融雪のシンポジウムでは5つの話題が提供されたが, 特徴的には3つに分類されると思う。第1は, 積雪表面層における熱収支を取り上げた融雪の機構に関するもの (小島), 第2は, 野外における融雪水の流出に関するもの (解析-山岡, 予報-山口), 第3は, 人工融雪に関するもの (農耕地-大沼, 道路-板倉) である。これらは, 現在, 融雪の研究で取り上げられている主要な問題であり, 又, 各話題提供者は, それぞれの方面での最高権威者である。
融雪が雪氷学会の大会のシンポジウムに取り上げられたのは今回が始めてでもあり, 又, 開催地の札幌には, 大学, 現業宮庁とも, 融雪には関係の深い面も多いとあって, 早くから関心と期待をよせられていた。それを反映して, 当日は, 参会者が会場にみち溢れるという盛況であった。ただ, 大会の全体のプログラムの都合で, シンポジウムの時間が足りなく, 討論をやむなく途中打切りにしたのが再三あった。誠に残念であった。午後2時50分開始, 午後5時20分終了, その後で映画が上映された。以下に, 講演順序に従って, 各講師の講演について述べよう。
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