雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
73 巻, 1 号
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  • 村井 昭夫, 高橋 修平, 亀田 貴雄, 皆巳 幸也, 井端 一雅
    2011 年 73 巻 1 号 p. 3-14
    発行日: 2011年
    公開日: 2022/07/31
    ジャーナル オープンアクセス
    対流型の人工雪結晶生成装置内に光学式の鏡面冷却式露点計FINEDEWを設置し,雪結晶生成時の湿度測定を試みた.FINEDEWは光学系に光ファイバを使った超小型センサタイプの鏡面露点計であり,鏡面を結晶生成点の近くに置くことが可能なことから,結晶生成点近傍の露点をリアルタイムで計測できる.実験の結果,およそ-5℃から-40℃の温度範囲で安定した露点測定が可能であった.また,この結果,種々の形態の雪結晶(ここでは針状,渦巻,広幅六花,樹枝状六花,角柱,側面および砲弾を報告)は氷飽和から水飽和までの水蒸気量で生成していることが測定された.これらの値はNakaya(1954)の結果と比べると各結晶とも低いものであったが,その理由は,Nakaya(1954)の測定が装置内に浮遊する微小水滴も含めた全水分量を湿度として換算・測定しているのに対し,本研究では空気塊のみの気相としての相対湿度を測定しているためであると考えられる.
  • 成瀬 廉二, 岩田 修二, 安成 哲三, 藤井 理行
    2011 年 73 巻 1 号 p. 15-27
    発行日: 2011年
    公開日: 2022/07/31
    ジャーナル オープンアクセス
    1960年代後半,わが国の3つの大学と高校OBの遠征隊が,パタゴニア北氷原のソレール氷河ほか,および南氷原のHPS10氷河,ウプサラ氷河と周辺地域,ならびにフエゴ島にて学術探検を行った.本報告は,現在一般には人手困難な遠征隊報告書および諸資料から抜粋,復刻し,探検の行動記録と調査結果,および筆者等の当時の“想い”をまとめたものである.これらの学術探検は,氷河調査としては予察的,初歩的に過ぎなかったが,得られた経験と知見は約15年後にパタゴニア氷河研究の開始への駆動力となった.
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