雪氷はエネルギー資源としては枯渇の恐れが少なく,また,環境を汚染する恐れも少ない優れた雪国固有の冷熱資源でもある.このような認識が広まり,冬期間の雪氷を長期間貯蔵し,利用する,いわゆる,利雪が開始された.雪氷は周囲の環境温度が高くなる時期まで貯蔵してはじめて冷熱としての価値が見いだされ,雪氷の貯蔵技術の開発は利雪を展開する上で重要である.
本研究においては,雪の貯蔵施設の中でも構造の簡素さ,集雪作業の簡便さなど優れた特徴を有する,いわゆる,「雪室」の熱設計に関する計算式の導入を行い,その妥当性を実証実験により確認した.また,雪氷の貯蔵期間を伸ばす簡便な方策についての検討を行った.
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