必要である。
    (5) 最後に本測定法と異るものに就いての試驗研究の必要は云ふまでもない。
    以上の諸項目を今後の指針として,吾々は硬度に關する研究を續行してゆく考で居る。
  • 宮川 勇
    1941 年 3 巻 5 号 p. 216-224
    発行日: 1941/05/01
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    鐵道線路が地盤の凍結, 融解によつて蒙る被害を正確に數學で示すことは仲々容易でないが, 冬季凍上によつて生じた軌條面の不陸を整正し軌道状態を良好に維持する爲めに行はれる挾木作業だけについてみると滿洲では大體の所, 昭和12年頃迄の調査では挾木挿入延長は社, 國線共本線軌道延長の10%前後, 整正作業量社線では全保修作業量の3~5%位である。之等の凍上並に春暖期に於ける融解沈下による軟道の不陸, 軟弱化を可及的範團に於て減少し以て鐡道運輸の安全と輸送力の増強並に人的, 物的資材の節減を期する爲め満鐵でも線路凍害對策委員會の成立を見たことは先に述べた通りであるが, 本委員での凍害防止對策を確立する爲め先づ凍上による實際被害程度の細密なる調査と共に原因究明の爲めの現場調査を全満に亘り進めつゝあり, 共等の成果に就ては後日適當な方法を以て發表せられることになると思はれるが, 之に先立つて酷寒劃策委員會では前記の如く昭和12年より14年に至る二冬期に亘つて現地線路の凍上機構を知る一手段として奉吉線並に京圖線の一部に現場調査施設を設けて下記の様な諸事項につき調べて居るのでこゝには滿洲の線路凍上の一端を瞥見する意味で當時の記録及び前記報文から少しく摘記して御紹介の一助に資することゝしたい。
  • 平田 徳太郎
    1941 年 3 巻 5 号 p. 225-236
    発行日: 1941/05/01
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
feedback
Top