1980~81年から2006~07年までの27冬季についてノレーチン気象データを入力とする簡素なモデル(Motoya et al.,2001)により東北6県(面積77000km2)における積雪分布を日単位,1km メッシュ平均で計算した.また27冬季の平均から,積雪水量分布の準気候値を得た.領域全体で合計した総積雪水量の最大値は平均26.1km3,年々変動の標準偏差は5.2km3 と推定された.総積雪水量の季節変化について,平成18年豪雪時では早期の積雪増加が顕著であり,1980~81年冬季(S56豪雪時)も類似の傾向を示した.平成18年豪雪時はS56豪雪時と比べ北東北日本海沿岸における積雪水量の正偏差がより顕著であった.寡雪年の2007年3月についてみると,新潟付近の積雪水量負偏差は1990年(寡雪年)と比べ大きい一方で,北東北の山間部では,3月以降の融雪末期にはほぼ平年並みの積雪となったことがわかった.
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