雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
50 巻, 1 号
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  • 小西 啓之, 遠藤 辰雄, 若浜 五郎
    1988 年 50 巻 1 号 p. 3-7
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    電子天秤とマイクロコンピューターを使って重量測定から降雪強度を求める雪量計を試作し, 二冬間札幌で使用した. この装置の特徴として, 1) 雪を水に変換して測定する従来の溢水式や温水式の雪量計に比べ, 雪の重量を直接測定するタイプであるから, 時間の遅れ, 加熱による蒸発の誤差がない.2) 任意の時間間隔でデータの収録ができる.3) 天秤の最小感度0.1g, 受雪部の直径35Cmで, 0.062mm/hrの微小な降雪強度を測定できる.4) 集計時間間隔を一分間にした場合, 24時間まで連続してデータの収録ができる.5) データをデジタルで収録しているので平均化, グラフ化など解析処理が容易である.6) 防風ネット二枚, 防風板一枚で三重に雪量計を囲ったので, 風の影響を受けにくく, 降雪の補足率が高い.などが挙げられる.
    他の測定値と比べた結果, 数分の時間スケールで細かく変動する降雪現象を, この雪量計の降雪強度の変化からみることが出来た.従ってこの雪量計を使うことによって水平的に微細な構造をもった降雪雲からの降水強度の時間変化を詳しく調べることができる.
  • ヒートパイプを利用した低温外気による地中凍結に関する実験的研究
    沢田 正剛
    1988 年 50 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    北海道北東部のような寒冷地域における冬期間の低温外気を冷却源として, 地中に人工的な凍土を造成し, これを維持するための基礎的なデータを得ることを目的として, 数シーズンにわたって野外実験を行った.
    低温外気と地盤との熱交換には, 特別に設計製作した重力式ヒートパイプを用いて, ヒートパイプの表面温度分布, ヒートパイプ近傍の地中温度分布, 地表面温度, 気温などを通年測定した.
    上記のような測定値を解析した結果, 電子計算機などによるシミュレーションを行うための必要なデータが得られた.
    ヒートパイプの作動流体については, フレオンR-22およびフレオンR-12を用いて, 両者による地盤冷却効果の相違について比較検討した.
    さらにヒートパイプの他に, 低温外気をファンによって直接地中に送風する方法についても実験した結果を示す.
  • 近藤 純正
    1988 年 50 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    簡単なモデルを用いて積雪粒子群からなる空隙内の水蒸気移動量をもとめ, 積雪の実効熱伝導率を積雪密度の関数として表現した.この結果によれば, 積雪密度が小さく温度が高いほど, 空隙内の水蒸気移動量は大きく, 積雪の内部変質の速さが大きくなると予想される.さらに, 融雪水の流下フラックスを斜面流のモデルを用いて計算し, 含水量・氷粒子の大きさ・積雪の乾き密度の関数として表現した.これらのパラメータ化は従来の実測値と矛盾しない.
  • 伊豆田 久雄, 生頼 孝博, 山本 英夫
    1988 年 50 巻 1 号 p. 25-32
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    直方体粘土凍土・砂凍土の曲げ試験を行い, 曲げに対する力学的挙動の歪速度・温度・NaCl濃度依存性を調べた.凍土を一定速度でたわませる際の, 反抗力である荷重とたわみを連続測定した.荷重-たわみ曲線は, 歪速度の増加・温度の低下・NaCl濃度の減少によって, 直線部分と曲線部分からなる場合 (弾塑性的挙動) から, ほぼ直線部分のみの場合 (弾性的挙動) に変化した.荷重がたわみに比例する上限である比例限界点の荷重 (比例限界荷重) は, 粘土凍土・砂凍土ともに, 歪速度の増加・温度の低下・NaCl濃度の減少によって単調増加を示した.一方, 荷重たわみ曲線における最大荷重は, 砂凍土においては, 歪速度の増加や温度の低下に対して単調増加をしなかった.この現象は, 同種類の砂凍土の一軸圧縮試験では見られないものである.
    コンクリート・海氷等の応力解析で広く用いられている弾性理論の, 凍土への適用性を検討した.供試体側面の歪分布の測定結果やクラック形成の観察から, 弾性理論を最大荷重点に適用するのは妥当でないことが確認された.比例限界荷重から曲げ降伏強度を算出した.
  • 鄭 本興, 陳 建明, 上田 豊
    1988 年 50 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2010/01/22
    ジャーナル フリー
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