雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
70 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 石坂 雅昭
    2008 年70 巻1 号 p. 3-13
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/04/09
    ジャーナル オープンアクセス
    日本の積雪地域の積雪の質的特徴に基づく気候区分の一つである「しもざらめ雪地域」について,その気候的な意味をより明確にするため, 定義及び区分条件の再検討を行った. そのため, 日本の積雪地域のうち寒冷で相対的に積雪の少ない気象官署21 地点の1 ,2 月の気象データから, 平年値期間である1971 ~2000 年の間に, 何冬期「しもざら雪地域」とみなせるようなしもざらめ雪の著しい発達が見られたかを推定し,区分条件との関係を調べた. その結果,平年値算定期間である30 年間にしもざらめ雪が著しく発達したと推定される年数の割合で「しもざらめ雪地域」を気候的かつ定量的に定 義することができること, 対応する区分条件はその地域の気候的な雪中温度勾配を反映したものであることなどがわかった. そして, 上記で得られた新たな条件とその他の気候区の条件とを合わせ,最新のメッシュ気候値2000 に適用して, 積雪の質的特徴を表す新しい気候図を作成した.
  • 上村 靖司, 庄山 武志, 星野 真吾
    2008 年70 巻1 号 p. 15-22
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/04/09
    ジャーナル オープンアクセス
    低コストで雪を長期貯蔵できる技術として雪山が有望視されている.本論文では,籾殼について,露天での雪保存実験および実験室における物性測定から, その断熱被覆材としての熱特性の定量的把握を試みた.450 t の雪山による露天での雪保存実験の結果, 平均の雪山高さの減少率は,15 cm被覆部で1.5cmd-1 ,30 cm 被覆部で1.2 cm d-1 , 夏季日中でも2.0cmd-1 程度と良好な保存性を示した.また雪山高さの減少は,積算気温と良い直線関係があることがわかった.室内実験から,籾殼の乾燥密度104 kg m-3 , 飽和含水密度( 含水比0.54 )226 kg m-3 が得られた. 熱伝導率は乾燥状態で0.215 W m-1 K-1 , 飽和含水状態では0.309Wm-1K-1 であり, その間は含水比に比例して増加した. 籾殼層に雨を模擬する散水をした結果, 籾殼の撥水性により上部に滞留した後, 層内に水みちを形成して一気に流下した. そのため, 表層・下層および中間層の水みち部以外では, 乾燥状態を保つ様子が見られた. 上部・底部吸水層および水みち部をモデル化し, 全層の平均熱伝導率を計算したところ, 籾殼層厚さが20cm 以上になると変化が小さくなり,30cm を越えると0.23~0.24Wm-1K-1 とほぼ一定値となることがわかった.
  • 成瀬 廉二
    2008 年70 巻1 号 p. 23-28
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/04/09
    ジャーナル オープンアクセス
    氷河や氷床の現地において比較的容易に測定が可能な氷河変動は,大きく分けると1 )末端の前進・後退,2 ) 面積変化,3 ) 氷厚変化, および4 ) 質量収支変化の4要素となる. このうち1 ) は最も簡便で, 世界中の多くの氷河地域で多数の長期間のデータが蓄積されているが,あくまでこれは氷河変動の一次元情報に過ぎない.気候変化や水循環の視点からは,2)と3 )を組み合わせた体積変化( 三次元情報)あるいは4 ) 質量収支変化の価値が高い. 氷河の表面高度の測定から氷厚変化を導くためには底面滑り等の補正が必要なこともある. 本稿は, 筆者が過去40 年間にわたり, 南極氷床やパタゴニアを中心とした山岳氷河にて行ってきた氷河変動の測定と解析方法を平易にとりまとめたものである
feedback
Top