雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
59 巻, 4 号
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  • 森末 晴男, 竹内 則雄, 早川 典生
    1997 年 59 巻 4 号 p. 235-246
    発行日: 1997/07/15
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    雪崩による災害を未然に防ぐための積極的な雪崩対策として, 爆薬により人工雪崩を発生させる方法が実施されている.しかし, 爆薬の使用方法については, 経験によるところが多い.このような現状に鑑み, 本研究では最近利用率が増加している含水爆薬を人工雪崩に用いる場合の装薬方法を明らかにすることを目的として, 爆薬量や種類, 装薬位置を変えて実験を行った。その結果, 破壊孔は球と近似したときの球の半径 (R) をもとに表現できることが明らかになった.これをもとに, 爆薬量 (L) と破壊孔の半径 (R) を関係づける, (L=d・fH (H) ・f VF (V, F) ・fR (R) ・R3) なる実験式を提案した.ここで, dはてんそく係数, fH (H) は装薬位置Hに関する補正係数, fVF (V, F)は爆破速度Vと火薬力Fによる補正係数, fR (R) は薬量修正係数である.さらに, 実験式を検証する意味で, 一般的な装薬方法である千鳥状に装薬して実験を行ったところ, 実験式を支持する結果が得られ, 本実験式の有効性を示すことができた.
  • 第5報 事業用雪押込機
    梅村 晃由, 澤本 勝範, 久納 和重, 村山 健一, 三本 正人, 花田 義晴
    1997 年 59 巻 4 号 p. 247-255
    発行日: 1997/07/15
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    雪を水と混合してポンプで加圧し管路により輸送する装置として, 前報の1t/hの能力の家庭用雪押込機の開発までに得られたデーターを総合して, 26.4t/hの事業用規模の雪押込機を設計する設計法を示した.そして, それに基づいて設計された機械を試験し, ざらめ雪について, 34.9t/hの処理能力, こしまり雪について9.8t/hの処理能力を確認した.これを設計の重要因子である固相率でみると, 設計値の20%に対して, それぞれ, 23.5%と9.2%であった, つまり, 本論文の設計法は, 雪質によるこの程度の差を含んで, 妥当なものとされた.
    また, 作られた雪押込機の能力は, 投入口を除雪機械による雪の大量投入に適したように改良し, 流雪溝の水量を増すことによって, さらに増加させることが可能であると判断された.
  • 松岡 健一, 白岩 孝行, 浦塚 清峰, 大井 正行, 前野 英生, 山口 悟, Yaroslav D. MURAVYEV, 成瀬 廉二, ...
    1997 年 59 巻 4 号 p. 257-262
    発行日: 1997/07/15
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    ロシア連邦カムチャッカ半島のUshkovsky山頂上の氷冠中央部の2地点で, 1996年8月, 中心周波数4MHzのインパルスレーダを用いて氷厚測定を行った.送受信アンテナ間距離を変化させて観測を行い, 受信電圧の時系列変化を得た.氷厚測定地点近傍で行われた浅層コア掘削結果などから, 全層の平均的な電波伝播速度は170ないし180m/μsであると推定される.この結果を用いて計算したところ, 90m離れた2地点の厚さはそれぞれ120~126m, 197~209mであることが分かった.示した誤差は伝播速度決定の誤差に起因する誤差である.また, 伝播速度決定の際に含有不純物の効果は考慮していないため, この値は最大の推定値である.同一地点の探査において異なるアンテナ間隔で得られた氷厚は1m以下の精度で一致し, 本観測の結果はそれぞれの地点の氷厚の最大値として信頼できると思われる.
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