雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
44 巻, 4 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 高橋 修平, 中尾 正義
    1982 年 44 巻 4 号 p. 189-195
    発行日: 1982/12/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    白瀬氷河流域のほぼ中央に位置する流線に沿う氷床断面における, 流動場の推定を試みた.用いた入力データは, 氷床表面と基盤の高度, 流線間隔, さらに表面質量収支などである.これらの値は時間に依存しないものとして, 従来得られている実測値を参考にして与えた.氷床の流動が定常かつ層流で底面滑りも無いものと仮定すると, 連続の条件を用いることによって, 流線上すべての点での表面流速と歪速度とを求めることができた.氷床中任意の点における流速も, 水平成分, 鉛直成分ともに連続の式から求めることができる.このことを利用して, 氷床の内部流線および氷の等年代線を決定した.
  • 小林 俊一, 石川 信敬, 内藤 靖彦, 川口 貞男
    1982 年 44 巻 4 号 p. 197-203
    発行日: 1982/12/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    第21次南極観測越冬中, 1980年3月18日昭和店地周辺の定着氷が雪嵐 (blizzard) のため大部分流失してしまった.そのため昭和基地開設以来, オングル島周辺は岸にもっとも近い潮割れ目から開水面となった.その後の海水而の凍結過程を観察した結果, 海水の凍結までの過程で, 海水の中に氷晶 (frazil ice) や錨氷 (anchor ice) が発生した.これらの水中に生じた氷の観察から海面の凍結までの過程で, 大気が低温であることのほかに大気の乱流と海面の相互作用による熱交換過程が海水の冷却機構の中で電要な役割を演じていることが示唆された.
  • 中峠 哲朗, 水越 允治
    1982 年 44 巻 4 号 p. 205-210
    発行日: 1982/12/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    前回の報告 (中峠・水越1979) においては, 積雪災害度の地域的差異を, 自然的条件と社会的経済的条件の双方を併せ用いて説明することを試み, 日本海沿いの各県 (北海道は支庁) の年間雪害対策経費Mを総合的な積雪災害度の目安とした場合MNTx-1/3という近似式が成り立つことを示した.ただしN は各県 (または支庁) の人口, T は各県 (または支庁) の人口最大都市にある気象台の気象資料からさきの報告 (中峠1968, 1976) で与えられた自然条件および除雪条件を考慮した雪害指数, xは上記気象台の海岸からの距離, γは定数である.各県についてのγの値は誤差33%でほぼ一定値が得られた.今回は青森・秋田・新潟・山口など, とくに誤差が大きく現れたものを修正するために, 県内都市での災害をもたらす諸条件のばらつきによるものとして検討した.すなわち, 人口の多い上位数都市の人口をあわせてようやく県人口の1/4をこえる県については, M =γ (nΣi=1NiTi+NeTe) として処理し, 人口最大都市のみで県総人口の1/4をこえる県については, 前出の式で処理する方法を述べた.これによって得られた各県のγ値の平均誤差は, 山口県を除くと22%に減少し, 積雪災害度がここでとりあげた諸条件によってほぼ表現できることがわかった.
  • 中峠 哲朗
    1982 年 44 巻 4 号 p. 211-216
    発行日: 1982/12/30
    公開日: 2010/01/22
    ジャーナル フリー
    筆者は前に積雪災害の大きさを記述するためにいくつかの積雪災害指数を提案した.すなわち基本的な指数3つ (気温に関するPθ, 降水量及び積雪深に関するPW及びPH) とその応用として除雪作業の実施状況を考えた災害などである.この報告では, 雪害の他の例として個人市民が道路上積雪を人手で除雪する場合の除雪労力Eに対する新らしい積雪災害度Uを導入する.すなわち北陸地方におけるEの値を道路上の新積雪深h.自然積雪深H, 道幅などの諸要素を用いて表式化した.得られた表式中で, 除雪についての等価積雪深λHを導入すると, λは除雪のいろいろの操作時における道路状況を記述するパラメーターとなり, いくつかの例について調べた結果, ほぼλ=1.7としてよい.またEの表式中のh, Hを上記PW, PHでおきかえて, 人力除雪時の労力指数U=kλPWPHBが得られた.ここにBは個人担当の道路面積である.この指数の値を日本海沿岸の各地について計算した結果, 毎日の労力や年間労力の地域差が得られた.
  • 松岡 憲知
    1982 年 44 巻 4 号 p. 217-221
    発行日: 1982/12/30
    公開日: 2010/01/22
    ジャーナル フリー
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