雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
70 巻, 6 号
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  • 本谷 研
    2008 年 70 巻 6 号 p. 561-570
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/04/09
    ジャーナル オープンアクセス
    1980~81年から2006~07年までの27冬季についてノレーチン気象データを入力とする簡素なモデル(Motoya et al.,2001)により東北6県(面積77000km2)における積雪分布を日単位,1km メッシュ平均で計算した.また27冬季の平均から,積雪水量分布の準気候値を得た.領域全体で合計した総積雪水量の最大値は平均26.1km3,年々変動の標準偏差は5.2km3 と推定された.総積雪水量の季節変化について,平成18年豪雪時では早期の積雪増加が顕著であり,1980~81年冬季(S56豪雪時)も類似の傾向を示した.平成18年豪雪時はS56豪雪時と比べ北東北日本海沿岸における積雪水量の正偏差がより顕著であった.寡雪年の2007年3月についてみると,新潟付近の積雪水量負偏差は1990年(寡雪年)と比べ大きい一方で,北東北の山間部では,3月以降の融雪末期にはほぼ平年並みの積雪となったことがわかった.
  • 尾関 俊浩, 八久保 晶弘, 岩花 剛, 中村 一樹, 樋口 和生, 大西 人史, 佐々木 大輔, 秋田谷 英次
    2008 年 70 巻 6 号 p. 571-580
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/04/09
    ジャーナル オープンアクセス
    2007年11月13日と23日の2度にわたって北海道上ホロカメットク山で雪崩が発生した.13日の雪崩は山頂に近い西斜面で発生,1人が埋没し救助された.23日の雪崩は山頂から西へ延びるD尾根の北斜面で発生,2パーティー12人が埋没し4名が死亡,1名が重傷を負った.(社)日本雪氷学会北海道支部は2007-2008冬期に創設した雪氷災害調査チームを現地に派遣し, この雪崩の規模と発生メカニズムを解明する目的で雪崩の調査を行った. 発生区および堆積区で行った積雪断面調査の結果,両方の雪崩とも地面に近い積雪内にしもざらめ雪とこしもざらめ雪からなる弱層が確認された. 今回の雪崩はこの層が破断したことにより発生した面発生乾雪表層雪崩であった.
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