雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
58 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 福嶋 祐介, 早川 典生, 山口 武俊
    1996 年58 巻3 号 p. 205-214
    発行日: 1996/05/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    煙型雪崩のシミュレーションモデルの妥当性を検討するため,淡水中に流入する塩水の重力密度流の実験を行った.塩水による重力密度流は,上流から供給がある場合と無い場合のそれぞれについて,傾斜壁面プリュームと傾斜壁面サーマルに大別される.傾斜壁面プリュームフロント部は上流からの雪粒子の供給がある場合の煙型雪崩を,傾斜壁面サーマルは上流からの雪粒子の供給が無い場合の煙型雪崩を模擬するものと考えられている.本研究では,2つのタイプの密度流について,フロント部の移動速度,最大厚さなどを測定し,2つのタイプの煙型雪崩のシミュレーションモデルと比較した.シミュレーションモデルが対象とする流れの規模は,現地規模の雪崩から,実験室規模の重力密度流までの広範囲にわたる.モデルの中の係数のうち周囲流体の連行係数や雪粒子の連行係数の値を調整することにより,本シミュレーションモデルの現地規模の雪崩に対する適用が可能になる.
  • 第3報電導度式雪氷分率計の管内流れへの適用
    白樫 正高, 北原 拓夫
    1996 年58 巻3 号 p. 215-222
    発行日: 1996/05/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    雪氷の水力輸送を実用化するためには,管内の流れにおける固体(雪あるいは氷)の分率を実時間で連続的に測定する技術が不可欠である.筆者らは既報で,固体粒子の混入による電導度の低下から固体の体積分率を測定する装置を製作し,これにより立方体容器内の氷をはじめとする各種の固体粒子の分率が精度よく測定されることを示した.本研究では,この方法を円管内の雪氷・水二相流の実時間測定に適用するため,電極の形状・配置等を検討し,雪氷の粒子の片寄りの影響,流速,取付けた管路の姿勢に影響されない良好な特性を得た.また,ある間隔をおいて設置された幅の狭い二つの検出電極により分率変動を同時測定し,それらの相互相関係数から雪氷の移動速度が測定されることを示した.本研究により開発された電導度式雪氷分率計は,検出のための特別の形状の管を必要とせず,また管の中に流れを妨げるようなものを設ける必要がないことから,今後,雪氷の輸送装置の運転制御における測定器として広い応用性をもつと考えられる.
  • 梶川 正弘
    1996 年58 巻3 号 p. 223-228
    発行日: 1996/05/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    紡錘状霰の落下姿勢の安定性に及ぼす内部密度の不均一さの影響を検証するために,8ケースの降雪について頂点部と底面部の密度を測定した.この測定に加えて,頂角と宙返り運動との関係を自由落下姿勢の観測データを用いて再解析した.バルク密度が約0.3g・cm-3以下の範囲では,頂点部と底面部の密度差は小さいので,宙返りに対しては頂角θの効果が顕著となり,θ>θ*では完全宙返り(頂点が真下の位置を含む姿勢),θ<θ*では不完全宙返り(頂点が真下の位置を含まない姿勢)となる.ここで,θ*は底面部の高さをh,サイズの半分をrとして,以下の式で定義される(Jayaweera and Mason,1965).θ*=0.68h/r+π/4一方,バルク密度が0.3g・cm-3以上になると,底面部の密度がかなり大きくなり落下姿勢を安定化させるため,θ>θ*の領域でも不完全宙返りの割合が増加する.これらの結果は,紡錘状霰がその形を保ったまま成長し続けて,サイズが1cm近くになったり,紡錘状の雹になったりする可能性を示唆している.
  • 中林 宏典, 石川 信敬, 兒玉 裕二
    1996 年58 巻3 号 p. 229-237
    発行日: 1996/05/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    魚眼レンズで撮影した全天写真をもとに,林の全天開空率(P)と太陽経路開空率(Q)の関係を求め,林外で得られた気象要素,放射量の観測値を用いて,林内融雪の支配因子である放射収支量を推定する手法を提示し,放射収支量の開空率依存性を明らかにした.晴天日の放射収支量は,全天開空率(P)の増加とともに増大するが,Pがおよそ0.8以上では減少することがわかった.これは林内への日射透過量が増大することよりも,樹冠起源の下向き長波放射量の減少が寄与しているためである.放射収支量の開空率依存性は,日射量の多い晴天日,あるいは積雪表面のアルベドが低く,吸収される日射量の割合が大きいほど顕著になる.日射量の少ない曇天日やアルベドが高いときには,放射収支量の開空率依存性は弱く,森林状態の違いによる放射収支量の違いは小さくなっている.
  • 阿部 修
    1996 年58 巻3 号 p. 239-245
    発行日: 1996/05/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    積雪の内部構造に関する情報をより簡便に得るために開発された積雪用ゾンデの現況を経緯および展望を含めて紹介した.まず,積雪層構造を測定するためのこれまでの方法と新しい方法について述べ,長所や短所を指摘した.その上で複数のセンサーを組み込んだ複合ゾンデの構成,使用方法および測定結果を紹介した.さらにゾンデの性能評価や今後の展望について言及した.
  • 谷口 慶治
    1996 年58 巻3 号 p. 247-250
    発行日: 1996/05/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    スキーヤーの技能レベルを滑走速度,回転弧の形状,滑走方向のずれの3つのパラメータにより評価する方法を解説している.これらのパラメータを上級者と初級者の各2人のスキーヤーに適用して技能レベルを評価したところ,良好な結果が得られた.
  • 氷の振動スペクトル
    伊藤 英之助
    1996 年58 巻3 号 p. 251-253
    発行日: 1996/05/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
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